放射性廃棄物の概要

放射性廃棄物の種類に応じた処分方法

放射性廃棄物の処分方法は、深さや放射性物質の漏出を抑止するためのバリアの違いにより、4つに分類されます。この方法を対比させると表のように整理できます。 下の図は、これを核燃料サイクルとの関係で図示したものです。

放射性廃棄物の処分方法は、深さや放射性物質の漏出を抑制するためのバリアの違いにより、4つに分類されます。

  • 浅地中トレンチ処分:人工構築物を設けない浅地中埋設処分
  • 浅地中ピット処分 :コンクリートピットを設けた浅地中への処分
  • 余裕深度処分:一般的な地下利用に対して十分余裕を持った深度(地下50~100m)への処分
  • 地層処分:地下300mより深い地層中に処分

放射性廃棄物の区分と処分方法は表のように整理できます。
放射性廃棄物の区分と処分方法一覧

この図では、放射性廃棄物の種類に応じた処分の方法と深度を示しています。
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浅地中トレンチ処分

コンクリートや金属など、科学的、物理的に安定な性質の廃棄物のうち放射能レベルの極めて低いものについては、浅地中トレンチ処分が行われます。これは、コンクリートピットなどの人工構造物を設置せず、浅地中に埋設処分する方法です。50年程度の管理機関を経たあとは、一般的な土地利用が可能になります。

浅地中トレンチ処分は、日本原子力研究開発機構(JAEA)の動力試験炉(JPDR)の解体にともなって発生した廃棄物を対象に、同研究所敷地内で試験的に実施されている例があります。

図 日本原子力研究開発機構 廃棄物埋設実地試験
日本原子力研究開発機構 廃棄物埋設実地試験

浅地中ピット処分

液体廃棄物を濃縮した廃液や放射能レベルの低い使用済樹脂、可燃物を焼却した焼却灰などをセメントなどでドラム缶に固形化したものや、配管やフィルターなど固体状の廃棄物で放射能レベルの比較的低いものは、浅地中にコンクリートピットなどの人工構築物を設置して埋設する方法で処分されます。

放射性物質濃度の減衰に応じて段階的な管理を行うことになっており、放射性物質の漏出を防止するために人工構築物の積極的な補修を行う段階から、漏出状況を監視する段階を経て、最終的には放射性物質の濃度が十分低くなるまで埋設地の掘削を制限するなどの管理を行います。管理が必要な期間として、300~400年が一つの目安とされています。管理期間終了後は、一般的な土地利用が可能になります。

この図では、低レベル放射性廃棄物の浅地中ピット処分の概念を示しています。廃棄物はドラム缶に入れられ、コンクリートピットなどに埋設処分されます。

日本原燃(株) 低レベル放射性廃棄物埋設センター

原子力発電所の運転に伴い発生した放射能レベルの比較的低い廃棄物については、平成4年より、青森県六ヶ所村にある日本原燃(株)六ヶ所低レベル放射性廃棄物埋設センターで埋設を開始しています。 なお、現在の施設を含めて200リットルドラム缶で約100万本相当を埋設する計画であり、最終的には200リットルドラム缶で約300万本相当の規模にすることも考えられています。

埋設施設写真

余裕深度処分

制御棒や炉内構造物など、炉心から生ずる廃棄物は「低レベル放射性廃棄物」のうち「放射能レベルの比較的高い廃棄物」に該当し、「一般的な地下利用に十分余裕を持った深度への処分」が行われることになっています。これは、建造物の基礎や地下鉄、共同溝などの一般的な地下利用に対しても十分に余裕をもった深度に、コンクリートでトンネル型やサイロ型の建造物をつくり、廃棄物を埋設処分する方法です。

「低レベル放射性廃棄物」のうち「放射能レベルの比較的高い廃棄物」についても、放射性物質濃度の減衰に応じた段階的な管理が可能であり、数百年の管理期間を経た後には、一般的な土地の利用が可能と考えられています。但し、具体的な管理の内容については今後検討されることになっています。

この図では、放射能レベルの比較的高い低レベル放射性廃棄物の余裕深度処分の概念を示しています。廃棄物は地下約50から100mのコンクリート構造物内に処分されます。
出典:原子力発電四季報No.28

余裕深度処分に関する調査・研究

青森県六ヶ所村にある日本原燃(株)の低レベル放射性廃棄物埋設センターの敷地内において行われた予備調査(平成13年7月~平成14年6月)の結果、この「一般的な地下利用に十分余裕を持った深度への処分」に係る施設の設置は可能との見通しが得られました。
また、予備調査結果を踏まえ、埋設施設の設計に必要な地質・地下水に関するより詳細な情報を得るための本格調査(平成14年11月~平成18年3月)が行われました。

本格調査イメージ図
この図では、余裕深度処分の調査イメージを示しています。

坑口概観
坑口

試験空洞状況
試験空洞

地層処分

高レベル放射性廃棄物については、地下深くの安定した地層(天然バリア)に、複数の人工障壁(人工バリア)を組み合わせた「多重バリアシステム」を用いることにより、最終的にはモニタリングなどの人為的な管理を終了しても安全を確保できるようにしています。

高レベル放射性廃棄物以外にも地層処分が必要な放射性廃棄物があります。TRU廃棄物とウラン廃棄物の一部は、その性状が多様であるため、高レベル放射性廃棄物処分研究の成果も活用しつつ、合理的な処分に向けて、その多様性を踏まえた処理及び処分の検討を行っていくことが必要とされています。

この図では、地層処分場の多重バリアシステムの説明をしています。多重バリアシステムとは、地下深くの岩盤から成る天然バリアと複数の人工バリアを組み合わせ、放射性廃棄物を安全に処分するシステムのことです。人工バリアは、ガラス固化体、金属製の容器であるオーバーパック、及び粘土の緩衝材から構成されます。ガラス固化された高レベル放射性廃棄物は、オーバーパックに入れられ、地下300メートル以深に定置され、緩衝材で包まれ埋め戻されます。

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