第2節 一次エネルギーの動向

1.化石エネルギーの動向

(1) 石油

資源の分布

世界の原油確認埋蔵量は2011年末時点で1兆6,526億バレル(オイルサンドを除く)であり、これを2011年の原油生産量で除した可採年数は54.2年となりました。1970年代のオイルショック時には石油資源の枯渇問題も深刻に懸念されましたが、回収率の向上や追加的な石油資源の発見・確認によって、1980年代以降、可採年数はほぼ40年程度の水準を維持し続けてきました。最近では、ベネズエラやカナダにおける超重質油の埋蔵量が拡大もあり、可採年数はむしろ年々増加しています。

2011年末時点では、世界最大の確認埋蔵量を保有しているのはベネズエラであり、長らく一位の座を保っていたサウジアラビアは2番目となりました。ベネズエラの確認埋蔵量は2,965億バレルと世界全体の約18%のシェアを占めています。サウジアラビアの確認埋蔵量は2,654億バレルで世界シェアは16%。以下、カナダ(1,752億バレル、シェア11%)が3番目に大きく、その次はイラン(1,512億バレル、シェア9%)、イラク(1,431億バレル、9%)、クウェート(1,015億バレル、6%)、アラブ首長国連邦(978億バレル、6%)と中東産油国が続きます。この中東OPEC6カ国だけで、世界全体の原油確認埋蔵量の約半分を占めています(第222-1-1)。

【第222-1-1】世界の原油確認埋蔵量(2011年末)

【第222-1-1】世界の原油確認埋蔵量(2011年末)

【第222-1-1】世界の原油確認埋蔵量(2011年末)(xls/xlsx形式:71.5KB)

(出所)
BP, Statistical Review of World Energy 2012をもとに作成

原油生産の動向

世界の原油生産量は、長期的にみますと石油消費の増大とともに増加し、1972年の3,180万バレル/日から2012年には8,358万バレル/日と、この40年間で1.6倍になりました。地域別にみると、2000年以降では北米とアジア大洋州の原油生産量はほぼ横這いであるのに対し、欧州・ロシア及びその他旧ソ連邦諸国(中でもロシア及びその他旧ソ連邦諸国)、中東、アフリカの生産量は拡大してきました(第222-1-2)。

OPEC産油国の生産は、1970年代までの大幅増産の後、全体としての非OPEC産油国の生産が増加してきたこと、1980年代前半は世界の石油消費が低迷したことを受けて1980年代前半を通じて減少し、その後1980年代後半から緩やかな回復という基調を辿ってきました。この結果、世界の原油生産に占めるOPEC産油国のシェアは、1970年代前半の5割強から1980年代半ばには3割を割り込んだものの、その後再び増加し、2011年では42%となっています。

ロシア及びその他旧ソ連邦諸国を除く非OPEC産油国全体(アメリカ、メキシコ、カナダ、英国、ノルウェー、中国、マレーシア等)の生産は1965年以降、増加を続けてきました。ロシア及びその他旧ソ連邦諸国を除く非OPEC産油国全体の原油生産量は1965年の1,302万バレル/日から堅調に増加し、2011年には3,426万バレル/日に達しました。ロシア及びその他旧ソ連邦諸国は1991年のソ連崩壊前までは世界最大の産油国でしたが、崩壊後の社会・経済の混乱の中で石油部門への投資が大幅に低下したため、原油生産量は急激に低下しました。その後1999年以降、再び増産基調に転じ、国際石油市場において、ロシア、カスピ海沿岸諸国は新たな産油地域として台頭してきました(第222-1-3)。

【第222-1-2】世界の原油生産動向(地域別)

【第222-1-2】世界の原油生産動向(地域別)

【第222-1-2】世界の原油生産動向(地域別)(xls/xlsx形式:64KB)

(注)
1984年までのロシアには、その他旧ソ連邦諸国を含む
(出所)
BP, Statistical Review of World Energy 2012をもとに作成

【第222-1-3】世界の原油生産動向(OPEC、非OPEC別)

【第222-1-3】世界の原油生産動向(OPEC、非OPEC別)

【第222-1-3】世界の原油生産動向(OPEC、非OPEC別)(xls/xlsx形式:49KB)

(注)
上図の非OPECにはロシア及び旧ソ連邦諸国を含む。
(出所)
BP, Statistical Review of World Energy 2012をもとに作成

石油消費の動向

世界の石油消費は、経済活動の活発化とともに増加傾向をたどってきました。1973年には5,566万バレル/日であった世界の石油消費は2011年には8,803万バレル/日まで増加しました(年平均1.6%増)。

世界の石油消費において最大のシェアを持つ先進国(OECD諸国)では、1973年の4,132万バレル/日の消費から1970年代後半にかけて増加傾向を示したものの、二度のオイルショック後の世界経済の低迷に加え、原子力、天然ガス等の石油代替エネルギー導入促進を受けて1980年代には石油消費が減少しました。その後、1980年代後半以降、経済の拡大とともに緩やかに石油消費が増加しましたが、近年の自動車技術の進展や石油価格高騰を背景に、2005年以降は4年連続して、先進国の石油需要は減少してきました。2010年は2009年比1.1%増の4,652万バレル/日の需要が見られましたが、2011年は再び前年比1.3%減の4,592万B/Dとなり、先進国における石油需要の減少基調は今後も変わらないと見られています。

