かがやけ!みんなのエネルギー

はじめに 2, 人類とエネルギーの歴史

学習のねらい
  • 人類の歴史はエネルギー利用技術の発達とともに文明を進化させてきたことに気づく。
  • 世界のエネルギー消費量は増加し続けていることを理解する。
  • 人口問題はエネルギーと密接に結び付いていることを考える。
指導上のポイント
  • 人類は長い時間をかけてエネルギー利用の技術を高度化してきた。
  • 時代によって中心となるエネルギーが変化、多様化しており、人類の生活も変化してきた。
  • 世界人口の増加はエネルギー消費量の増加と密接に関係している。
関連する単元
  • 6年社会科新しい日本 平和な日本へ
  • 6年  理科 地球と私たちのくらし
  • 6年  理科 発電と電気の利用
  • 6年  理科 大地のつくりと変化

地球の歴史を1年に置き換えると

地球が誕生してから現在までの歴史を1年のカレンダーに置き換えると、わたしたち人類の祖先が誕生したのは12月31日の午前10時40分ころと考えられる。人類は地球にとっては生まれたばかりの新しい種である。

その人類は1年の残り2秒の間に、地球が長い年月をかけて作ってきた化石燃料を使い尽くし、地中に固定されてきた炭素を人為的に放出し、これまでバランスのとれていた炭素サイクルを大きく変えようとしている。

文明とエネルギー

火の発見

人類が火を利用するようになったのはおよそ50万年前と言われている。最初は薪を燃やし、暖房や料理に使われていた。火を通した食物は安全性、保存性が高まっただけではなく、加熱によって柔らかくなった肉などは消化しやすいため、人間の大脳新皮質も発達が促されたと考えられている。

農業のはじまりとエネルギー

今から約1万年前、人間は農耕や牧畜を始め、牛馬の力を耕作用動力源として利用するようになった。さらに風力や水力など自然エネルギーもさまざまな分野で活用する工夫が重ねられた。

産業革命を支えた石炭

16世紀に入ると、それまで暖房用にのみ使われていた石炭が動力源としても利用されるようになった。その後、ワットが1765年に蒸気機関を発明し、工場での動力源のほか、蒸気機関車、蒸気船などさまざまな分野に応用されるようになった。この発明により、従来の畜力や自然エネルギーに比べて生産力は大幅に向上し、石炭の消費量も飛躍的に増大することとなった。また、石炭が豊富だったイギリスを中心に産業革命が起こり、文明も一気に発展することになった。

石油による石油革命

1859年にアメリカで新しい石油採掘方式が開発され、石油の大量生産が可能になると、その利用方法も急速に発展した。さらには1950年代に中東やアフリカに相次いで大油田が発見され、エネルギーの主役は石炭から石油へと移行した。これを石油革命と呼んでいる。大量に安く供給された石油は、さまざまな交通機関、暖房用、火力発電などの燃料として、また石油化学製品の原料として、その消費量は飛躍的に伸びた。

人類とエネルギーのかかわり
学習のねらい
  • 昔と現在のくらし方や道具の違いから、現代のくらしの便利さ、快適さに気づく。
  • 経済の発展によって、私たちのくらしの中のエネルギー利用もどのように変化したか考える。
指導上のポイント
  • 経済の成長によってさまざまな製品が普及し、私たちは豊かで快適な生活を送るこ とができている。
  • 今、私たちのくらしの中で当たり前のように使っているものやサービスも祖父母、 あるいは父母の子供時代には無かったものも多い。
  • 電気製品も時代とともに機能が向上している(例:白黒テレビ→カラーテレビ→薄 型テレビ)。
  • 新幹線や自家用車の普及など、交通手段も発展している。
関連する単元
  • 6年社会科新しい日本 平和な日本へ
  • 6年  理科 地球と私たちのくらし
  • 6年  理科 発電と電気の利用
  • 6年  理科 大地のつくりと変化

日本社会の変化とエネルギー

高度経済成長期

日本は戦後の混乱から経済を復興し、今では世界有数の経済大国に成長した。なかでも1950年代から1970年代までの高度経済成長期を経て、めざましい経済成長をとげている。この経済成長をエネルギー需給の面で支えたのが石油である。日本は安い石油を大量に使うことで重化学工業製品を大量に生産し、それを海外に輸出することで奇跡ともいわれる経済成長をとげることができた。国民の所得も上昇し、くらしは大きく変化しはじめた。

1950年代前半から、第一次家庭電化ブームが起き、白黒テレビ、洗濯機、冷蔵庫などが急速に普及した(三種の神器)。また、1965年から67年にかけて起きた第二次家庭電化ブームではカラーテレビとクーラーの需要が高まり、自動車(カー)と合わせて3Cとよばれた(新・三種の神器)。

二度の石油ショック

1973年の第一次石油ショック、1979年の第二次石油ショックにより、石油の価格が大幅に上がったため、石油に大きく頼っていた日本をはじめとする先進工業国の経済は、大きな打撃を受けた。日本では産業部門を中心に省エネルギーが進み、エネルギーの消費量は一時的に低い伸びとなった。

1980年代後半から豊かさを求めるライフスタイルなどのために、再び増加に転じている。家庭には一世帯当たりにカラーテレビやルームエアコンが2~3台ある豊かな生活がエネルギー消費量を増加させている。

持続可能な社会をめざして

今日の社会や人々の生活は、昔の人からは想像もつかないほど変革を遂げてきた。同時に世界のエネルギー消費量は、工業化に伴うエネルギーの大量消費に応じて拡大し続けている。しかしその一方で地球温暖化をはじめとする地球環境問題が顕著となり世界規模での対策が必要となっている。また、石油などの化石燃料には限りがあり、その利用のあり方について見直しが求められている。

人類とエネルギーの歴史