日本のエネルギー2007
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(P.2-P.4)
○私たちの暮らしと社会を支えるエネルギー
国民生活や経済活動はエネルギー資源の消費によって成り立っており、私たちは電気、ガス、ガソリンなど様々なエネルギーを組み合わせて使っています。日本のエネルギー供給の約半分を占めるのは石油であり、これまで原油価格の高騰が生じると、私たちの暮らしも大きな影響を受けてきましたが、最近はその影響が小さくなっています。
暮らしに必要なエネルギー
現在の日本で暮らす私たちは、大量のエネルギー資源に支えられています。私たちの暮らしの中でも、一つ一つの世帯で照明、冷暖房、給湯、厨房、家電製品の使用などが行われており、オフィスや商業施設、学校や病院でもエネルギーを消費しています。ヒトやモノの輸送にも多くのエネルギーが用いられていますし、ふだんの暮らしの場からは見えないところでも、水資源、食品、工業製品など、あらゆる身の回りのモノはその生産過程や廃棄過程において、エネルギーを使用しています(表-1)。
生活用品の製造にかかる間接エネルギー(表-1)

出所:文部科学省資料
一次エネルギーと二次エネルギー
エネルギーを生み出すための資源は、原油、液化天然ガス、石炭などの化石資源や、原子力発電の燃料としてのウランなど、日本で供給されるエネルギーの約96%を海外から輸入しています。こうしたエネルギー資源を一次エネルギーといいます。一次エネルギーは石油事業者や電力・ガス事業者などによりガソリンや灯油、電気、都市ガス等といった使い勝手の良い二次エネルギーへと転換されて消費者のもとへ届けられ、使用されています(図-1)。
我が国のエネルギーバランス・フロー概要(2004年度)(図−1)

出所:資源エネルギー庁『総合エネルギー統計』
エネルギー供給の半分を占める石油
日本に供給されるエネルギーのうち、約49%は石油が占めており、1973年以来その割合は低下してきているものの、他のエネルギー資源と比べ依然として最大のシェアを有しています(図-2)。また、運輸部門を中心に石油への依存度がほぼ100%である分野もあります(図-3)。さらに、石油の用途は他のエネルギー資源に比べ広い範囲に浸透しており(図-4)、私たちの暮らしや社会にとって、石油は必要不可欠なエネルギー資源であるといえます。
一次エネルギー総供給の構成(図−2) 各部門のエネルギー構成(2004年度)(図−3)

出所:資源エネルギー庁『総合エネルギー統計』、 出所:資源エネルギー庁『総合エネルギー統計』
日本エネルギー経済研究所『エネルギー・経済・統計要覧』
石油の用途(2004年度)(図−4)

出所:資源エネルギー庁『総合エネルギー統計』
原油価格の高騰と私たちの暮らし
2002年から2006年にかけて、原油価格は約2.8倍に高騰しました。また、2006年7月には、史上最高値を記録しました。その後、やや下落したものの、引き続き高水準を維持する可能性が高いと言えます(図-5)。この影響で、ガソリンや重油などの値段が上がり、大きな打撃を受けた産業もありました。しかし、私たちの暮らし全般はどうでしょうか。最近は物価は下落気味に推移していますし(図-6)、企業の収益は増益が続いています(図-7)。これは日本がこの30年あまりの間に、エネルギーの消費と供給の両面で、原油価格高騰の影響を最小限にとどめるための努力をしてきたためと言えます(5頁、9頁参照)。
国際原油価格の推移(図−5) 消費者物価と家計消費支出の増減率(図−6)

出所:資源エネルギー庁『総合エネルギー統計』
出所:総務省統計局『消費者物価指数』、
総理府/総務省『家計調査年報』、
日本エネルギー経済研究所『EDMCデータバンク』
法人企業の経常利益の推移(図−7)

出所:財務省『法人企業統計』
(P.5-P.6)
○日本のエネルギー消費(1)〜エネルギー消費原単位の低減
日本は、1970年代の2度の石油ショックを契機に大幅な省エネルギーに成功しましたが、近年、快適さ、利便性を求めるライフスタイルへの変化によりエネルギー消費は増えつつあります。
エネルギー消費は増加
日本のエネルギー消費は、3つの部門に分けて考えることができます。私たちが家庭や職場で直接エネルギーを利用する民生部門、ヒトやモノの輸送にエネルギーを利用する運輸部門、モノの生産にエネルギーを利用する産業部門です。一次エネルギーを二次エネルギーに転換するエネルギー転換部門を独立させ、4つの部門に分ける方法もあります。
産業部門は石油ショック以降、消費量の伸びは概ね横ばいですが、民生・運輸部門は大幅に増加しました。その割合は、石油ショック時に産業:民生:運輸が4:1:1であったのが、最近(2004年度)では2:1:1に変化しています(図-8)。
エネルギー消費原単位とは
エネルギー使用量をエネルギー消費と関連のある量で除した値であり、エネルギー消費効率を比較するための単位。ここでは、日本がこれまで産業部門を中心として省エネルギーの取り組みを行ってきたことから、生産1単位当たりどのくらいのエネルギーを使用したかを測定するため、国内総生産(GDP)当たりのエネルギー使用量としている。
日本の最終エネルギー消費とGDPの推移(図−8)