一方、世界の石油消費の1割強のシェアを有していたロシア及びその他旧ソ連邦諸国は、1990年代に入ってからソ連崩壊に伴う社会・経済の混乱によって石油消費が減少してきました。ロシア及びその他旧ソ連邦諸国の石油消費は1987年の847万バレル/日から2011年にはその約半分の411万バレル/日となりました。

この間、著しい石油消費の増加を示したのが開発途上国(非OECD諸国)でした。ロシア及びその他旧ソ連邦諸国を除く開発途上国の石油消費は堅調な経済成長に伴い、1973年の1,434万バレル/日から年平均3.9%で増加し、2011年には4,211万バレル/日となりました。その結果、世界の石油消費に占める開発途上国のシェアは1973年の26%から2011年には48%と1.8倍になり、逆に先進国(OECD諸国)のシェアは74%から53%にまで低下してきました(第222-1-4)。

【第222-1-4】世界の石油消費の推移(地域別)

【第222-1-4】世界の石油消費の推移(地域別)

【第222-1-4】世界の石油消費の推移(地域別)(xls/xlsx形式:58.5KB)

(出所)
BP, Statistical Review of World Energy 2012をもとに作成

石油貿易の動向

世界の石油貿易は、石油消費の増大とともに着実に増大してきました。2011年の世界全体の石油貿易量は5,458万バレル/日となっており、そのうち日米欧3大市場による輸入量が合計で2,791万バレル/日と全体の51%を占めました。一方、輸出サイドでみますと、中東からの輸出が1,975万バレル/日と最大で、全貿易量の36%を占めました。以下、ロシア及びその他旧ソ連邦諸国(869万バレル/日)、アジア太平洋(623万バレル/日)、西アフリカ(465万バレル/日)等が主要石油輸出地域となっています。

仕向地別では中東からの石油輸出のうち、10%(192万バレル/日)がアメリカ向け、13%(254万バレル/日)が欧州向け、74%(1,452万バレル/日)がアジア大洋州地域向けとなっており、中東地域にとってアジア大洋州市場が最大の販路となりました(第222-1-5)。

なお、アジア地域の中東依存度は1990年代を通じて常に欧米より大幅に高い水準で推移しました。

【第222-1-5】世界の石油の主な移動(2011年)

【第222-1-5】世界の石油の主な移動(2011年)

(出所)
BP, Statistical Review of World Energy 2012をもとに作成

(2) ガス体エネルギー

天然ガス

(ア) 資源の分布

世界の天然ガスの確認埋蔵量は、2011年末で約208兆m3でした。中東のシェアが約38.4%と高く、欧州・ロシア及びその他旧ソ連邦諸国が約37.8%で続きました(第222-1-6)。

石油埋蔵量の48%が中東に存在していることと比べますと、天然ガス埋蔵量の地域的な偏りは小さいと言えます。また、天然ガスの可採年数は2011年末時点で64年でした。

【第222-1-6】地域別天然ガス埋蔵量(2011年末)

【第222-1-6】地域別天然ガス埋蔵量(2011年末)

【第222-1-6】地域別天然ガス埋蔵量(2011年末)(xls/xlsx形式:43KB)

(注)
端数処理の関係で合計が100%にならない場合がある。
(出所)
BP, Statistical Review of World Energy 2012をもとに作成
(イ) 天然ガス生産の動向

2011年の天然ガス生産量は3.3兆m3でした。2001年から2011年までの間で、石油の生産量の年平均伸び率が1.1%であったのに比べ、天然ガスは2.8%の伸びを記録しました。但し、2009年の生産量は需要の減少に伴って若干落ち込みました。

地域別には、2011年時点では北米が世界の生産量の26%、欧州・ロシア及び旧ソ連邦諸国が32%を占めました(第222-1-7)。

中東の天然ガス埋蔵量は世界の38.4%を占めているにもかかわらず、その生産量は16%を占めているにすぎません。これは、天然ガス輸送に必要な莫大な投資に加えて、中東ではこれまで石油開発投資が主に行われており、天然ガス開発投資は、その埋蔵量に比べ比較的少なかったことによります。従って、中東から大消費地へのパイプラインが、ロシアと西欧間のように敷設されることもありませんでした。中東各国で生産された天然ガスの多くは中東地域内で消費されますか、液化してLNGとして輸出されてきました。

世界的な天然ガス消費の伸びに対応するため、欧米メジャー各社や産油国等による大規模な天然ガス資源開発が進められてきました。特に、LNG消費の伸びを背景に、LNGの新規プロジェクトが多数計画されました(第222-1-8)。

更にGTL(Gas to Liquids)1やDME(Di-Methyl Ether)2等の天然ガスの新たな利用可能性を広げる技術について研究開発が進展しており、一部では既に商業生産が開始されました。

【第222-1-7】地域別天然ガス生産量の推移

【第222-1-7】地域別天然ガス生産量の推移

【第222-1-7】地域別天然ガス生産量の推移(xls/xlsx形式:66.5KB)

(出所)
BP, Statistical Review of World Energy 2012をもとに作成

【第222-1-8】主要な新規LNGプロジェクト

【第222-1-8】主要な新規LNGプロジェクト

(出所)
生産量、埋蔵量、LNG輸出量はBP, Statistical Review of World Energy 2012。パプアニューギニアの生産量はCedigaz, Natural Gas in the World 2012Edition。新規LNGプロジェクトの生産量は(一財)日本エネルギー経済研究所調べ。
(ウ) 天然ガス消費の動向

