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11.11.10
ハンバーグレストラン「びっくりドンキー」などでおなじみの株式会社アレフは、「平成21年度 第14回 新エネ大賞」資源エネルギー庁長官賞を受賞するなど、環境への取り組みには並々ならぬこだわりと実績のある企業です。その徹底したエネルギーの地産地消システムについてうかがうため、アレフ北海道工場を訪ねました。
株式会社アレフ 外観。壁面には「ソーラーウォール」。
太陽光で暖めた空気は休憩室の補助暖房に使用されています。
2007年2月に操業した北海道恵庭市にあるアレフ北海道工場は、おもに「びっくりドンキー」で使用するハンバーグ、カット野菜、ソースなどの加工製造をしています。バイオマス、地中熱、太陽光、工場内の排熱などをフル活用することで、工場内での灯油使用量をゼロにし、CO2排出量を半減(自社既存工場との比較)。この省エネシステムで、新エネ大賞、北海道省エネルギー大賞を受賞しました。
工場建設にあたって、敷地内では井戸を掘り、地中に地中熱パイプを埋め込んでいます。地下水(約10℃)は水冷式冷凍機の熱交換を行って温度を上げ(約30℃)、給湯用水令式ヒートポンプで給湯(約60℃)や洗浄冷水(約2℃)に。20本のパイプで100mの深さから引き込んだ地中熱(年間10〜15℃)は、給湯・洗浄冷水のほか、工場内の設備から出る温排熱を回収し、ヒートポンプを通して暖房にと、地中から取り込んだエネルギーはあますことなく繰り返し利用されています。この地中熱と排熱・排水を組み合わせたシステム設計は独自のもので、国内でほかに例をみないものなのだそうです。
建物内に引いた地中熱パイプ
地中から20本のパイプで地中熱を取り出しています。
工場から出る生ゴミは日に500kg。これらは近隣にある牧場へ送られ、畜産廃棄物(家畜ふん尿)などとともにバイオガス化し、さらに精製・圧縮・充填して、ボイラー燃料として使用しています。この取り組みもまた民間では国内初のモデルだそうで、「合同会社バイオガス・ネット・ジャパン」の一員として、精製バイオガスを地域に還元する仕組みづくりにも参加していました。また、北海道内の間伐材や建築廃材からできる木質ペレットをボイラー燃料にして、工場のソース製造などに利用しています。このペレット式の蒸気ボイラーの納入もアレフが道内初だったのだとか。「初の」「ほかに例をみない」という事象が多いのは、つねに先見性と独自性を持った環境設計に取り組んできた証なのでしょう。
北海道で初導入だったペレットボイラー。
道内の間伐材などからできる木質ペレットが燃料です。
工場内でのエネルギーの地産地消をほぼ実現したアレフが現在取り組んでいるのは、地域サイズでの食とエネルギーの地産地消「ナタネプロジェクト」です。このプロジェクトでは遊休農地を活用し、地元小学生たちが菜種の種まきや収穫・搾油を。また環境教育の一環として小学校や保育園と協力して一般家庭からの廃食用油を回収。回収した廃食用油をバイオディーゼル燃料に精製し、自社の車の燃料に利用しています。現在、工場のある恵庭市での回収率18%。今後は回収率のアップとともに、スクールバスや路線バスなどへの燃料供給を目指しているそうです。
地域の廃食用油がここに集められ、バイオディーゼル燃料にうまれかわります。
アレフ北海道工場の省エネルギーへの取り組みは、細部にまでいたります。屋上のソーラーパネルで発電した電気で休憩室などの照明をまかない、壁面に取り付けられたソーラーウォールで暖めた空気で暖房を補助し、廊下の照明は人が通るときだけ点くセンサー感知式にし、そして雨水はためてトイレの洗浄水に。太陽の光も熱も雨水も、自然のものはあますとこなく活用し、そしてエネルギー使用のムダを省きます。
そもそも、ここまで徹底した環境設計になった最初のきっかけは、15年前。店舗で発生する生ゴミの処理として、生ゴミリサイクルについて研究をはじめたことが発端です。生ゴミリサイクルがうまくいったことで、ほかにももったいない資源があることに気づき、ムダになっているものに目が行くようになったのだそうです。
ひとつひとつのムダを改善し、エネルギー効率を高め、地産地消を目指す中で培ったノウハウ。それらは「アレフ環境事業部」の業務として、環境コンサルティングとしてひろく社会に貢献しています。企業のエネルギーコストの削減、環境経営のアドバイスは、数々の実績をあげています。
食に関わる一企業が抱えた生ゴミの問題が、自社内でのエネルギー循環型システムを確立し、それが地域へと広がり、さらに食・農業・環境の現状を取り込みながら、さらに広く繋がっていっていくのを感じました。
株式会社 アレフ : http://www.aleph-inc.co.jp/