日本のエネルギー2018 「エネルギーの今を知る10の質問」

5.エネルギー政策はどうなりますか?

基本方針

Qエネルギー政策の基本方針はどうなっていますか?

A安全性(Safety)を大前提とし、自給率(Energy Security)、経済効率性(Economic Efficiency)の向上、環境適合(Environment)を同時達成するべく、取り組みを進めています(3E+S)。
エネルギー源ごとの強みが最大限に発揮され、弱みが補完されるよう、多層的なエネルギー供給構造を実現することが不可欠です。

3E+Sを表した図。
3E とは、「自給率(Energy Security)」「電力コスト(Economic Efficiency)」「温室効果ガス排出量(Environment)」。
Sは、「安全性(Safety)」)。
それぞれの達成目標は、「自給率」東日本大震災前(約20%)を更に上回る概ね25%程度目標(現在9.6%)、「電力コスト」現状よりも引き下げる(2013年度9.7兆円から2030年度9.5兆円)、「温室効果ガス排出量」欧米にそん色ない温室効果ガス削減目標を実現(2030年度に2013年度比マイナス26%)。いずれも「Safety」安全性が大前提。

Q将来の電源構成はどうなりますか?

Aエネルギーの基本方針に基づき、3E+Sを達成するべく施策を講じたときに実現される、将来(2030年度)のエネルギー需給構造のあるべき姿(エネルギーミックス)については下図のとおりです。

一次エネルギー供給と電源構成について2017年度と2030年度のあるべき姿を比較した図。
一次エネルギー供給は、2017年度の5億1900万klから、2030年度は4億8900万kl程度を目標。
電源構成は、2017年度から2030年度において、再エネ16%から22~24%程度、原子力3%から22~20%程度、天然ガス40%から27%程度、石炭33%から26%程度、石油9%から3%程度とすることを目標。
2030年度の再エネ22~24%程度の内訳は、地熱1.0~1.1程度。バイオマス3.7~4.6%程度、風力1.7%程度、太陽光7.0%程度、水力8.8~9.2%程度。
(四捨五入の関係上、合計が100%にならない場合がある)
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Q脱炭素化とはなんですか?

A炭素排出を低減していくことです。化石燃料に大きく依存する日本のエネルギーの供給構造を変革し、温室効果ガスの排出削減にも貢献します。

エネルギー選択の流れ

日本は、これまで脱石炭、脱石油の政策選択を経て、経済成長を実現してきました。2030年のエネルギーミックスの目標は着実に進捗し、2050年の方向性として脱炭素化の選択が見えてきました。

第1の選択(1960年代)「国内石炭から石油へ」エネルギー自給率の劇的低下、1960年の58%から1970年は15%へ。脱石炭の流れに。
第2の選択(1970年代)「2回の石油危機」価格の高騰、電気代が1970年から1980年の間で2倍に。脱石油の流れへ。
第3の選択(1990年代)「自由化と温暖化」京都議定書が1997年に採択、CO2削減という課題が明確に。
第4の選択(2011年以降)「東日本大震災と1F事故」最大の供給危機に直面し、安全という価値、再エネという選択肢の登場。脱炭素の流れへ。
第5の選択(2030年以降)「パリ協定50年目標」多くの国が参加し、野心的目標を共有、技術・産業・制度の構造変革へ。
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脱炭素化に向けたイノベーション

2050年を見据えた脱炭素化の挑戦においてはイノベーションが鍵となり、このためには再エネ、原子力、水素、蓄電池、CCUSなどのあらゆる選択肢を追求していくことが重要です。

脱炭素を軸とした将来を運輸・産業・民生・電力別にまとめた図。
運輸部門の車体・システムは「電動化・自動運転・マテリアル」、燃料は「電気・水素・バイオ燃料」へ。
産業部門のプロセスは「CCUS・水素還元・さらなるスマート化」、製品は「非化石エネルギー燃料」へ。
民生部門の熱源は「電気・水素等」、機器は「機器のIoT化・M2M制御」へ。
電力部門の火力は「CCUS・水素発電等」、原子力は「次世代原子炉」、再エネは「蓄電×系統革新」へ。
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()内は2015年の排出量
CCUS:二酸化炭素回収・有効利用・貯留
出典:
資源エネルギー庁作成

コラム - 2030年エネルギーミックスの進捗

2030年エネルギーミックスに向けては、着実に進展しているが、道半ば。

2030年エネルギーミックスへの進捗を3E別に表した図。
「エネルギー自給率(Energy Security):2014年度から上昇傾向にあり2017年度の10%から2030年度目標は24%。」
「電力コスト(Economic Efficiency):2010年度から上昇と減少を推移し2017年度では7.4兆円、2030年度目標は9.2~9.5兆円。」
「エネルギー起源CO2排出量(Environment):2017年度時点で減少傾向にあり11.1億トン、2030年度目標は9.3億トン。」
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燃料費+FIT買取費の合計
燃料価格の変動やFIT買取費の増加の具合により、電力コストは不安定に推移している。
出典:
総合エネルギー統計(2017年度)等を基に資源エネルギー庁作成

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