電気事業制度について

電気事業制度の概要

1.電気事業の概要

(1)電気事業者の種類

我が国は、電気事業法により電気事業の運営が規制されており、当該法律によって、事業者の種類が規定されている。

一般電気事業者

一般(不特定多数)の需要に応じて電気を供給する者。現在は、
北海道電力(株)東北電力(株)東京電力(株)中部電力(株)北陸電力(株)関西電力(株)中国電力(株)四国電力(株)九州電力(株)沖縄電力(株)
の10電力会社が該当する。一般への電気供給は、一般電気事業者以外が行うことはできないこととなっている。

卸電気事業者

一般電気事業者に電気を供給する事業者で、200万kW超の設備を有する者。(電源開発(株)、日本原子力発電(株)、200万kW以下であるものの特例で認められている「みなし卸電気事業者」として公営、共同火力がある。)

卸供給事業者

一般電気事業者に電気を供給する卸電気事業者以外の者で、一般電気事業者と10年以上にわたり1000kW超の供給契約、もしくは、5年以上にわたり10万kW超の供給契約を交わしている者(いわゆる独立発電事業者(IPP))。

特定規模電気事業者

契約電力が50kW以上の需要家に対して、一般電気事業者が有する電線路を通じて電力供給を行う事業者(いわゆる小売自由化部門への新規参入者(PPS))。

特定電気事業者

限定された区域に対し、自らの発電設備や電線路を用いて、電力供給を行う事業者(六本木エネルギーサービス(株)、諏訪エネルギーサービス(株)が該当)。

特定供給

供給者・需要者間の関係で、需要家保護の必要性の低い密接な関係(生産工程、資本関係、人的関係)を有する者の間での電力供給(本社工場と子会社工場間での電力供給等)。

(2)電力市場の状況

我が国の電力市場は、需要家が自由に供給相手を選ぶことのできる自由化部門と、供給相手は一般電気事業者に限定されるものの、電気料金については電気事業法によって規制され保護されている規制部門の2つの市場にわかれている。

自由化部門に該当するのは、契約電力が50kW以上の需要家であり、特定規模電気事業者の参入が認められている。

2.電気事業における制度改革の動き

戦後、昭和39年に電気事業法が制定されて以来、2度にわたり制度改正が実施された(平成7年及び平成12年)

(1)平成7年改正

発電部門への新規参入の拡大

卸電気事業への参入許可を撤廃し、一般電気事業者が電源調達をする際に入札制度を導入。

特定電気事業制度の創設

特定の供給地点における需要に対し、電力小売事業を営む能力を有する事業者の参入を可能とする制度の創設。

料金規制の見直し

需要家の選択肢幅を広げる料金規制の見直しとして、選択約款を導入。

(2)平成12年改正

電力小売部門における一部自由化の実施

使用最大電力が2000kW以上の需要家に対する電力小売事業を、一般電気事業者以外にも開放する特定規模電気事業者制度の創設。

料金規制の見直し

規制部門における料金引き下げについては、認可制から届出制に緩和。

3.平成17年度改正の概要

前回の平成12年改正時に制定された3年後見直し条項(附則第12条 政府は、この法律の施行後三年後を経過した場合において、この法律の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置をこうずるものとする)の規定等を踏まえ、第156回通常国会(平成15年)に制度改革を盛り込んだ改正法案を提出し、同年6月に可決された。制度改革のポイントは下記の通りである(なお、制度改革の内容は、平成15年2月の電気事業分科会報告(PDF形式:102KB)に基づいて行われている。)

発送電一貫体制の維持

現在、一般電気事業者制度により、発電から小売まで一貫した体制で電力供給を行う制度となっているが、今次制度改正においてもこの体制を維持し、一貫体制の下で競争中立性を確保する。

ネットワーク部門の公平性・透明性の確保

電力会社(一般電気事業者)の送配電ネットは、多数の事業者が利用する「公共インフラ」の性格が強いため、送配電部門を利用する事業者の公正な競争を確保する観点から、送配電部門の運用監視等を行う中立機関の設立、電力会社が持つ送配電部門と他部門との会計分離等を規定。

広域流通の円滑化

全国の発電所の供給力が有効活用される環境を整備するため、パンケーキ問題(発電所から需要家まで電力供給をする際に、各電力会社(一般電気事業者)の供給区域をまたいで送電するごとに課金される仕組み)の解消。

分散型電源の促進

自由化対象の需要家へ電力供給を行う際に、自前の送電線による供給も可能とする。

卸電力取引所の創設

全国規模の私設・任意の卸電力を取引するための市場を創設。

自由化範囲の拡大(図:小売電力市場の自由化範囲)

平成16年4月に500kW以上、平成17年4月に50kW以上の需要家を対象に小売自由化を認める。全面自由化については、平成19年4月を目途に、今般の制度改正による需要家選択肢の確保状況等を踏まえて検討を開始する。

なお、今般(平成17年度改正)の電気事業制度改革の経緯は、次のとおりとなっている。

2000年3月
電力小売部分自由化の導入
2003年2月
電気事業分科会報告「今後の望ましい電気事業制度の骨格について」(PDF形式:102KB)
制度骨格の基本的な方向として、
  • ① 安定供給の確保、環境への適合を考慮した経済構造改革
  • ② 電気の特性に応じた安定性・公平性を確保する仕組みと企業の自由な活動との調和
  • ③ 電気の安定供給の確保
  • ④ エネルギーセキュリティや環境保全等の課題との両立
  • ⑤ 需要家選択肢の確保
を策定。
2003年6月
電気事業法の改正(施行は2005年4月から)
2月の分科会報告に基づき電気事業法の改正が実施。改正の主要なポイントは、
  • ① 分散型電源から需要家への自営線敷設を認める制度の創設
  • ② ネットワーク間での電力をやり取りする際の手数料(振替供給料金)の廃止
  • ③ ネットワーク運用の監視を行う中立機関(送配電等業務支援機関)制度の創設
  • ④ 電力会社のネットワーク部門の情報遮断・内部相互補助禁止等の担保
2003年12月
中間報告「今後の望ましい電気事業制度の詳細設計について」(PDF形式:357KB)
制度の詳細設計として、
  • ① 中立機関の組織構成や意思決定メカニズム、中立機関の指定基準の内容 等
  • ② 卸電力取引市場における電力投入に関する考え方、取引量に関する事後検証方法 等
  • ③ 自由化範囲対象者の定義の整理、同時同量に係る料金設計の変更 等
を策定
2004年5月
最終報告「今後の望ましい電気事業制度の詳細設計について」(PDF形式:1.3MB)
中間報告で決まっていなかった事項について検討を実施。
  • ① 中立機関における各ルール内容
  • ② 電源線の設置における負担に関するルール
  • ③ 振替供給制度見直しに伴い必要となるルール
  • ④ 電力会社の送配電部門と他部門との会計分離に関する事項

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