日本のエネルギー2018 「エネルギーの今を知る10の質問」

9.水素・蓄電技術は普及しますか?

水素エネルギー

Q今後、水素エネルギーは普及しますか?

A今後、水素エネルギーは多様な用途に使われることが期待され、石油などを代替する未来のエネルギーとして中心的役割を担うことが期待されています。

クリーンエネルギーを利用した水素社会 - Power to Gas

太陽光や風力など変動する再生可能エネルギーの導入拡大が進んだ場合、余剰電力を貯蔵する技術が必要となります。そこで、水素としてエネルギーを貯蔵するPower-to-gas技術が国内外で注目されています。

再生可能エネルギーの電力利用の流れを表した図。
太陽光や風力の再生可能エネルギーの不安定電力(余剰電力)を水電解し、水素(H2)に変換。水素ステーションや燃料電池バス、燃料電池コジェネや燃料電池自動車、水素発電などへ輸送される。
また、太陽光や風力の再生可能エネルギーの系統受入可能分である安定電力は電力グリッド(送電線)を経て届けられる。
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  • 福島水素エネルギー研究フィールド

    2020年
    再エネを用いた大規模水素製造実証/東京五輪の際の活用目指す
    (福島県浪江町)

  • 大規模水素海上輸送網

    2020年
    日豪・日ブルネイ間の水素サプライチェーン構築実証

  • 水素発電実証試験

    2018年
    世界初、市街地で水素100%による熱電供給を達成
    (NEDO)

福島水素エネルギー研究フィールド

水素供給構造の転換に向けた取組のひとつが、福島県浪江町で進められている「福島水素エネルギー研究フィールド」です。浪江町で作られた水素は、福島県内はもちろん、2020年に開催される「東京2020オリンピック・パラリンピック」の際に、東京でも活用されることを目指しています。

鉱物資源

Q国内資源の調査や開発は進んでいますか?

A電気自動車(EV)には大量の鉱物資源が必要となります。とりわけ重要なのが「レアメタル」と呼ばれる希少金属です。車体価格の1/3を占めるとされるリチウムイオン電池には、リチウム、コバルト、ニッケル、グラファイトなどのレアメタルが使用されています。日本はほぼ100%の鉱物資源を輸入に頼っています。

鉱物資源別の国別生産量を表した円グラフ。
【リチウム】(2017年)世界年間生産量4.3万純分トンの内訳:「オーストラリア 43.5%」「チリ 32.8%」「アルゼンチン 12.8%」「中国 7.0%」「ジンバブエ 2.3%」「その他 1.6%」
【コバルト】(2017年)世界年間生産量11万純分トンの内訳:「コンゴ民主共和国 58.2%」「ロシア 5.1%」「オーストラリア 4.5%」「カナダ 3.9%」「キューバ 3.8%」「フィリピン 3.6%」「マダガスカル 3.5%」「パプアニューギニア 2.9%」「ザンビア 2.6%」「その他 11.8%」
【ニッケル】(2017年)世界年間生産量210万純分トンの内訳:「インドネシア 19.0%」「フィリピン 11.0%」「カナダ 10.0%」「ニューカレドニア 10.0%」「オーストラリア 9.0%」「ロシア 8.6%」「ブラジル 6.7%」「中国 4.7%」「その他 21.0%」
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出典:
USGS(Mineral Commodity Summaries 2018)

日本は世界で6番目の大きさの領海・排他的経済水域(EEZ)を持っています。これらの海域には、それぞれが異なる金属を含む4つの海洋鉱物資源があり、水深や分布状態に合わせて、それぞれに適した技術の開発が行われています。

海洋鉱物資源の分布を表した図
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  海底熱水鉱床 コバルトリッチクラスト マンガン団塊 レアアース泥
特徴 海底から噴出する熱水に含まれる金属成分が沈殿してできたもの 海山斜面から山頂部の岩盤を皮殻状に覆う、厚さ数cm~10数cmの鉄・マンガン酸化物 直径2~15cmの楕円体の鉄・マンガン酸化物で、海底面上に分布 海底下に粘土状の堆積物として広く分布
賦存海域 沖縄、伊豆・小笠原(EEZ) 南鳥島など(EEZ、公海) 太平洋(公海) 南鳥島海域(EEZ)
含有金属 銅、鉛、亜鉛など(金、銀も含む) コバルト、ニッケル、銅、白金、マンガンなど 銅、ニッケル、コバルト、マンガンなど レアアース(重希土)を含む
開発対象の水深 700m~2,000m 800m~2,400m 4,000m~6,000m 5,000m~6,000m
世界の産業を支える鉱物資源について知ろう

レアメタルをはじめとした鉱物資源は、いまや世界の産業を支える重要なものとなっています。「レアメタル」や、鉱物資源が含まれた家電や携帯電話の廃棄物を指す「都市鉱山」など、記憶にある話題も多いのではないでしょうか。私たちの見えないところで、さまざまな役割を果たしている鉱物資源について御紹介します。

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