日本のエネルギー2018 「エネルギーの今を知る10の質問」

8.原子力発電は必要ですか?

原子力発電所について

Q原子力発電は必要ですか?

A資源の乏しい我が国において、1.安定供給の確保、2.電力コストの引下げ、3.CO2排出の抑制の3点を実現するためには、原子力発電は欠かすことのできない電源です。再稼働にあたっては、安全性を最優先に、新規制基準に適合することが必要です。

日本の原子力発電所稼働状況

2019年8月5日時点での日本の原子力発電所稼働状況を示した地図。
「稼働中の炉:9基」「原子炉設置変更許可がなされた炉:6基」「新規制基準への適合性審査中の炉:12基」「適合性審査未申請の炉:9基」「廃炉を決定した炉:24基」
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安全性を高めた新規制基準への対応

原子力発電所の再稼働に当たっては、原子力規制委員会によって、新規制基準に適合することが求められ、事故防止のための対策強化、万一の際の備えの強化を行っています。

従来の規制基準(シビアアクシデントを防止するための基準、いわゆる設計基準)と2013年7月に策定された新規制基準との比較図。
新規制基準では「自然現象に対する考慮」「火災に対する考慮」「電源の信頼性」「その他の設備の性能」「耐震・耐津波性能」が強化、「内部溢水に対する考慮」が新設となった。
また、テロ対策として「意図的な航空機衝突への対応」、シビアアクシデント対策の「放射性物質の拡散抑制対策」「格納容器破損防止対策」「炉心損傷防止対策」なども新設された。

出典:
原子力規制委員会資料
使用済燃料の処理・処分
原子力発電所の運転により生じる使用済燃料は再処理を行い燃料として再利用するとともに、後に残る廃液は、ガラス原料と溶かし合わせたガラス固化体とし、地下深部に埋設することで隔離する方法で処分します(地層処分)。

使用済み燃料の処理・処分についてのイメージ図。
原子力発電所にてウラン・プルトニウムを分離・抽出。その後、使用済燃料を再処理工場にて再処理。さらに原子力発電所で燃料として再利用。再処理での廃液をガラス固化し、ガラス固化体(放射性物質はガラスの網目構造の中に閉じ込められ、厚さ20㎝の金属製容器、厚さ70㎝の緩衝材(粘土)でバリア)を最終処分(地層処分) 地下300mに建築された地下施設へ。地下深部は酸素も水の流れもほとんどなく安定している。
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科学的特性マップ

地層処分の仕組みや日本の地質環境等などについて理解を深めていただくために、地域の科学的特性を全国地図の形で示すこととし、2017年7月に「科学的特性マップ」として公表しました。

「使用済燃料」のいま~核燃料サイクルの推進に向けて
六ヶ所再処理工場の写真

日本国内の原発から出た使用済燃料は、国内の「六ヶ所再処理工場」で再処理され「MOX燃料」に加工し、もう一度発電に利用する予定です。六ヶ所再処理工場は原子力施設に対する新しい規制基準が適用され、2021年度上期の完成を予定して建設中です。

コラム - 世界における原子力の動向

以下の原子力発電の発電量実績を見ると、上位からアメリカ、フランス、中国、ロシア、韓国となってますが、建設中の原子力発電容量を見ると、中国が非常に多くの建設を行っている様子が分かります。

【世界の原子力発電 発電量(2017年)】上からアメリカ「805.6TWh」、フランス「381.8TWh」、中国「232.8TWh」、ロシア「190.1TWh」それ以降は韓国、カナダと続く。日本は、インドに続いて14番目で「29.3TWh」。
【建設中の原子力発電容量(2017年末時点)】中国が他国を離して「21.1GW」。韓国「5.7GW」、アラブ首長国連邦「5.6GW」、ロシア「4.7GW」それ以降はインド、アメリカ、ベラルーシ、パキスタン、ウクライナ、フィンランドと続いている。
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出典:
IAEA Energy, Electricity and Nuclear Power Estimates for the Period up to 2050
IEA Tracking Clean Energy Progress

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