日本のエネルギー2018 「エネルギーの今を知る10の質問」

4.福島の復興は進んでいますか?

福島第一原子力発電所の廃炉

Q福島第一原子力発電所の廃炉・汚染水対策は進んでいますか?

A廃炉・汚染水対策は世界にも前例のない困難な作業ですが、中長期ロードマップに基づき、安全かつ着実に取組みを進めています。

廃炉

各号機は安定状態を維持しており、使用済み燃料プールからの燃料取り出しに向けたガレキ撤去や除染などを行っています。
また、燃料デブリ(溶けて固まった燃料)の取り出しに向けては、格納容器内部の調査を進めており、その結果を踏まえ、取り出し方法を確定し、2021年から取り出しを開始する予定です。

各号機の現状

これまでの調査から、燃料デブリの分布など格納容器内部の状況がわかってきました。
また、2019年2月の2号機での調査で、燃料デブリと思われる堆積物をつまみ、持ち上げることができました。

1号機から4号機の現状を、事故当時と現在の写真でならべたもの。

汚染水対策

福島第一原発で発生した汚染水の量は、凍土壁等の重層的な対策により、対策開始前の1/3程度に低減しています。発生した汚染水は複数の浄化設備で処理し、可能な限り放射性物質を除去した上でタンクに貯蔵しています。
また、周辺海域の水質も大幅に改善してきています。

福島第一原発の汚染水に関わる設備の配置図に、多核種除去設備(ALPS)の写真、地中の凍土壁のイメージ図、海側の鉄鋼製の遮水壁の写真を掲載している。

福島第一原子力発電所周辺の海域の放射性物質濃度の変化。2011年3月(事故当時)1リットル当たり約10000ベクレルだった放射性物質濃度は、2019年3月(事故後約8年)1リットル当たり0.6ベクレル未満へ減少している。
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タンクに貯めている水の取扱いについて
タンクの写真

現在、タンクに貯めている水は汚染水を複数の浄化設備で処理し、放射性物質を100万分の1程度に浄化した水です。
その中には、浄化設備では取り除けないトリチウムなどが含まれているため、その取扱いが課題となっており、風評被害などの社会的な観点も含めて検討中です。
こうした汚染水対策の基礎や最新情報について、ホームページでわかりやすく解説を行っていますので、是非御覧ください。

安全・安心を第一に取組む、福島の“汚染水”対策

福島の復興にむけて

Q福島の復興は進んでいますか?

A2019年春までに、双葉町を除く全ての居住制限区域・避難指示解除準備区域が解除されました。帰還困難区域についても、特定復興再生拠点の整備に向けて取り組んでいます。また、除染やインフラ・生活関連サービスの整備を加速させ、新たな技術・産業の創出や産業集積の促進を通じた、福島の地域再生に向けた取り組みを進めています。

福島イノベーション・コースト構想

浜通り地域などの産業を回復するため、新たな産業基盤の構築を目指すものです。

福島県で進められている福島イノベーション・コースト構想の実施場所を表した地図。
福島ロボットテストフィールド(南相馬市、浪江町):ロボットの開発・実証のためのロボットテストフィールド、国際産学官共同利用施設を整備(2018年7月に一部開所)。
福島水素エネルギー研究フィールド(浪江町):世界最大級となる1万Kw級の水電解装置を用いて、再生可能エネルギーから大規模に水素を製造する実証事業を実施。
大熊分析・研究センター(大熊町):低・中線量のガレキ類や燃料デブリの分析などを実施。
JAEA廃炉国際共同研究センター国際共同研究棟(富岡町):国内外の大学や研究機関、企業などが集結し、廃炉研究などを実施。
楢葉遠隔技術開発センター(楢葉町):原子炉格納容器の調査・補修ロボットの開発・実証試験やバーチャル・リアリティシステムを利用した作業者訓練などを実施。
以上が、沿岸沿いに位置している。
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福島新エネ社会構想

福島を未来の新エネ社会の先駆けの地とし、世界へ発信しています。

再生可能エネルギーの導入拡大
  • 阿武隈、双葉エリアの風力発電などのための送電線増強など
水素社会実現のモデル構築
  • 再エネを活用した大規模水素製造実証
    (世界最大となる1万kW級の実証)
  • 次世代の水素輸送・貯蔵技術の実証
    (2020年東京オリンピック・パラリンピック期間中の活用)など
スマートコミュニティの創出
  • 新地町、相馬市、浪江町、楢葉町、葛尾村を始め、福島におけるスマートコミュニティの構築を支援など
福島県の食品の安全性
  • 農林水産物は、出荷前に徹底したモニタリング検査等などを行い、結果を公表。
  • 震災直後に比べ、近年は基準値(100Bq/kg)を超えるものはほとんどない。
  • 米は2015年産米以降、海産魚介類は2015年4月以降、基準値超過はゼロ。
  • 超過が確認された場合、市場に流通しないよう必要な措置が取られている。

農林水産物のモニタリング検査等の状況を、種別ごとに検査数、基準値超過数、超過数割合をしめした図。
玄米(玄米のみ2017年産)、畜産物、栽培山菜・きのこ、海産魚介類、内水面養殖魚、野菜・果実(特定ほ場のクリを除く)は「基準値超過なし」。安全に出荷されており、引き続き解除に向け調査がつづけられる。
野生山菜・きのこは、1件、超過数割合では0.12%、河川・湖沼の魚類は8件、超過数割合では1.18%。基準値超過品目は、その産地ごとに出荷制限を行う。
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アルゼンチン、トルコ、ブラジルで輸入規制が撤廃され、中国、米国では輸入規制が緩和されました。

出典:
ふくしま復興のあゆみ(第22版)、「ふくしま新発売。」ホームページを基に復興庁作成。

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