特定自家用電気工作物設置者の届出義務について

Q&A

1.特定自家用電気工作物設置者の届出制度の目的は何ですか。

東日本大震災後の需給ひっ迫時において、供給予備力の地域的偏在や、周波数変換設備(FC)、地域間連系線などの送電制約により、広域的な需給調整を果たす十分な仕組みが存在しなかったこと、電気事業法上の供給命令の対象が電気事業者に限られていたこと等から、緊急時のバックアップ体制が必ずしも十分ではなかったことが明らかとなりました。

これらを踏まえ、電気事業法の一部を改正する法律(平成25年11月20日に公布)において、「電力広域的運営推進機関」の創設のほか、卸供給事業者に対する供給命令権限の創設とともに、一定規模以上の自家用電気工作物を設置している事業者(特定自家用電気工作物設置者)に対する供給勧告を制度化しました。

本届出は、供給勧告を発出する対象者を把握することを主たる目的としています。

2.供給勧告はどのような場合に出されるのですか。

供給勧告に従わなかった場合、罰則が科せられるのですか。特定自家用電気工作物設置者に対する供給勧告は、電気事業法第31条第2項に規定されています。同項では、電気の安定供給の確保に支障又はそのおそれ等の要件を満たした場合に、経済産業大臣は、まず、電気事業者に対する電気の供給命令を行うことができ、それでもなお足りないと認められる場合に初めて特定自家用電気工作物設置者に対する供給勧告を行うことができる、としています。

なお、供給勧告は、勧告という性質上、仮に勧告内容に従わなかった場合であっても罰則はありません。勧告に従わなかった場合、経済産業大臣はその旨公表することができますが、正当な理由がある場合はこの限りではありません。

3.特定自家用電気工作物接続届出を行うとその後どのようなことが求められるのですか。

特定自家用電気工作物接続届出書に記載された特定自家用電気工作物について変更があった場合、接続しなくなった場合等の届出義務が生じます。

また、Q2のとおり、需給のひっ迫時に供給勧告を受ける可能性があります。

4.特定自家用電気工作物設置者の届出義務があるのはどのような事業者ですか。

特定自家用電気工作物を設置する者であって、電気事業者に該当しない者です。対象者には、営利目的会社、行政機関等の法人のほか個人事業主も含みます。

5.発電事業者等の電気事業者は、その設置する発電設備について届出を行う必要はないのですか。

特定自家用電気工作物設置者の届出は、経済産業大臣が供給勧告を行う相手方の特定を目的としている制度です。電気事業者は、供給命令対象であり、それぞれの許可・届出義務が課されていることから、本届出は不要です。

6.発電設備を付設している施設の運営を他者に委託している場合、届出義務があるのは誰ですか。

本届出は、経済産業大臣からの供給勧告について責任を持って判断できる者が行う必要があります。委託契約の内容によりますが、受託者が発電設備の稼働や発電した電気の供給先等を判断する権限を有している場合は、当該受託者に届出義務があるといえます(具体例としては、地方自治体がごみ焼却場を長期包括運営責任委託等によって民間事業者に委託した場合は、そのごみ焼却場に付設された発電施設については、一般的には、当該民間事業者に届出義務があると考えられます)。

7.不動産信託の場合、届出義務があるのは誰ですか。

本届出は、経済産業大臣からの電気供給等の勧告について責任を持って判断 できる者が行う必要があります。不動産信託においては、信託契約に基づく指図権の内容として発電設備の稼働や発電した電気の供給先等を判断する権限が含まれている場合にあっては、指図権を有する者に届出義務があります。なお、この場合において、発電設備の所有者である受託者は、届出が円滑に行われるよう指図権を有する者と連携・協力することが望ましいと考えています。

8.届出の名義人はどのように記載すればよいですか。

本届出は、経済産業大臣からの供給勧告について責任を持って判断できる者が行う必要があります。このため、届出の名義人は、個々の発電所の管理運営者・責任者ではなく、事業者となります。法人の場合、事業者名は法人名(株式会社○○等)を、その代表者の氏名は、代表権者(代表取締役等)を記載してください。なお、地方公共団体にあっては、発電した電気の処分権限を有していれば、当該地方公共団体の代表者ではなく会計管理責任者を代表者とすることも可能です。

9.地方公共団体が、部局ごとに複数の特定自家用電気工作物設置者になることも可能ですか。

地方公共団体が、部局ごとに複数の特定自家用電気工作物接続届出書を提出することも可能です(「○○市(企業局)」、「○○市(上下水道局)など)。それぞれ発電した電気について処分や対処する権限が各部局の長に委任されている場合、当該権限を持つ者を代表者とする複数の届出書の提出を行うこともできます(市町村長名で一の届出書を提出することも可能)。