天然ガス消費は北米、欧州・ロシア及びその他旧ソ連邦諸国で世界の61%を占めました(第222-1-9)。

この理由としては、これらの地域内で豊富に天然ガスが生産されていること、既にパイプライン・インフラが整備されており、天然ガスを気体のまま大量に輸送して利用することが可能であることが挙げられます。アジアでは天然ガスの消費はまだ少ないですが、近年増大してきました。

2001年から2011年の間、世界の天然ガス消費は年率2.8%で増加してきました。2009年の需要は世界的な景気後退により若干減少しましたが、近年の消費の増加の主な理由の一つとして、発電用燃料としての消費が伸びていることが挙げられます。これは、天然ガスは他の化石燃料に比べて環境負荷が低いこと、コンバインドサイクル発電3等の技術進歩により、発電燃料として天然ガスの経済的優位性が高まったこと等によります。

天然ガス消費の各地域別でのウェイトをみると、一次エネルギー総供給量に占める天然ガスの割合は、アメリカの25%、OECD欧州の26%に対して日本は17%と相対的に低くなりました。欧米では、自国もしくは周辺国で天然ガスが豊富に生産されるため天然ガスの利用が進んできました。一方、我が国は、天然ガスのほとんどをLNGとして遠距離輸送で輸入することもあり、一次エネルギー総供給量に占める天然ガスの割合は相対的に低くなりました(第222-1-10)。

天然ガスの用途をみても我が国と欧米とでは大きな差異があります。我が国では発電用としての利用の割合が全体の63%を占めており、産業用は9%、民生・その他用は28%にすぎません。これに対して、アメリカ、OECD欧州では発電用としての利用の割合が33%、35%と日本よりも低く、その分、民生・その他用や産業用としての利用の割合が高くなりました(第222-1-11)。

このように利用形態が異なっている主な理由としては、割高であった我が国の天然ガス輸入価格に加え、①LNG輸入という形態でしか天然ガスが導入できなかったこと、②このため、需要が集積しやすい発電用や一定規模の大手都市ガス会社による利用を中心に導入されたという経緯があります。この結果、天然ガスの需要がある地域にLNG基地が順次立地し、LNG基地から、需要に応じてパイプラインが徐々に延伸するという我が国特有のインフラ発展形態となりました。発電用と比べて需要が比較的分散している民生用や産業用では、天然ガス利用は相対的に遅れています。

一方、欧米では、民生用と産業用への天然ガス利用が先に進みました。しかし、前述のとおり、発電燃料としての天然ガスの優位性が高まっていることにより、近年、欧米においても、発電用としての利用が増加しています。

【第222-1-9】天然ガスの消費量の推移(地域別)

【第222-1-9】天然ガスの消費量の推移(地域別)

【第222-1-9】天然ガスの消費量の推移(地域別)(xls/xlsx形式:69KB)

(出所)
BP, Statistical Review of World Energy 2012をもとに作成

【第222-1-10】日本・アメリカ・OECD欧州の一次エネルギー構成(2010年)

【第222-1-10】日本・アメリカ・OECD欧州の一次エネルギー構成(2010年)

【第222-1-10】日本・アメリカ・OECD欧州の一次エネルギー構成(2010年)(xls/xlsx形式:49.5KB)

(注)
端数処理の関係で合計が100%にならない場合がある。
(出所)
IEA, Energy Balances of OECD Countries 2012をもとに作成

【第222-1-11】日本・アメリカ・OECD欧州における用途別天然ガス利用状況(2010年)

【第222-1-11】日本・アメリカ・OECD欧州における用途別天然ガス利用状況(2010年)(xls/xlsx形式:54.5KB)

(出所)
IEA, Energy Balances of OECD Countries 2011をもとに作成
(エ) 天然ガス貿易の動向

2011年の一年間で取引された天然ガスの貿易量1兆254億m3のうち、パイプラインにより取引された量は6,946億m3(貿易量全体の68%)、LNGによる取引は3,308億m3(同32%)でした(第222-1-12)。

2011年の世界全体の天然ガス生産量の31.4%が生産国では消費されずに、他国へ輸出されました(第222-1-13)。天然ガスの貿易量は増加しているものの、その割合は生産量の65.3%が輸出される石油ほどではありませんでした。

主な輸入国はアメリカ、EU、北東アジアの3地域でした。輸送手段別には、パイプラインによる主な輸出国はロシア、カナダ等、輸入国はアメリカ、ドイツ等でした。LNG貿易はアジア向け輸出を中心として拡大し、2011年のLNG貿易量の32%は日本向け(アジア全体で63%)でした。輸出先もアジア大洋州地域が中心ですが、近年、中東諸国からの輸出も増加してきました(第222-1-14)

また、これまでアメリカでは天然ガス消費の伸びに対して、その主たる供給源である国内生産とカナダからのパイプラインガス輸入の伸びが追いついておらず、LNG輸入の計画が進められてきましたが、探査・生産技術の進展により、これまでは開発が難しかった非在来型天然ガスと呼ばれるガスの生産がアメリカ内で拡大してきました。これによってアメリカのLNG需要は当面、急激に増加する可能性は低いとみられています。

【第222-1-12】世界の輸送方式別天然ガス貿易量の推移

【第222-1-12】世界の輸送方式別天然ガス貿易量の推移

【第222-1-12】世界の輸送方式別天然ガス貿易量の推移(xls/xlsx形式:54.5KB)