出所:資源エネルギー庁『総合エネルギー統計』、内閣府『国民経済計算年報』、
(財)日本エネルギー経済研究所『エネルギー・経済・統計要覧』
経済成長と省エネルギーの同時達成
第二次世界大戦後、中でも1950〜1970年代の約20年間に、日本は高度経済成長を果たし、エネルギー消費は増大を続けました。
しかし1970年代に日本経済は2度の石油ショックによって大きな打撃を受け、産業界ではその後、省エネルギー対策を徹底的に進めました。その結果、エネルギー消費原単位(1単位当たりの生産に必要なエネルギー消費量)は小さくなりました(図-9)。このような努力の結果、産業部門ではエネルギー消費を増やさずに経済成長を果たすことが出来ました。
製造業のエネルギー消費原単位の推移(図−9)

出所:資源エネルギー庁『総合エネルギー統計』等
(P.7-P.8)
○日本のエネルギー消費(2) 〜部門ごとの特徴
民生・運輸部門のエネルギー消費
民生・運輸部門のエネルギー消費は、ライフスタイルの変化や自動車の保有台数の増加などを背景に増加しています。民生・運輸部門の省エネルギーは私たちにとって大きな課題です。
民生部門のエネルギー消費
民生部門は、家庭部門と業務部門があります。家庭部門では、第一次石油ショック時に比べて、2倍以上のエネルギーを消費しています。石油ショックの後、省エネルギー型の家電製品やガス器具などの開発が進み、次第に家庭へ普及しましたが、生活の利便性・快適性を追求する国民のライフスタイルの変化、世帯数の増加、高齢者比率上昇等の社会構造変化の影響、家電等の大型化などにより、エネルギー消費は増大しています(図-10)。
業務部門には、企業の事務所・ビル、ホテルや百貨店などのサービス業があり、第一次石油ショック時に比べて、3倍近くエネルギーを消費しています。増加の要因としては、事務所や小売等の延床面積が増加したことと、それに伴う空調・照明設備の増加、オフィスのOA化の進展があります。
品目別家庭用電力消費の推移(図−10)

出所:資源エネルギー庁『電力供給の概要』
運輸部門のエネルギー消費
運輸部門には、乗用車やバス等の旅客部門と陸運や海運、航空貨物等の貨物部門があり、第一次オイルショック当時に比べて、2倍エネルギーを消費しています。増加の要因としては、自動車保有台数の増加、実走行燃費の悪化(排気量の大きい車の新車販売台数の増加などの要因)などが挙げられます。また、乗用車のエネルギー消費原単位は、他の輸送機関に比べ、大きくなっています(図-11)。
旅客部門と貨物部門の機関別エネルギー原単位(2004年度)(図−11)

出所:(財)日本エネルギー経済研究所『エネルギー・経済・統計要覧』
産業部門のエネルギー消費
産業部門では、2度の石油ショック以降、省エネルギーに積極的に取り組んだことにより、経済規模は拡大しているにもかかわらず、エネルギー消費は横ばいで推移しています。
産業部門のエネルギー消費の動向
産業部門は、エネルギー消費全体の約45%を占め、そのうち約9割を製造業が占めています。製造業のエネルギー消費は、1973年の第一次石油ショック以降、経済規模は2倍以上になったにもかかわらず、省エネルギーの進展と産業構造の変化により微増にとどまっています(図-12)。これは製造業のエネルギー効率(消費原単位)が1980年代までに大幅に改善されたことによるものです。
産業部門のエネルギー消費の推移(図−12)

出所:資源エネルギー庁『総合エネルギー統計』
製造業のエネルギー源別エネルギー消費
製造業で使われているエネルギー源は、1970年に石油の消費が約6割を占めていましたが、石油ショックを契機として多様化が進み、2005年には約4割に低下しています(図-13)。
製造業エネルギー源別消費の推移(図−13)