10.地方公共団体が、部局ごとに複数の特定自家用電気工作物を提出する場合、代表者名はどのように記載すればよいでしょうか。

代表者名については、首長を一又は複数の発電事業者の代表者とすることも、法令に基づく権限分掌に従った役職の者をそれぞれの代表者とすることも可能です。

11.個々の特定自家用電気工作物ごとに届出書を提出するのですか。

特定自家用電気工作物設置者の届出は、供給勧告の相手方となる事業者の特定を目的としている制度です。このため、1事業者は、1つの届出書を提出し、当該届出にその設置する特定自家用電気工作物の記載事項をすべて記載します(記載例も適宜参照ください)。

12.届出が必要な「特定電気工作物」とはどのようなものですか。

発電機単機の出力が1000kW以上の自家用電気工作物(太陽光発電、風力発電を除く)です。インターロック等が設置された非常用電源(非常用予備発電設備も含む)も対象となります。

13.なぜ逆潮流できない非常用電源も届出が必要なのですか。

特定自家用電気工作物設置者の届出の目的は、万が一電気の安定供給に支障が生じ、又は生ずるおそれがある場合に、供給勧告を行い、需給状況を緩和することにあります。一般的には、特定自家用電気工作物設置者が設置している火力発電所を焚き増して、一般電気事業者の送配電ネットワークを経由して一般需要家に電気供給していただくようお願いすることが想定されますが、一方で、可能な限り、需要側の調整力として、非常用電源を使用することで、受電量を減らしていただくことをお願いすることも想定されます。

14.逆電力リレーを設置していますが、不使用・ロックしています。この場合、「逆潮流防止設備の有無」はどのように記載すればよいですか。

「逆潮流防止設備の有無」は、供給勧告を行う場合において、特定自家用電気工作物の供給電気を一般送配電事業者の送配電ネットワークに供給することが技術的に可能かどうかを予め確認するためのものです。逆電力リレーが設置された保護リレーでは、原則として、逆潮流できないようになっていますが、これを使用していない場合や機能をロックしている場合は、逆潮流できるため、一般需要のための供給電気として扱うことが可能です。

以上から、こうしたケースでは、「有り(不使用)」と記載してください。

15.特定自家用電気工作物の出力に変更(増減)があった場合、どのような届出を行えばよいですか。

[1]変更後の出力が1000kWを下回る場合
→要件に該当しなくなった場合の届出書を提出してください。

[2]変更後の出力が1000kW以上の場合
→変更届出書を提出してください。

16.特定自家用電気工作物の新設・廃止・譲渡・譲受けがあった場合、どのような届出を行えばよいですか。

[1]接続届出書の提出後に特定自家用電気工作物を新設した又は譲り受けた場合
→変更届出書を提出してください。

[2]届出以降に一部の特定自家用電気工作物を廃止又は譲渡した場合
→電線路と電気的に接続されている状態でなくなった場合の届出書を提出してください。

[3]届出以降に全ての特定自家用電気工作物を廃止又は譲渡した場合
→電線路と電気的に接続されている状態でなくなった場合の届出書を提出してください。

17.資源エネルギー庁に提出する場合と経済産業局に提出する場合を教えてください。

設置している特定自家用電気工作物が一般送配電事業者の送配電ネットワークに接続している場所が一つの経済産業局の管轄区域内のみにある場合は、当該経済産業局長名を宛名とし同局(担当部署例:電力事業課)宛てに提出します。

一方で、例えば、中部地方と九州地方など異なる地域に複数の発電所を設置している場合など、接続している場所が複数の経済産業局の管轄区域にある場合は、経済産業大臣名を宛名とし、資源エネルギー庁(電力基盤整備課電力需給・流通政策室)に提出することになります。

各経済産業局の管轄区域については、以下の経済産業省令を参照してください。
外部サイトを別ウィンドウで開く(参考)経済産業省組織規則第228条及び第249条

18.郵送による届出書の提出は可能ですか。

可能です。

19.電気事業者については、特定発電用電気工作物の届出が不要となっていますが、電気事業者でなくなった場合はどうすればいいですか。

電気事業者でなくなったが、特定自家用電気工作物の届出要件は満たすという場合には、特定自家用電気工作物の届出をしていただく必要があります。

「特定自家用電気工作物設置者の届出義務について」TOPに戻る