(原典)
Cedigaz, Natural Gas in the World
(出所)
BP, Statistical Review of World Energy 2012等をもとに作成

【第222-1-13】石油、天然ガスの貿易比率(2010年)

【第222-1-13】石油、天然ガスの貿易比率(2010年)

(出所)
BP, Statistical Review of World Energy 2012をもとに作成

【第222-1-14】世界の主な天然ガス貿易(2011年)

【第222-1-14】世界の主な天然ガス貿易(2011年)

(原典)
Cedigaz, Natural Gas in the World
(出所)
BP, Statistical Review of World Energy 2012をもとに作成
(オ) 価格の動向

天然ガス価格の決定方法は地域によって異なります。日本向けの天然ガス(LNG)価格の多くはJCC(Japan Crude Cocktail)と呼ばれる日本向け原油平均価格にリンクしていることに加え、JCC価格が急激に変動した場合でも、LNG価格は相対的に変動が小さくなるように価格フォーミュラ(価格決定方式)が設計されています。アメリカや英国における天然ガスの売買契約は、それぞれの市場の需給状況等により決定されています。大陸欧州では多くの契約において、天然ガス価格は競合燃料である石油製品の価格、あるいは原油価格に連動しています。

日本向けの天然ガス(LNG)価格は、1990年代に、百万Btu当たり3ドル~4ドル(CIF)で推移していました。2000~2005年は4ドル~6ドル/百万Btu(CIF)で推移したが、その後は原油価格に連動して上昇し、2011年時点では、LNGの日本向け平均価格は14.7ドル/百万Btu(CIF)となっており、アメリカ国内の天然ガス価格4.0ドル(Henry Hub4スポット価格)と比べて割高でした。これには、日本向けのLNG価格が原油価格の水準を参照して決められるものが多く、原油価格の影響を大きく受けたためです。

なお、2011年のLNGのスポット及び短期取引の世界のLNG取引全体に占める割合は25%との報告があります(第222-1-15)。

【第222-1-15】世界のLNG取引全体に占めるスポット及び短期取引の割合(2011年)

【第222-1-15】世界のLNG取引全体に占めるスポット及び短期取引の割合(2011年)

【第222-1-15】世界のLNG取引全体に占めるスポット及び短期取引の割合(2011年)(xls/xlsx形式:43KB)

(注)
スポット取引は1年未満の取引、短期取引は契約期間が4年未満の取引を指す
(出所)
GIIGNL, The LNG Industry

LPガス

(ア) 生産の動向

2011年の世界のLPガス生産量は約2.7億トンで、2001年以降、年率2.7%のペースで増加しました。このうち、ガス田及び油田の随伴ガスから60%、製油所から40%が生産されました。

地域別にみますと、2011年は中東地域が24%と最大のシェアを占めていますが、2010年までは北米が最大でしたがそのシェアは縮小しました。一方、アジア大洋州地域は、2001年の19%から2011年には22.3%とシェアが上昇しました(第222-1-16)。今後はオーストラリアやロシア等で大型のLNGプロジェクトの稼働開始が計画されているため、それらのプロジェクトから生産されるLPガスやアメリカにおける非在来型資源(シェールオイル、シェールガス)由来のLPガスも存在感を増していくと考えられます。

【第222-1-16】世界のLPガス地域別生産量

【第222-1-16】世界のLPガス地域別生産量

【第222-1-16】世界のLPガス地域別生産量(xls/xlsx形式:78.5KB)

(注)
端数処理の関係で合計が100%にならない場合がある。
(出所)
World LP Gas Association, Statistical Review of Global LP Gas 2012をもとに作成
(イ) 消費の動向

2011年の世界のLPガス消費は約2.6億トンで、2001年以降年率2.6%のペースで増加してきました。

地域別にみますと、最大消費地域であるアジア大洋州地域が2001年の29%から、2011年には35%とシェアが上昇しました(第222-1-17)。

2011年の消費を用途別にみますと、家庭・業務用が45%、化学原料用が28%、輸送用が9.2%、工業用が8.8%となりました。更に、これを地域別にみますと、中東地域と北米地域および欧州・ロシア・その他旧ソ連邦諸国は化学原料用のシェアが一番高く(それぞれ69%と42%と29%)、アジア大洋州地域では家庭・業務用のシェア(56%)が高くなりました。

【第222-1-17】世界のLPガス地域別消費量

【第222-1-17】世界のLPガス地域別消費量

【第222-1-17】世界のLPガス地域別消費量(xls/xlsx形式:68KB)

(出所)
World LP Gas Association, Statistical Review of Global LP Gas 2012をもとに作成
(ウ) 価格の動向

世界のLPガスの価格は、原油価格の動向に大きく影響を受けて形成されています。主要な価格を形成する市場地域としては、①米州(アメリカ・テキサス州のモント・ベルビュー市場を中核にした地域)、②欧州(北海のBP公定価格、及びアルジェリア・ソナトラック公定価格をベースにした北西欧・地中海等を中核にした地域)、③スエズ以東(サウジアラビア・アラムコの公定契約価格(CP)をベースにした中東・アジア大洋州地域を中核にした地域)の3つのゾーンに大別されています。それぞれの価格形成市場地域の価格差を埋めるように裁定取引が発生することにより、需給調整がなされています。

