日本のエネルギー 2021年度版 「エネルギーの今を知る10の質問」
3.環境
地球温暖化対策 ~カーボンニュートラル~
Qカーボンニュートラルとは何ですか?
A「温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする」ことです。
- 「温室効果ガス」は、CO2だけでなく、メタンなど温室効果を持つ全ての気体を指す。
- 「排出を全体としてゼロにする」とは、排出量から吸収量を差し引いた、合計がゼロとなる(ネットゼロ、実質ゼロと同じ)
日本の温室効果ガス排出量(2019年度)
- ※
- CO2以外の温室効果ガスはCO2換算した数値
- 出典:
- GIO「日本の温室効果ガス排出量データ」より作成
カーボンニュートラルを表明した国・地域
- 2050年までのカーボンニュートラル(CN)に向けて取り組む国・地域※1):144
- これらの国における世界全体のCO2排出量に占める割合は42.2%(2018年実績※2)
- 加えて、中国(28.4%)、ロシア(4.7%)、インドネシア( 1 . 6 % )、サウジアラビア(1.5%)等は2060年まで、インド(6.9%)等は2070年までのCNを表明するなど、カーボンニュートラル目標を設定する動きが拡大。(これらの国における世界全体のCO2排出量に占める割合:88.2%)
- ※1
- 【1】Climate Ambition Allianceへの参加国、【2】国連への長期戦略の提出による2050年CN表明国、2021年4月の気候サミット・COP26等における2050年CN表明国等をカウントし、経済産業省作成(2021年11月9日時点)
- ※2
- CO2排出量は、IEA (2020), CO2 Emissions from Fuel Combustion を基にカウントし、エネルギー起源CO2のみ対象。
カーボンニュートラルへの転換イメージ
- ※
- 数値はエネルギー起源CO2
- DACCS (direct air capture with carbon storage):
- 大気中にすでに存在するCO2を直接回収して貯留する技術
温室効果ガス排出量
Q日本は温室効果ガスをどれくらい排出していますか?
A東日本大震災以降、温室効果ガス排出量は増加しましたが、2019年度は12.1億トンまで減少しました。今後も、削減に向けた努力を続ける必要があります。
日本の温室効果ガス排出量の推移
- 出典:
- 総合エネルギー統計、日本の温室効果ガス排出量の算定結果(環境省)を基に作成
- 温室効果ガス:
- CO2、メタン、一酸化二窒素、ハイドロフルオロカーボン類、パーフルオロカーボン類、六ふっ化硫黄、三ふっ化窒素の7種類。
コラム - 世界のCO2排出量
世界のCO2排出量推移
- 出典:
- IEA「Energy related CO2 emissions 1990-2019」より作成
- (備考)
- 「先進国」は、オーストラリア・カナダ・チリ・EU・アイスランド・イスラエル・日本・韓国・メキシコ・ノルウェー・ニュージーランド・スイス・トルコ・米国を指す
2018年 世界のCO2排出量335億トン
- 出典:
- IEA「CO2 Emissions from Fuel Combustion Highlights 2020」
- ※
- エネルギー起源CO2のみ
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- (排出量)単位:億トンCO2
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- EU15カ国は、COP3(京都会議)開催時点での加盟国である。
- ※
- 四捨五入のため、各国の排出量の合計は世界の総排出量と一致しないことがある。
カーボンニュートラルに向けた産業政策“グリーン成長戦略”とは?
今、温暖化への対応を“経済成長の制約やコスト”と考える時代は終わり、“成長の機会”ととらえる時代になりつつあります。
脱炭素化は、産業政策の観点からも、重要な政策テーマとなりました。