高レベル放射性廃棄物

処分の安全確保

高レベル放射性廃棄物の処分は極めて長期にわたる事業であるため、安全の確保を大前提に進めていくこととしています。

地層処分を検討する上で重要な自然現象と地質環境の条件

地層処分においては、処分施設を設置する地域の地質環境が長期間にわたり安定していることが必要です。地質環境に影響を及ぼす可能性のある自然現象としては、地震・断層活動や火山活動、隆起・沈降・侵食や気候・海水準変動が挙げられます。
さらに、長期間にわたって放射性物質を地下に閉じ込めることができるように、地下水の性質など地層処分に適切な地質環境の条件を選ぶことが重要です。
高レベル放射性廃棄物の地層処分では、これらの自然現象等の影響を受けにくい安定した地質環境を選んで処分施設を建設します。

※地質環境とは、地層を構成する岩石やそこに存在する地下水などの要素の総称。人工バラが置かれる環境を指します。

地層処分にとって重要な自然現象と地質環境の条件

安定した地質環境を選ぶ

わが国の火山の多くは限られた範囲に分布しており、約200万年前からほとんど活動地域に変化がありません。また、断層活動も過去数10万年にわたり同じ活断層帯でくり返し起こっています。
したがって、これらの活動地域を避けることにより火山や活断層の影響を受けにくい安定した地質環境を選ぶことが大切です。なお、地下深くでは、地表に比べて地震による揺れの影響が小さいので、処分施設の設計によって対処可能と考えられています。

第四紀(約170万年前~現在)の火山の分布 活断層の分布

 

地震の影響

地震による影響のうち、地上施設については、既存の原子力施設と同様、耐震設計による対処が可能です。また、地下施設については、一般の地下深部の「ゆれ」が地上に比べて小さいこと、埋め戻された後は地震が起こった際に周囲の岩盤と一体となって揺れるため、地震の揺れによって破壊される可能性は非常に小さいです。

地層処分に適した地質環境の条件

酸素が少なく、地下水の流れが遅い環境では、長期間にわたって放射性物質を地下に閉じ込めておくことができると考えられています。

地下深部での地下水の性質

地表に降った雨水は、溶け込んでいる酸素が、深い地層に達するまでに土壌中の微生物によって消費されたり、土壌や岩盤と反応することにより、酸素ほとんど含まなくなると考えられます。このような地下水は、物を溶かしにくく、金属を腐食させにくいという性質を持っています。
また、深い地層では地表付近に比べて地下水の動きは非常に遅く、1年間に数ミリメートル程度しか動かない場所があります。

多重バリアシステム

この図では、地層処分場の多重バリアシステムの説明をしています。多重バリアシステムとは、地下深くの岩盤から成る天然バリアと複数の人工バリアを組み合わせ、放射性廃棄物を安全に処分するシステムのことです。人工バリアは、ガラス固化体、金属製の容器であるオーバーパック、及び粘土の緩衝材から構成されます。ガラス固化された高レベル放射性廃棄物は、オーバーパックに入れられ、地下300メートル以深に定置され、緩衝材で包まれ埋め戻されます。

バリア1:放射性物質をガラスの中に閉じ込め地下水に溶け出しにくくします

高レベル放射性廃棄物とガラス原料を高温で混ぜ合わせてステンレス容器の中で固めたものです。放射性物質をガラスと一体にして、地下水に溶け出しにくくします。

バリア2:地下水をガラス固化体に触れにくくします

ガラス固化体を封入する厚い金属製の容器です。ガラス固化体の放射能レベルがある程度減衰するまでの期間、地下水とガラス固化体の接触を防ぎます。

バリア3:地下水と放射性物質の移動を遅らせます

オーバーパックの周囲を覆うもので、天然の粘土を主成分としています。水を通しにくくしたり、いろいろな物質を吸着することで、放射性物質の移動を遅くします。

バリア4:放射性物質の移動を遅らせます

天然の岩盤です。地下深部では地下水の動きが極めて遅く、放射性物質は岩盤にしみ込んだり、吸着されたりして、その移動はさらに遅くなります。