我が国のLPガス輸入指標となるサウジアラビアの公定契約価格は、ある程度スポット市場の値動きが反映されていますが、基本的にはサウジ側から一方的に通告される価格であり、我が国を含む消費国においては、価格決定プロセスの不透明性が指摘されてきました。ただし、今後中東(カタール、UAE(アブダビ)等)、オーストラリア、西アフリカ(ナイジェリア、アンゴラ)でのLPガス増産が見込まれることから、サウジアラビアのLPガス価格支配力に変化が生じるのではないかとみられています。

原油価格の高騰とともに、三つのゾーンとも2000年から2008年7月までLPガス価格は上昇基調を続けてきましたが、2008年8月以降下落に転じ、2008年12月には、プロパン価格(FOB価格5)が、サウジアラビア産(サウジアラムコCP)で340ドル/トン、北海産(ANSI)で296ドル/トンまで低下しました。その後、原油価格が回復するにつれてLPガス価格も上昇し、2012年3月には、サウジアラビア産で1,230ドル/トン、北海産で1,104ドル/トンと過去最高値を記録しました。

(エ) 貿易の動向

最大の輸出地域は中東地域で、2011年には3,300万トンの輸出実績がありました。また、最大の輸出国はカタールで1,010万トンでした。中東地域に続く輸出地域は、欧州・ロシア及びその他旧ソ連邦諸国(1,800万トン)、アフリカ地域(1,060万トン)となりました。

一方、輸入面ではアジア地域が最大の輸入地域で、同年の輸入量は3,470万トンでした。アジア地域に続く輸入地域は、欧州・ロシア及びその他旧ソ連邦諸国で2,010万トンとなりました。最大の輸入国は我が国で輸入量は1,220万トン、続いて韓国(640万トン)、インド(510万トン)、アメリカ(420万トン)、中国(340万トン)となりました。アメリカは世界最大のLPガス消費国ですが、自給率が高いため貿易量はそれほど多くありませんでした。

世界のLPガス貿易市場は、(ウ)価格の動向において既述のとおり、大きく3地域(米州地域、欧州地域、アジア地域)に分割されており、従来は、基本的にこの各域内で貿易取引が行われていました。しかし、1999年を境にそれまで余剰であったアジア市場が一転して不足状態となり、スエズ以西からLPガスが流入するようになりました。

(3) 石炭

資源の分布

石炭の可採埋蔵量は8,609億トンで、国別には、アメリカ(27.6%)及びロシア(18.2%)、次いで中国(13.3%)に多く埋蔵されています(第222-1-18)。他方、石炭の炭種別には、瀝青炭と無煙炭が4,048億トン、亜瀝青炭と褐炭で4,562億トンです6

石炭の持つメリットとしては、石油、天然ガスに比べ地域的な偏りが少なく、世界に広く賦存していることを挙げることができます。また、可採年数(可採埋蔵量/年産量)が112年(BP統計2012年版)と石油等のエネルギーより長いのも特徴です。

【第222-1-18】世界の石炭可採埋蔵量

【第222-1-18】世界の石炭可採埋蔵量

【第222-1-18】世界の石炭可採埋蔵量(xls/xlsx形式:72.5KB)

(注)
BP統計では、World Energy Council, Survey of Energy Resources 2010(2008年末のデータ)を引用
(出所)
BP, Statistical Review of World Energy 2012をもとに作成

石炭生産の動向

2011年の世界の石炭生産量(褐炭を含む)は76億7,800万トンと推計されており(対前年比6.6%増)、このうち褐炭を除いた原料炭、一般炭及び無煙炭の生産量は66億3,700万トン(対前年比6.7%増)と全体の86%を占めました。

2011年の石炭生産量を国別シェアでみますと、中国(45%)とアメリカ(13%)の2カ国で世界の生産量の半数以上となる58%を占めました。更に、インド、オーストラリア、インドネシア、ロシアまでの上位6カ国の生産量を合計するとそのシェアは81%でした。また、2011年において石炭生産量が1億トンを超える上位10カ国(上記6カ国に、南アフリカ、ドイツ、ポーランド、カザフスタンを加える)のうち、2001年と2011年を比較して石炭生産量が減少しているのはアメリカ、ドイツ、ポーランドの3カ国で、他の7カ国では増加しました。アメリカの生産量の減少は後述するように天然ガスの需要増加により国内の石炭需要が減少したことによると考えられますが、ドイツ、ポーランドの減少は国内消費が減少傾向にあるのに加え、国内炭より価格の安い輸入炭が増加傾向にあるためでした(第222-1-19)。

石炭生産量が世界第1位の中国は1996年をピークに需要量が減少し、減産傾向にありましたが、これは中国政府が石炭需給バランスの確保と石炭価格の安定を目的に、小規模炭鉱を中心に違法な採掘を行っている炭鉱や赤字の炭鉱を閉山したためでした。しかし、2001年以降、国内消費の急拡大に応えるため、大幅に生産が伸びました。第2位のアメリカは石炭を石油に次ぐ重要なエネルギーと位置づけてきており、2000年代前半までは発電電力量の50%以上を石炭火力発電が担ってきましたが、2011年には競合する天然ガス価格の低下によって40%台にまで減少しています。他方、旧東ドイツ地域では、国産褐炭に一次エネルギーの70%を依存していましたが、1990年の両ドイツ統合後、効率が悪く環境負荷の高い褐炭の生産量は減少しました。

