第2部 エネルギー動向 

3.主要各国のエネルギー事情・政策

(1)アメリカ
 後述(第2部第2章第4節を参照)。

(2)欧州
〔1〕EU
 2000年11月、欧州委員会は、今後20年から30年のEUのエネルギー政策に関する抜本的な見直しの基礎とするため「グリーンペーパー」を発表しました。
 この「グリーンペーパー」では、現状認識として、EUの自給率の低さなどのエネルギー政策上の課題を指摘するとともに、地球温暖化や市場自由化など欧州エネルギー市場の新局面を踏まえ、今後の優先課題として、
(ア)域内市場の完成、道路輸送部門、建設部門での省エネルギーの推進などを内容とするエネルギー需給抑制
(イ)再生可能エネルギーの促進、備蓄の強化、中東・ロシアなど産油国との関係強化・供給ネットワークの強化などによる域外からの供給確保
などを掲げています。

〔2〕欧州主要国の動き
 イギリスは2003年2月、「エネルギー白書」を公表し、環境問題及び国産エネルギーの供給減少への対処として、(ア)2050年までに二酸化炭素排出量を約60%削減するとともに、2020年までに具体的進捗を図る、(イ)エネルギー安定供給の維持、(ウ)競争的なエネルギー市場の推進(イギリス国内外)、持続可能な経済成長と生産性向上への支援、(エ)貧困層への暖房の確保−などの4つの目標を打ち出しました。2003年11月にはこれらを促進するための「エネルギー法案」を議会に提出し、2004年7月に成立しました。
 ドイツは2001年11月に「エネルギー報告」を公表し、省エネ、技術革新、インフラ改善などの重要性を指摘しています。
 フランスは2003年前半、今後30年間のエネルギー政策の方向性を国民と幅広く議論するため、計7回の国民討論を実施しました。これを踏まえ、2004年5月の議会にエネルギー基本法案が提出されました。法案では、(ア)省エネルギーの再活性化、(イ)再生可能エネルギーの発展を通じたエネルギーミックスの多様化、(ウ)長期的(2020年まで)に原子力を含む多様な代替案を残しておくこと、を重視しています。

(3)中国
 後述(第2部第2章第4節を参照)。

(4)ロシア
 2003年5月22日、閣議においてエネルギー省から「2020年までのロシア・エネルギー戦略」が報告され、基本的に承認されました。
 この「2020年までのロシア・エネルギー戦略」では、
〔1〕国と経済と国民に対し、手頃であると同時に節約を促す価格で、エネルギー資源を完全かつ確実に供給する。国のエネルギー供給において危機的状況が増大するリスクを減らし、また、危機的状況を生じさせない。
〔2〕エネルギー資源の消費を合理化し、省エネ技術と装置を導入し、燃料エネルギーコンプレックスの製品販売、輸送、加工、採掘における損失を減らすことにより、エネルギー資源の生産と使用に対する支出比率を削減する。
〔3〕国の社会経済成長を確保するために、エネルギー部門の潜在能力の利用効率と財政的な安定を向上させる。
〔4〕経済的刺激の導入、生産設備の改善、製品の販売と消費、輸送、加工、採掘における新技術の導入を基本とし、エネルギー産業が環境に与える影響を最小限に抑える。
ことを優先事項としています。
 具体的には、エネルギー輸送のための港湾ターミナルの建設・高度化、現在、天然ガスが主流となっている電力供給源の石炭、原子力、再生可能エネルギーへの転換促進の検討などを内容としています。

 第1節 エネルギー需給の概要等

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