出所:資源エネルギー庁『総合エネルギー統計』
製造業の業種別エネルギー消費
製造業のうち、鉄鋼、化学、窯業土石(セメントなど)、紙パルプの4分野で、引き続き製造業全体のエネルギー消費の大宗を占めていますが、その割合はこれら産業の省エネルギー努力もあり、やや減少しています。製造業全体のエネルギー消費の7割以上を占めています(図-14)。
製造業業種別エネルギー消費の推移(図−14)

出所:資源エネルギー庁『総合エネルギー統計』
(P.9-P.10)
○日本のエネルギー供給 (1) 〜石油依存度の低下
石油ショック前にはエネルギー供給の約8割が石油でしたが、天然ガス、原子力、海外炭の導入が進みました。今では石油依存度は下がりましたが、約5割を占めています。
発電分野では、原子力、石炭及び天然ガスが主力となっています。
石油依存度の低下とエネルギー源の多様化
日本の高度経済成長をエネルギー面で支えたのは、それ以前の石炭に代わって大量に安価で供給されるようになった石油です。日本は安価な石油を大量に輸入し、1973年度にはエネルギー供給の77%を石油に頼っていました。
1973年の第一次石油ショックによって、原油価格の高騰と石油供給途絶の脅威を経験した我が国は、省エネルギーを推進するとともにエネルギー供給を安定化させるため、石油依存度を低減させ、石油に代わるエネルギーとして原子力や天然ガスなどを導入しました。再び原油価格が大幅に高騰した1979年の第二次石油ショックは、原子力や天然ガスの導入、新エネルギーの開発を加速させました。
現在の石油依存度は49%(LPGを含む)と引き続き高率ですが、第一次石油ショック当時の77%に比べると、かなり低減しています。石油の代わりに原子力(11%)と天然ガス(14%)が増加しており、エネルギー源の多様化が図られています(図-15)。
日本の一次エネルギー供給の推移(図−15)

出所:資源エネルギー庁『総合エネルギー統計』
発電分野では石油依存度は9%に
石油や石炭などの一次エネルギーは、その半分近くが二次エネルギーである電力に転換されます。一次エネルギー総供給のうち発電に用いられる割合(電力化率)は、1970年度には27.8%であったものが、2004年度では41.5%に達しています。発電の分野では、石油から原子力、石炭及び天然ガスへの代替が大きく進み、2005年度では、原子力が31.0%、石炭が25.7%、天然ガスが23.8%と主力を占めています(図-16)。
発電電力量の推移(図−16)

出所:資源エネルギー庁『電力供給の概要』
(P.11-P.12)
○日本のエネルギー供給 (2) 〜低いエネルギー自給率
我が国は、資源小国として、石油を始めとするエネルギー資源の大部分を海外に依存しています。そのため、エネルギー自給率は4%(原子力を国産エネルギーとしても18%)と低いものとなっています。
低い日本のエネルギー自給率
生活や経済活動に必要な一次エネルギーのうち、自国内で確保できる比率をエネルギー自給率といいます。我が国はかつて国産石炭や水力などの国内天然資源エネルギーの活用により、例えば1960年には約6割の自給率を達成していました。しかしその後の高度経済成長の下でエネルギー供給量が急増し、石炭から石油への燃料転換が進み、石油が大量に輸入されるとともに、石炭も輸入中心へと移行したこと等から、エネルギー自給率は大幅に低下しました。さらに石油ショック以降に導入された天然ガスや原子力の燃料となるウランについてもほぼ全量が海外から輸入されているため、2004年のエネルギー自給率は水力等わずか4%です(図-17)。これは、低いと言われる日本の食料自給率(カロリーベース)40%と比較しても、大幅に低い水準となっており、また諸外国と比べても低くなっています。
なお、原子力の燃料となるウランは、一度輸入すると長期間使うことができることから、原子力を準国産エネルギーと考えることができます。この考え方によれば、エネルギー自給率は2004年には約18%となっています。
主要国のエネルギー自給率(2004年度)(図−17)

出所:IEA,Energy Balances of OECD Countries
2003-2004(2006 Edition)
低い日本の自主開発原油の比率
石油のほぼ全量を輸入する日本では、原油の安定的な供給を図るため、自らが油田等の探鉱や開発を行う権利を有する自主開発原油の確保に向けた取組を進めてきました。この結果、我が国の自主開発原油の比率は、1970年の約8%から2005年の約17%へとほぼ倍増しましたが(図-18)、諸外国に比べると依然として大きく立ち遅れた状況にあります。
自主開発原油比率と引取量の推移(図−18)

出所:石油鉱業連盟『わが国石油開発の現状と課題』2006年9月等
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