近年、インドネシアは、我が国をはじめ、韓国、台湾、中国、インド等アジア域内各国・地域への石炭輸出を拡大し、石炭の供給国としての存在感を増してきました。インドネシアでは、国営炭鉱と採掘権を持つ中小炭鉱により、小規模な生産が行われていましたが、1980年代初めに生産分与方式が導入されたことにより炭鉱開発に外国資本が参入し、1990年代に入り生産と輸出が拡大してきました。

【第222-1-19】世界の石炭生産量の推移

【第222-1-19】世界の石炭生産量の推移

【第222-1-19】世界の石炭生産量の推移(xls/xlsx形式:69.5KB)

(注)
2011年データは見込み値。
(出所)
OECD/IEA, Coal Information 2012をもとに作成

石炭消費の動向

2011年の世界の石炭消費量(褐炭を含む)は73億8,400万トンと推計されており(対前年比5.3%増)、そのうち、褐炭を除いた原料炭、一般炭及び無煙炭の消費量は63億4,800万トン(対前年比5.2%増)でした。

2011年の石炭消費の国別シェアは、中国(46%)、アメリカ(13%)の2カ国で世界の石炭消費量の半数以上(59%)を占めました。中国は1990年代後半から2000年台初頭にかけて石炭消費量の伸びが停滞しましたが、それ以後、石炭消費量を急激に増加させ、2011年の消費量は34億400万トンまで増加しました。我が国の2011年の石炭消費量は1億7,500万トンで、インド、ロシア、ドイツ、南アフリカに続き世界第7位(褐炭を除くと中国、アメリカ、インド、南アフリカに続き世界第5位)でした(第222-1-20)。

【第222-1-20】世界の石炭消費量の推移

【第222-1-20】世界の石炭消費量の推移

【第222-1-20】世界の石炭消費量の推移(xls/xlsx形式:62.5KB)

(注)
2011年データは見込み値。
(出所)
OECD/IEA, Coal Information 2012をもとに作成

石炭貿易の動向

2011年の世界の石炭輸出量(褐炭を含む)は11億4,200万トンと推計されました。2011年には石炭輸出国第1位の座を世界の輸出量の27.1%を占めたインドネシアが、初めてオーストラリアから奪いました。第2位のオーストラリアは世界の輸出量の24.9%を占め、次いでロシアが10.8%と続き、以下、アメリカ、コロンビア、南アフリカの順となりました。この上位6カ国で世界の石炭輸出量の84%を占めました。インドネシアの輸出量が順調に伸びているのに対して、中国では国内消費の急拡大により需給が逼迫したことから、2003年には世界第2位(9,400万トン)であった輸出量が2011年には第11位(1,350万トン)にまで減少しました(第222-1-21)。

一般炭と原料炭の輸出量についてみますと、2011年の一般炭輸出量は8億6,120万トン、原料炭輸出量は2億7,600万トンと推計されました。輸出国別では、インドネシアが一般炭の最大の輸出国で、世界の一般炭輸出量の35.9%を占め、次いでオーストラリアが16.7%、ロシアが12.7%、コロンビアが8.8%、南アフリカが8.3%と続きました。一方、原料炭の最大の輸出国はオーストラリアで、世界の原料炭輸出量の50.9%を占め、次いでアメリカ22.9%、カナダ10.0%、モンゴル7.3%と続き、これら4カ国で全体の9割以上を占めました。

オーストラリアが多くの石炭を輸出している理由としては、高品質の石炭が豊富に賦存すること、石炭の生産地が積出港の近くにあること、鉄道や石炭ターミナルのインフラが他の輸出国と比較して整備されていること、石炭消費の伸びが著しいアジア市場に近いこと等が挙げられます。

一方、輸入国としては我が国が2010年まで最大の輸入国でしたが、2011年には中国が1億9,050万トン(褐炭を含む世界の総石炭輸入量の17.3%)と推計され、石炭輸入量が第1位となりました。我が国の輸入量は1億7,540万トン(15.9%)、以下、韓国が1億2,920万トン(11.7%)、インド1億570万トン(9.6%)、台湾6,630万トン(6.0%)と続きました(第222-1-22)。

近年、中国、インド等アジア諸国では電力消費の増加に伴い石炭火力発電所での石炭消費が増加し、日本、中国、韓国、インド、台湾のアジアの5カ国で6億6,710万トン(褐炭を含む世界の総石炭輸入量の60%)の輸入(2011年)が見込まれました。特に、石炭消費の拡大が著しい中国では、2009年に輸入量が1億トンを超え、輸入量が輸出量を上回る純輸入国に転じました。

一般炭と原料炭の別に2011年について輸入国をみますと、一般炭は中国が我が国を抜いて最大の輸入国となりました。以下、一般炭輸入では日本、韓国、インド、台湾、ドイツ、英国と続きました。原料炭については我が国が最大の輸入国で、以下、中国、韓国、インド、ブラジル、ドイツと続きました。2011年の世界の主な石炭貿易フロー(褐炭を除く)をみますと、石炭が中国と我が国を中心とするアジア地域と欧州地域へ流れており、石炭市場はアジア市場と欧州市場の二つに大きく分かれていることが分かります(第222-1-23)。

【第222-1-21】世界の石炭輸出量(2011年見込み)

【第222-1-21】世界の石炭輸出量(2011年見込み)

【第222-1-21】世界の石炭輸出量(2011年見込み)(xls/xlsx形式:62.5KB)

(注)
【第222-1-23】の輸入統計と本輸出統計では、出所データが異なるため合計値が一致しない。
(出所)
OECD/IEA, Coal Information 2012をもとに作成

