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(P.13-P.14)
 2030年には世界のエネルギー消費量は現在の1.5倍に達する見込みであり、その増加分の約半分はアジアによるものとされています。世界でも特に中国、インドなどの発展途上国では、今後の経済成長に伴い石油や石炭、天然ガスといった化石燃料の需要がますます大きくなると予想されています(図-16、図-17)。
 他方、世界のエネルギー供給可能量(可採年数)は現在の消費ペースを前提として石炭は133年分と見込まれる反面、石油は42年、天然ガスは60年と見込まれています。もちろん、今後新たな油田や鉱山の発見の可能性もありますが、いずれにせよ限りある資源です(図-18)。
 特に今後とも最も需要量の大きい石油については、第二次石油ショック以降の価格下落等を背景に産油国における開発投資が停滞した等の理由から、需要に見合った供給力の確保について懸念が示されています。また、石油は政情の不安定な中東地域に偏在しています。需要の見通しどおり石油需要が増え、世界中が中東からの輸入により多くを頼ることになれば、世界のエネルギー全体が中東の政情にますます大きな影響を受けることとなります(図-19)。
 また、石油や天然ガスの供給が需要を下回ることになれば、エネルギー価格が高騰するとともに、必要な資源を確保することが困難になる可能性があります。特に、国内に資源が乏しく、エネルギーの大部分を石油をはじめとする海外の化石燃料に依存している日本は、将来の世界のエネルギー情勢の変化に大きく影響される可能性があります。
 アジアを中心とするエネルギー需要の急増などの国際エネルギー市場の構造変化は、短期的には解決されないと見込まれており、我が国のエネルギーの安定供給を図るためには、グローバルかつ長期的な視点に立って、様々な対策を構じていく必要があります。
(P.15-P.16)
 世界的に深刻な環境問題の一つに、地球温暖化問題があります。将来の地球規模での気温上昇や海面上昇などにより、食料供給や居住環境などに重大な影響を及ぼす恐れがあると予測されています。このため、世界各国が協力して温室効果ガスの排出を抑えようと、1997年に京都議定書が採択され、2005年2月に発効しました。その中で日本は、温室効果ガス全体を2008年度から2012年度の平均値で、1990年度に比べ6%削減することとされています。
 この目標の達成に向け、「京都議定書目標達成計画」(2008年3月閣議決定)に基づく取組を進めています。同計画では、温室効果ガスの約9割を占めるエネルギー消費に伴う二酸化炭素の排出量について、2010年度に10.76億トン〜10.89億トンとすることを目標としています(表-2)。
 京都議定書においては、米国がこれを批准せず、中国、インド等の主要途上国は温室効果ガスの排出削減義務を負っていないため、同議定書に基づく温室効果ガス排出削減義務国排出量は、世界全体の3割程度にとどまっています(図-20)。
 他方、今後は米国や中国、インドその他の主要途上国など、現在、排出削減義務を負っていない国・地域の排出量が急増することが見込まれており(図-21)、地球全体の温室効果ガスを効果的に削減するためには、これらの国・地域の取組も不可欠です。
 このため、すべての国がその能力に応じ、排出削減に取り組むことを可能とするとともに、すべての主要排出国による最大限の削減努力を促す実効ある枠組みの構築が不可欠です。また、各国による地球温暖化対策の取組努力が報われる公平な仕組みにすることも必要です。
 温室効果ガスは、エネルギー資源、なかんずく化石資源の燃焼により排出されます。したがって、これまで日本が進めてきた省エネルギーとエネルギー資源の多様化の取組を地球規模で進めることが、世界全体の排出量の抑制に大きく役に立ちます(図-22)。
 日本はこれまでに省エネルギーのための技術やノウハウを営々として培い、着実に成果を挙げてきました(図-23)。こうした世界最先端の知見を持つ日本としては、国内における温室効果ガスの排出削減に最大限努力することに加え、世界全体での排出削減に向け、国際社会で積極的に協力・貢献することが、世界全体のためにも、日本のためにも重要です。
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