日本のエネルギー 2020年度版 「エネルギーの今を知る10の質問」

4.安全性

安全性の確保

Q激甚化する自然災害に対し、どのようにエネルギー安定供給および安全性を確保しますか?

A2020年6月「エネルギー供給強靱化法」が閣議決定され、電気事業法の改正が行われました。
災害時の連携強化、送配電網の強靱化、災害に強い分散型電力システムなどを進めています。

台風・豪雨による電力・燃料供給インフラの損壊

兵庫県淡路市風力発電設備倒壊(2018年8月台風)

兵庫県淡路市風力発電設備倒壊
(2018年8月台風)

千葉県市原市水上設置型太陽光発電所損壊(2019年9月台風)

千葉県市原市水上設置型太陽光発電所損壊
(2019年9月台風)

千葉県君津市送電線鉄塔倒壊(2019年9月台風)

千葉県君津市送電線鉄塔倒壊
(2019年9月台風)

冠水した製油所敷地(2019年10月台風)

冠水した製油所敷地
(2019年10月台風)

水没したタンクローリー(令和2年7月豪雨)

水没したタンクローリー
(令和2年7月豪雨)

津波による被害

東日本大震災時の津波の影響で水素爆発をした福島第一原子力発電所
(2011年3月)

福島第一原子力発電所

画像:
東京電力ホールディングス写真集
https://photo.tepco.co.jp

エネルギー供給強靱化法

「エネルギー供給強靱化法」とは、正式名称を「強靱かつ持続可能な電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律」と言います。「電気事業法等」とあるように、電気事業などに関するルールをさだめた「電気事業法」と呼ばれる法律のほか、「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法(再エネ特措法)」と「独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構法(JOGMEC法)」の改正も含まれています。

エネルギー供給強靱化法

「法制度」の観点から考える、電力のレジリエンス

「法制度」の観点から考える、電力のレジリエンス - こちらのQRコードで記事がご覧頂けます。

電力インフラ・システムを強靱にする法制度をご紹介します。

  1. 法改正の狙いと意味
  2. 被災からの学びを活かした電気事業法改正
  3. 被災に強く再エネ導入にも役立つ送配電網の整備推進
  4. 次世代の電力プラットフォームもにらんだ法改正
  5. 再エネの利用促進にむけた新たな制度とは?

取組1:電力インフラの強靱化

巨大な台風や首都直下地震等の大規模災害の発生が予想されると共に、脱炭素化の要請が強まる中、我が国の電力ネットワークは、レジリエンスを抜本的に強化し、再エネの大量導入等にも適した次世代型ネットワークに転換していくことが重要です。バックアップ機能の強化を図るため、全国ネットワークの複線化を図り、電力インフラの強靱化を実現します。

地域間連系線の増強状況

地域間連系線の増強状況

レジリエンス:
「強靱性」、あるいは「回復力」や「弾力性」を表す。
地域間連系線:
隣接する電力会社の供給区域の系統設備を相互に接続する送電線、周波数変換装置、交流直流変換装置のことで、エリアを超えた電力の融通が可能になる。

取組2:安全性を高めた新規制基準への対応

原子力発電所の再稼働にあたっては、原子力規制委員会によって、新規制基準に適合することが求められ、従来の規制基準と比べ、事故防止のための対策が強化されるとともに、万一の際の備えやテロ対策を追加で行なっています。

新規制基準(2013年7月)

出典:
原子力規制委員会資料
シビアアクシデント対策例

万一、圧力低下のために格納容器内の気体放出が必要になった場合でも、放射性物質の放出量を1/1000以下に抑制できる装置や、水素爆発を防止する装置を設置。

シビアアクシデント対策例

新規制基準での強化例
地震:
基準となる地震の揺れの強さを580ガルから1000ガルに。
津波:
震災等の知見を踏まえ、想定津波の高さを23.1mとし、防潮堤の高さの基準を14.8mから29mに。

新規制基準での強化例

出典:
東北電力ホームページ

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