【第222-1-22】主要輸入国・地域における石炭輸入量(2011年見込み)

【第222-1-22】主要輸入国・地域における石炭輸入量(2011年見込み)

【第222-1-23】世界の主な石炭貿易(2010年見込み)(xls/xlsx形式:44KB)

(注)
【第222-1-22】の輸出統計と本輸入統計では、出所データが異なるため合計値が一致しない。
(出所)
OECD/IEA, Coal Information 2012をもとに作成

【第222-1-23】世界の主な石炭貿易(2010年見込み)

【第222-1-23】世界の主な石炭貿易(2010年見込み)

(注)
褐炭を除く。500万トン未満のフローは記載しておらず、青字は対前年比増、赤字は対前年比減を示している。
輸入側の「北米」には、メキシコを含める。中国の輸入量は「その他アジア」に含む。
(出所)
OECD/IEA, Coal Information 2012をもとに作成

石炭価格の推移

石炭取引における価格交渉では、いわゆるベンチマーク価格が、1980年代後半以降、世界的に参照価格として広く採用されてきました。これは最大の輸出国であるオーストラリアの石炭シッパー7と最大の輸入国である我が国の鉄鋼会社や電力会社との協議により決定される年間協定価格です。ベンチマーク価格方式では、代表的銘柄についてFOB価格を決め、その他の銘柄のFOB価格はベンチマーク価格を基準に品位の変動幅にスライドして決めていました(なお、一般炭については、熱量以外の品質差は基本的に加味しない、いわゆる熱量等価方式8でした)。

しかし、1996年度に入ると我が国の電力業界における規制緩和が一段と進んだため、電力事業者のコスト削減の一環として一般炭の競争入札が展開されるようになりました。その結果、一般炭のベンチマーク価格取引のウェイトは減少傾向に向かい始め、中部電力とオーストラリアの石炭シッパーの間で合意された1997年度価格が実質的に一般炭最後のベンチマーク価格となりました。1998年度以降、電力各社は各石炭シッパーと個別に交渉し、ベンチマーク価格に替わって独自の契約価格を設定するようになりました。

一方、原料炭は1996年度の価格交渉から、従来のベンチマーク方式からシッパー別、銘柄別に価格決定が行われることになりました。ちなみに1995年度までは、強粘結炭9についてはBHP社(現BHP Billiton Mitsubishi Alliance(BMA)社)のグニエラ炭の価格がベンチマークとされ、他銘柄もグニエラ炭の価格に合わせる仕組みでした。更に、2001年度からの価格交渉では、ロシア炭、中国炭等長期契約が続いている一部を除き、強粘結炭の共同商談がなくなり、準強粘結炭や非微粘結炭10と同様に鉄鋼各社が相対交渉するようになりました。

一般炭(日本向け長期契約ベース)FOB価格(以下、石炭価格については米ドル/トンをドルと表示する)は、2003年夏以降の世界的な石炭需給逼迫を受け2003年末から一般炭スポット価格が急騰し、その後も高止まりしたことから、2004年度、2005年度と上昇しました。更に2007年夏に世界最大の石炭輸出国であるオーストラリアニューサウスウェールズ州の石炭積出港を嵐が襲い、供給が滞ったことを発端に、スポット価格が上昇を続け、2008年度の価格は前年度を大幅に上回りました。2009年度の価格は一転して世界同時不況の影響を受け、前年度を大幅に下回りました。しかし、2010年度は経済情勢の回復を反映して、一般炭の価格は上昇に転じました。中国やインドが輸入を増やす中、一般炭需要の高まりは続き、2011年度には130ドルに迫る高値を記録しました。2012年度の価格は輸出国の供給力が増加しているのに対して、欧州の経済不安等から需要の伸びが鈍化し、値を戻しました(第222-1-24)。従来、長期契約ベースの一般炭価格の改定は、日本の会計年度に合わせて4月を契約開始日として1年間の固定価格で契約(複数年契約では2年目以降4月に価格の改定を実施)されていました。しかし、2000年頃からサプライヤー、ユーザー双方にスポット価格の変動によるリスクを回避する意識が働き、契約開始日を4月ではなく、7月、10月、1月といったようにずらす契約を行うようになってきました。

一方、原料炭価格も世界的な石炭需給の逼迫を受け、2005年度、2008年度、2010・2011年度に急上昇しました。2008年度においては、2008年1月から2月にかけて原料炭の輸出地であるオーストラリアのクィーンズランド州を襲った記録的な集中豪雨による炭鉱の冠水等のために生産や出荷が滞り、前年度比で3倍以上となる300ドルまで急上昇しました。一般炭と同様に、2009年度は世界同時不況の影響を受けて大幅に下落しましたが、2010年度は経済情勢の回復を反映し、原料炭価格も上昇に転じました。2011年度はクィーンズランド州を再度記録的な集中豪雨が襲い生産や出荷が滞ったことと輸入需要の高まりを背景に最高値を更新しました。2012年度の価格は2010年度のレベルに戻りましたが、欧州の経済不安等から原料炭需要が落ちたためと思われます。なお、2010年度からはオーストラリアの原料炭シッパーの要望を受けて、長期契約ベースの原料炭価格を四半期ごとに見直すようになりました。

電力用以外の一般炭の取引では、従来からベンチマーク価格を採用せずに、年度契約あるいは取引毎に価格を取り決めるスポット価格が一般的です。一般炭スポット価格は、市場原理に基づき決定され、ベンチマーク価格よりも先行する形で推移してきました(第222-1-25)。

