新たな取組方針

最終処分地選定プロセスの見直し

 高レベル放射性廃棄物の最終処分問題は、法制度を2000年に整備して以降、今に至るまで、処分地選定の最初の調査(文献調査)にも着手できていない状況です。これまで立地選定が進んでいない背景には、①地層処分の安全性に対し十分な信頼が得られていない、②応募プロセスが地元の発意が前提であるため、地元の負う説明責任・負担が重いなどの問題がありました。

 こうした状況を反省し、2013年5月、総合資源エネルギー調査会電力・ガス事業分科会原子力小委員会の下に放射性廃棄物ワーキンググループ(WG)を設置し、最終処分に向けた取組の見直しについて議論を開始しました。本WGにおける議論を踏まえつつ、同年12月には最終処分関係閣僚会議を設置・開催し、①現世代の責任として地層処分を前提に取組を進めつつ、将来世代が最良の処分方法を再選択できるよう可逆性・回収可能性を担保する、②国が、科学的根拠に基づき、より適性が高いと考えられる地域(科学的有望地)を提示し、重点的な理解活動を行った上で、複数地域に対し申入れを実施する、等の基本的な取組の方向性を決定しました。こうした方向性については、2014年4月に閣議決定されたエネルギー基本計画にも規定されました。

エネルギー基本計画(平成26年4月11日閣議決定)関係部分抜粋

 我が国においては、現在、約17,000トンの使用済燃料を保管中である。これは、既に再処理された分も合わせるとガラス固化体で約25,000本相当の高レベル放射性廃棄物となる。しかしながら、放射性廃棄物の最終処分制度を創設して以降、10年以上を経た現在も処分地選定調査に着手できていない。 廃棄物を発生させた現世代の責任として将来世代に負担を先送りしないよう、高レベル放射性廃棄物の問題の解決に向け、国が前面に立って取り組む必要がある。

(略)

 最終処分場の立地選定にあたっては、処分の安全性が十分に確保できる地点を選定する必要があることから、国は、科学的により適性が高いと考えられる地域(科学的有望地)を示す等を通じ、地域の地質環境特性を科学的見地から説明し、立地への理解を求める。また、立地地点は地域による主体的な検討と判断の上で選定されることが重要であり、多様な立場の住民が参加する地域の合意形成の仕組みを構築する。 さらに、国民共通の課題解決という社会全体の利益を地域に還元するための方策として、施設受入地域の持続的発展に資する支援策を国が自治体と協力して検討、実施する。

最終処分に関する基本方針の改定

2014年4月に閣議決定されたエネルギー基本計画や、同年5月に公表された放射性廃棄物WGの「中間とりまとめ」を踏まえつつ、引き続き同WGにおいて個別論点の具体化を図り、2015年5月、最終処分法に基づく基本方針の改定(閣議決定)を7年ぶりに行いました。改定のポイントは以下のとおりです。

基本方針改定のポイント

①現世代の責任と将来世代の選択可能性
  • 廃棄物を発生させてきた現世代の責任として将来世代に負担を先送りしないよう、地層処分に向けた対策を確実に進める。
  • 基本的に可逆性・回収可能性を担保し、将来世代が最良の処分方法を選択可能にする。幅広い選択肢を確保するため代替オプションを含めた技術開発等を進める。
②全国的な国民理解、地域理解の醸成
  • 最終処分事業の実現に貢献する地域に対する敬意や感謝の念や社会としての利益還元の必要性が広く国民に共有されることが重要。
  • 国から全国の地方自治体に対する情報提供を緊密に行い、丁寧な対話を重ねる。
③国が前面に立った取組
  • 国が科学的により適性が高いと考えられる地域(科学的有望地)を提示するとともに、理解活動の状況等を踏まえ、調査等への理解と協力について、関係地方自治体に申入れを行う。
④事業に貢献する地域に対する支援
  • 地域の主体的な合意形成に向け、多様な住民が参画する「対話の場」の設置及び活動を支援する。
  • 地域の持続的発展に資する総合的な支援措置を検討し講じていく。
⑤推進体制の改善等
  • 事業主体であるNUMO(原子力発電環境整備機構)の体制を強化する。
  • 信頼性確保のために、原子力委員会の関与を明確化し、継続的な評価を実施する。原子力規制委員会は、調査の進捗に応じ、安全確保上の考慮事項を順次提示する。
  • 使用済燃料の貯蔵能力の拡大を進める。

科学的有望地の提示

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