地層処分施設は地上施設と地下施設から構成されます。地上施設は、ガラス固化体の受け入れ検査や、オーバーパックへの封入などガラス固化体を300m以深に建設される地下施設へ搬送するための準備を行う施設及び、ガラス固化体の埋設をはじめ、これに付帯する作業を支援するための施設などから構成されます。
地下施設は、ガラス固化体が埋設されることになる処分坑道をはじめ、処分坑道をとりまく連絡坑道、さらにこれらの坑道と地上施設とを結ぶアクセス坑道などから構成されます。
地下施設の占める面積は、地質や今後の施設設計によってもかわってきますが、4万本のガラス固化体(2020年頃までに原子力発電所で使用する燃料を全て再処理した場合の本数に相当)に対して数キロメートル四方程度と推定されています。

ガラス固化体は地層処分施設までどうやって運ばれてくるのか、地上施設、地下施設ではどのような作業が行われるのか、ガラス固化体が埋められた後はどのような措置がとられるのか、具体的なイメージを簡単にまとめてみました。
[ガラス固化体の輸送について]
ガラス固化体は輸送容器に収納された状態で、処分場の場所に応じて専用輸送船または専用輸送車両で地層処分施設まで運ばれてきます。

[地上施設で行われる作業について]
輸送容器から取り出されたガラス固化体は、受入れ検査を受けた後、オーバーパックに封入され、必要な検査を受けます。

[地下施設で行われる作業について]
オーバーパックに封入されたガラス固化体は処分坑道まで運ばれて、緩衝材と共に所定の場所に埋められます。

[ガラス固化体が埋められた後の措置について]
ガラス固化体が埋められた処分坑道は土砂や粘土などで埋め戻されます。最終的には全ての地下施設が埋め戻され、地上施設も不要になったものから順次撤去され、必要な管理が終了した後には全ての地上施設が撤去されます(公園・モニュメントなどが残る場合もあります)。


300m以深(300m〜1,000m程度)という深度そのものについては、これまでにも地下坑道などの施工実績があります。
しかし、地下施設は数km四方、坑道の総延長百数十kmにも及ぶ大規模なものとなるので、掘削に伴い発生する多量の土砂・岩石の取り扱いや、換気や事故時の避難ルートの確保などについて通常のトンネル工事以上に留意するとともに、通常のトンネル工事でも遭遇する可能性のある湧水、岩盤の崩壊などの事象についてもさらに注意をはらう必要があります。「わが国における高レベル放射性廃棄物地層処分の技術的信頼性−地層処分研究開発第2次取りまとめ−」(以下、「第2次取りまとめ」と略します)においては、上記の留意事項を踏まえ、処分施設の建設方法について検討を行い、基本的には現状の技術が適用(または準用)できることを確認しています。


ガラス固化体のような放射線量の高いものを遠隔操作で確実に取り扱うことは、すでに日本原燃(株)の高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターでも行われています。ただし、処分施設では、ガラス固化体をオーバーパックに封入する際に遠隔で溶接する必要があったり、搬送する距離が長かったり、地下施設では取り扱う場所が比較的狭いなどといったことを考慮する必要があります。「第2次取りまとめ」においては、オーバーパックの溶接、ガラス固化体の搬送等のための遠隔操作設備などについて検討を行い、基本的には現状の技術の延長上にある技術によって確実に取り扱うことができると考えられています。さらに、今後は現状の技術を改良し、実証していくことが必要ともしています。