地熱発電について

日本の地熱発電所

東北電力(株)および東北水力地熱(株)のパンフレットをもとに作成しております。

葛根田地熱発電所

葛根田(かっこんだ)地熱発電所は,昭和53年5月に1号機,平成8年3月には2号機が完成しました。東北で4番目(2号機は8番目)。全国では6番目(2号機は16番目)に完成しました。

葛根田地熱発電所

名称 葛根田(かっこんだ)地熱発電所
所在地 岩手県岩手郡雫石町西根字高倉山1-1
認可出力 1号機:50,000kW、2号機:30,000kW
蒸気部門 東北水力地熱株式会社
発電部門 東北電力株式会社
運転開始 1号機:昭和53年5月26日、2号機:平成8年3月1日
発電方式 1号機:シングルフラッシュ、2号機:シングルフラッシュ
地熱発電とは
地熱発電は、地下1から3kmの地層中のき裂に貯えられている200度を越える高温高圧の地熱流体(ほとんどの場合熱水)を、掘削によって取り出し(熱水混じり蒸気または乾き蒸気)、その蒸気で発電を行うシステムです。発電に必要な熱は地下数kmから数十km付近にある「マグマ溜り」に依存しており、約1,000度の温度で十万年から数十万年にわたって熱が供給されると推定されています。一方、流体の大部分は、山などに降った雨などの天水が起源と考えられています。従って、地熱発電所では、一般の火力発電所のように蒸気を作るための燃料(石炭、石油など)がいらず、また発電する際に放出される炭酸ガスも火力発電所の1/10から1/20なので、クリーンな国産エネルギーと言えます
然環境との共生
自然景観を大切に
周囲の景観をそこわないように、自然の地形を生かし敷地面積もできるだけ少なくしています。また、機器類は屋内に設置し、建物の色も周囲と調和のとれたものにしています。
周囲の自然環境へも配慮
冷却塔の最上部から排出した蒸気は大量の空気と一緒に上空に上昇させる仕組みにして、地上に止まらないよう配慮しています。また、冷却塔内で、蒸気を乾燥させる工夫もしています。
熱水や排水の対策も万全
蒸気から取り出された熱水は、すべて地下に還元することにしています。発電所からの排水は、浄化処理しています。
騒音の対策も十分に
発電所の機械は低騒音型のものを採用し騒音防止に努めています。
万全な監視体制で環境保全をこまやかにチェック
きめこまやかな対策と、環境モニタリングを実施し、環境の保全に万全を期しています。

発電所の位置

発電所の位置
葛根田地熱発電所は八幡平国立公園内に位置しています。

開発の経緯

葛根田では、日本重化学工業(株)及び東北地熱エネルギー(株)(現、東北水力地熱(株))が蒸気を供給し、東北電力(株)が発電を担当する共同開発方式をとっています。葛根田地熱発電所は、岩手県雫石町の葛根田川上流の、鳥越の滝上流にあります。ここでは、昭和30年代から工業技術院地質調査所によって莫大な地熱資源があることが確認されていました。昭和44年(1969)日本重化学工業(株)は本格的な地熱調査を開始し、翌年、東北電力(株)と5万kWの共同開発基本協定を締結しました。その後、坑井の掘削や発電所の建設を行い、昭和53年(1978)5月に発電出力5万kWの1号機の運転が開始されました。

葛根田2号機は、昭和59年(1984)日本重化学工業(株)から事業を引き継いだ東北地熱エネルギー(株)が調査井を掘削して成功したことに始まり、平成3年(1991)東北電力(株)との基本協定が締結されたことによって発電所の建設が本格的に始まりました。葛根田2号機は平成8年(1996)3月に発電出力3万kWの運転が開始されました。なお、平成15年10月に東北地熱エネルギー(株)は、日本重化学工業(株)の地熱事業を引き継ぎ、東北水力地熱(株)に商号を変更しています。

基地の配置

基地の配置
敷地面積:1号機:64,888平方メートル、2号機:106,400平方メートル
主蒸気輸送管延長:1号機:2,585m、2号機:3,3545m

設備の概要

葛根田地熱発電所では、蒸気井から噴出した蒸気と熱水を気水分離器で分離し、蒸気は蒸気集合基地へ、熱水は還元基地へ導きます。

生産基地
生産基地

蒸気集合基地
蒸気集合基地

蒸気輸送管
蒸気輸送管

還元基地
還元基地

蒸気集合基地から発電所へ導かれた蒸気でタービン・発電機を駆動して発電します(シングルフラッシュ方式)。

シングルフラッシュ方式
シングルフラッシュ方式

1号機冷却塔
1号機冷却塔

2号機冷却塔
2号機冷却塔

1号機本館
1号機本館

2号機本館
2号機本館

蒸気輸送設備・中央操作室
蒸気輸送設備・中央操作室

地熱の構造

葛根田地域の地熱構造
葛根田地域では、新第三系の地層(今から約600万から1,800万年前の地層)が地表に露出するとともに、地下2.5km位まで連続して続いています。葛根田地域の地下構造は温度と透水性の大きく異なる2段構造で特徴づけられます。地下1.5km位までの浅部地熱流体(温度230から260度)は、新第三系の地層中のき裂や断層などに貯えられているのに対し、地下2.5km以深にある深部地熱流体(温度約350度)は、今から約1から10万年前に地下深部から上昇・貫入してきた葛根田花崗岩との境界から採取されています。
地熱構造図

平成7年(1995年)NEDOにより当地域で掘削された、深度3,729m(わが国では史上最も深い地熱井です)で、512度の世界最高温度が記録されました。この事は、葛根田花崗岩が当地熱地帯の熱源の一つであることを示しています。このように、葛根田地域の地下構造は世界から注目を集めています。

トピック

高温熱水還元クローズドシステム
葛根田1号機では、日本で最初に高温熱水還元クローズドシステムを採用しています。(昭和54年、日本産業技術大賞・内閣総理大臣賞受賞)

「地熱発電について」TOPに戻る