ISO50001(エネルギーマネジメントシステム)


海外の実行ガイド

(1)米国DOE eGuide for ISO50001

米国ではエネルギー省(DOE)が、EnMS普及活用のためにエネルギーマネジメントツールキットを開発しています。そのトライアル版として「ISO50001実行のためのガイド」をウェブサイトで公開しています。

https://save-energy-now.org/EM/SPM/Pages/Home.aspx

米国DOE eGuide for ISO50001

(2)国連工業開発機関(UNIDO)のEnMS実行ガイドの概要

UNIDOでは、2013年4月にEnMS実行ガイド(Practical Guide for Implementing an Energy Management System)を発行しました。

目的

このガイドは、中小規模の事業者(SME)にも分かりやすく、 エネルギーマネジメントシステム(EnMS)を構築し、エネルギー削減とコスト削減を図ることを目的に開発されました。
EnMSに対してシステマチックなアプローチをするため、継続的改善に有効なPDCAデミングサイクルに基づいてこれを実現しています。このガイドはISO50001を含む、多くのEnMS基準のアプローチと構造に基づいて開発されたもので、EnMSの実践的な利用の手引として活用できます。

構成

ガイドに記載されている内容項目の構成を以下に示します。

  1. 導入
  2. なぜエネルギー管理なのか
  3. 始めるに当たって
    自己評価
    トップマネジメントを確かなものにする
    スコープと境界を設定する
    管理責任者の指名
    エネマネチームの設置
    エネルギー方針の策定
    実施体制の構築
    コミュニケーションの役割、文書、記録の理解
  4. エネルギー情報と計画の策定
    データ収集と分析
    著しいエネルギー使用の特定
    影響変数の設定
    ベースラインと指標の設定
    法令その他の要求事項の特定
    改善の機会の特定
    影響する要員の特定
    エネルギー目的と目標の設定
    行動計画の策定
  5. 日々の運転を開発する
  6. システムが機能しているか決定する
  7. 維持し継続的に改善する
  8. 付録

エネルギー計画の策定プロセス

ここでは、EnMSのキーステップとなるエネルギー計画の策定プロセスを紹介します。
本ステップの目的は、エネルギー使用を体系的な手法で分析し、最も著しいエネルギー使用及びパフォーマンスの改善の機会の特定に注力することです。当面(通常は1年間)実行すべきあらゆる活動の基盤となるのはエネルギーレビューで、エネルギー方針と整合した目的・目標を達成するために行動計画を策定するにあたっては以下の項目に対応する必要があります。

  • エネルギー使用量はどの程度か。
  • どのようなエネルギー使用のトレンドか。
  • どこでエネルギーを使用しているか。ここで最も著しい使用領域が分かる。
  • この使用に影響する要因は何か(すなわち、エネルギー使用を変動させる因子はどのようなものか)。
  • 組織のエネルギーパフォーマンスに著しい影響を与えるのはどのような人々か。
  • 組織のエネルギーパフォーマンスの測定および管理に使用可能な指標は何か。
  • 組織のエネルギーパフォーマンスを改善するどのような機会があるか。
  • 組織のエネルギーパフォーマンスの改善目的および改善目標は何か。
  • 組織のエネルギーパフォーマンスに関する当面の行動計画は何か。

実施するべきエネルギー計画の策定プロセスをワークフローにしたものを下図に示します。

 

エネルギー計画の策定プロセスのワークフロー

図  エネルギー計画の策定プロセスのワークフロー

 

(ワークフロー内容)

このエネルギー計画の策定プロセスは、当初はエネルギーマネジメントシステム導入の一環として行われ、その後運用では、該当部分が必要に応じてその都度最新情報に更新される。

  1. エネルギー請求書とエネルギーのサブメータのデータを利用する(利用可能な場合)
  2. トレンド分析とデータ分析を用いて、エネルギー使用、エネルギー使用量及びパフォーマンスを継続的に把握するために、過去のエネルギー使用を点検する。翌年度以降の予算が策定される(一般的には年度ごとに策定)。
  3. エネルギー使用及びエネルギー使用量の分析によって、著しいエネルギー使用(SEUs)を特定し、定量化する。定期的に最新情報に更新する。
  4. 著しいエネルギー使用個々には変動する要因があるため、これらを特定し、定量化し、分析する。エネルギー変動の影響を判断するため、回帰分析その他の分析を利用する。定期的に最新情報に更新する。
  5. ベースラインおよびエネルギーパフォーマンス指標(EnPls)を設定する。これには必要なエネルギーメータを追加設置する場合の計測計画の策定も含まれる。可能であれば、エネルギーパフォーマンス指標は回帰分析を基に行う。定期的に最新情報に更新する。
  6. 著しいエネルギー使用それぞれに関する運用、維持、設計、調達活動について、その有効性を再検討する(重要な運用パラメータがあれば、それに対する測定計画の策定も含む)。著しいエネルギー使用それぞれのエネルギーパフォーマンスに影響を与える要員が全員十分なレベルの力量を確保できるよう再検討する。
  7. 日々特定される改善の機会の他、新たな省エネルギー機会を特定するため、必要に応じて技術的なエネルギー監査(評価)および検査を時折実施する。再生可能な代替エネルギー源の可能性も検討する。
  8. 上記の改善の機会に加え、全従業員は改善の機会を提案するよう奨励される。行動計画を策定する際は、目的及び目標の確実な達成が求められる。行動計画の策定対象とする改善の機会を特定する場合は、技術的な実現可能性、法的要求事項及びその他の要求事項、財務評価に加え、上記の全項目の検討が必要となる。また、組織のエネルギーパフォーマンスに影響を与える可能性がある要員に対しては、教育訓練計画も策定する。

(3)ISO本部のホームページ

ISOではISO50001(Energy management)の関連情報を公開しています。

http://www.iso.org/iso/home/standards/management-standards/iso50001.htm

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