日本のエネルギー2018 「エネルギーの今を知る10の質問」

2.電気料金はどのように変化していますか?

電気料金の変化

Q電気料金はどのように変化していますか?

A東日本大震災以降、電気料金は値上げが相次ぎ、その後の原油価格の下落などにより2014年度以降は低下しましたが、直近では再び上昇しています。

電気料金平均単価の推移

2010年度~2017年度の電気料金平均単価を表したグラフ。
東日本大震災前の2010年に比べて、2014年度の電気料金は、家庭向けでは約25%(20.4円/kWh→25.5円/kWh)、産業向けでは約38%上昇(13.7円/kWh→18.9円/kWh)。
2014年度以降は下落していたものの、2017年度に再び上昇し、東日本大震災前に比べ家庭向けで約16%(20.4円/kWh→23.7円/kWh)、産業向けでは約21%(13.7円/kWh→16.6円/kWh)と高い水準となっている。

2014年度の電気料金は東日本大震災前の2010年に比べ、家庭向けでは約25%、産業向けでは約38%上昇しました。
2014年度以降は下落していたものの、直近では再び上昇し、東日本大震災前に比べ家庭向けで約16%、産業向けでは約21%高い水準です。

出典:
発受電月報、各電力会社決算資料を基に作成。

電気料金の推移

我が国の電気料金は、2011年の東日本大震災以降、原子力発電の停止影響を補うための石油火力やLNG火力の発電量増加に伴い、値上げが相次ぎました。加えて、同時期における原油価格及び連動するガス価格が高水準であったため、震災前の2010年度と2014年度を比較すると、電気料金は家庭向け・産業向けでそれぞれ25%増・38%増と大きく上昇しました。
その後、米国でのシェール革命によって原油価格は引下がり、電気料金も下降に転じましたが、2016年度以降の原油価格の再上昇、また国内での再エネ賦課金単価の上昇も重なって、2017年度には再び電気料金が上昇に転じました。IEAの長期見通しでは、新興国のエネルギー需要が当面は旺盛なことから、1バレルあたりの原油価格が2030~2040年に100ドルを超えると予想しています。
政府としては、自給率を高めて国際原油価格の動向に左右されにくい電源構成としていくとともに、2016年度に始まった電力小売りの全面自由化による事業者間の競争や、安全性最優先での原発の再稼働、再エネコストの低減などにより電気料金の抑制に取り組みます。

日本の電源構成の推移(供給)

2010年度から2017年度までの電源構成比率の推移を棒グラフで表した図。
東日本大震災前の2010年度、電源構成における化石燃料依存度は65.4%(内訳:石炭27.8%、LNG火力29.0%、石油などが8.6%)だった。それに比べ、2017年度の電源構成における化石燃料依存度は80.9%(内訳:石炭32.7%、LNG火力39.5%、石油などが8.7%)におよんでいる。

出典:
資源エネルギー庁「総合エネルギー統計」
電気料金変動の要因1「燃料価格」

国際エネルギー機関(IEA)の新政策シナリオなどによると、原油価格の見通しは2030年に96ドル/バレル、2040年に112ドル/バレルです。これが、電気料金やエネルギーコストに影響を与えてくることになります。

過去の原油価格下落局面と足下の状況

国際原油価格(WTI)と日本の輸入LNG価格を表した折れ線グラフ。
2010年代、「アラブの春」以降、中東・北アフリカ地域の地政学的リスクなどにより原油価格は100ドル前後で推移。その後、需要の伸び悩み、2014年代米国シェールオイルの堅調な生産などによる供給過剰から、下落(シェール革命)。2016年代には、OPEC加盟・非加盟産油国による協調減産合意があり少しずつ上昇、2019年1月には1バレル54ドル台となる。
IEA原油価格見通し(新政策シナリオ)では、2030年1バレル96ドル、2040年1バレル112ドルとされている。
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出典:
NYMEX公表の数値、IEA World Energy Outlook 2018を基に作成。
電気料金変動の要因2「再エネのコスト」

再生可能エネルギーなどによる設備容量の推移(大規模水力は除く)

2010年度~2017年度の再生可能エネルギー設備容量を推移を表した棒グラフ。
2010年度から2012年度まで年平均伸び率が9%だったのに比べ、固定価格買取制度が導入された2012年度から2017年度までの年平均伸び率は22%。再生可能エネルギーの電源内訳では圧倒的に太陽光が増加している。
(出典)JPEA出荷統計、NEDOの風力発電設備実績統計、包蔵水力調査、地熱発電の現状と動向、RPS制度・固定価格買取制度認定実績などにより資源エネルギー庁作成。

固定価格買取制度導入後の賦課金ふかきんの推移

固定価格買取制度導入後の平均モデルの賦課金負担を2012年度から2019年度までを推移で表した図。
2012年度、平均モデルで賦課金負担は1か月57円、1kWhあたり0.22円だった賦課金単価。2016年度には平均モデルで賦課金負担:1か月585円、賦課金単価1kWhあたり2.25円と上昇し、2018年度は平均モデルで賦課金負担:1か月754円、賦課金単価1kWhあたり2.90円。2019年度は平均モデルで賦課金負担:1か月767円、賦課金単価1kWhあたりは2.95円となっている。再エネの買い取り費用は、2016年度の2.3兆円から2019年度には3.6兆円に達している。

2012年の固定価格買取制度(FIT)の導入により、再エネの設備容量は急速に伸びています。
一方、買取費用は3.6兆円に達し、モデル負担額(月260kWh)で賦課金負担は767円/月にのぼっています。
再生可能エネルギーの最大限の導入と国民負担の抑制の両立を図るべく、コスト効率的な導入拡大が必要です。そのため、FIT制度における長期価格目標の設定、その目標に向けたトップランナー方式による太陽光や風力の価格低減、入札制度の活用や、低コスト化に向けた技術開発などを進めていきます。

固定価格買取制度(FIT):
再生可能エネルギーで発電した電気を、電力会社が固定価格で一定期間買い取る制度です。電力会社が買い取る費用は、電気の利用者から賦課金という形で回収されています。
平均モデル:
東京電力EPや関西電力がHPで公表している月間使用電力量260kWhのモデル。

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