石炭の価格と他の化石エネルギーの価格を同一の発熱量(1,000kcal)当たりのCIF価格11で比較すると、石炭の価格が原油、LNG、LPガスの価格よりも低廉かつ安定的に推移していることが分かります(第222-1-26)。

1980年代前半では石炭の価格優位性は非常に高いものでしたが、1986年度以降その価格差が縮小しました。しかし、1999年度以降再び価格差は増大し、石炭の優位性が増してきました。また、2004年度以降、原油価格の上昇に合わせて他の化石エネルギーの価格も上昇していますが、発熱量当たりのCIF価格で比較すると、石炭の上昇幅は他の化石エネルギーよりも小さくなりました。

【第222-1-24】我が国の輸入炭FOB価格の推移

【第222-1-24】我が国の輸入炭FOB価格の推移

【第222-1-24】我が国の輸入炭FOB価格の推移(xls/xlsx形式:90KB)

(注)
オーストラリア産日本向け長期契約ベースの石炭価格。
原料炭(強粘結炭):グニエラ炭などの強粘結炭の契約価格で代表させた。2010年度以降は年度始(各年4月)における改定価格。
一般炭:1997年度までがベンチマーク価格、1998~2002年度が参考価格、2003年度が東北電力(株)の長契更新価格、2004年度以降は電力各社の契約更新価格。
(出所)
2005年度まではBarlow Jonker(現Energy Publishing Inc)“Coal 2005”、2006年度以降は各種情報より作成

【第222-1-25】スポット価格とベンチマーク価格の関係

【第222-1-25】スポット価格とベンチマーク価格の関係

【第222-1-25】スポット価格とベンチマーク価格の関係(xls/xlsx形式:90KB)

(注)
長期契約改定価格 年度毎に更新されるオーストラリア産日本向け一般炭の長期契約をベースとしたFOB価格(4月改定価格)。
豪州産一般炭スポット価格 Energy Publishing Incが集計・発表するオーストラリア・ニューカッスル港出し一般炭スポットFOB価格(NEX Spot Index)の月平均。
(出所)
Barlow Jonker(現Energy Publishing Inc)“Coal 2005”、“Australian Coal Report”等をもとに作成

【第222-1-26】化石エネルギーの単位熱量当たりCIF価格

【第222-1-26】化石エネルギーの単位熱量当たりCIF価格

【第222-1-26】化石エネルギーの単位熱量当たりCIF価格(xls/xlsx形式:44.5KB)

(出所)
日本エネルギー経済研究所計量分析ユニット(EDMC)編「エネルギー経済統計要覧2013(財務省「日本貿易月表」)」より作成

2.非化石エネルギーの動向

(1) 原子力

原子力発電の推移

1951年、世界初の原子力発電がアメリカで開始されて以来、二度のオイルショックを追い風として世界各国で原子力発電の開発が積極的に進められてきましたが、1980年代後半からは世界的に原子力発電設備容量の伸びが低くなりました(第222-2-1)。

しかし、化石燃料資源を巡る国際競争の緩和や地球温暖化対策のため、原子力見直しの気運が高まっており、アジア地域では、着実に原子力発電設備容量が増加してきました。

アジア地域だけでなく、原子力発電所の新規建設が少ない欧米地域においても、出力増強や設備利用率の向上によって、発電電力量は増加傾向となってきました。2011年3月に発生した東京電力(株)福島第一原子力発電所事故を受けて日本の原子力発電電力量が減少したため、アジア地域の原子力発電電力量は減少していますが、他の地域の発電電力量は前年と大きな変化はありません(第222-2-2、第222-2-3)。

また、アメリカでは過去数年間にわたり設備利用率が向上してきました。更に、欧米諸国においては原子力発電所建設計画の進展がみられました。特に、フィンランドでは5基目の原子力発電所を建設中であり、フランスでも11年ぶりに1基を着工、またアメリカでは約30年ぶりとなる新規原子力発電所の建設が進んでいます。なお、ドイツと、日本では設備利用率が下落しています(第222-2-3)。

【第222-2-1】原子力発電設備容量(運転中)の推移

【第222-2-1】原子力発電設備容量(運転中)の推移

【第222-2-1】原子力発電設備容量(運転中)の推移 (xls/xlsx形式:69KB)

(出所)
日本原子力産業協会「世界の原子力発電開発の動向2012年版」

【第222-2-2】世界の原子力発電電力量の推移(地域別)

【第222-2-2】世界の原子力発電電力量の推移(地域別)

【第222-2-2】世界の原子力発電電力量の推移(地域別)(xls/xlsx形式:58.5KB)

(出所)
The McGraw-Hill Companies, NUCLEONICS WEEKをもとに作成

【第222-2-3】世界主要原子力発電国における設備利用率の推移

【第222-2-3】世界主要原子力発電国における設備利用率の推移

【第222-2-3】世界主要原子力発電国における設備利用率の推移(xls/xlsx形式:52.5KB)

(出所)
IAEA、Power Reactor Information System(PRIS)をもとに作成

各国の現状

ここでは、各国の現状について説明します(最近の動向については、第1部第2章第2節 参照)(第222-2-4)。

【第222-2-4】各国・地域の現状一覧

【第222-2-4】各国・地域の現状一覧

(注)
発電量・設備利用率は2011年時点。
(出所)
基数・発電能力:日本原子力産業協会「世界の原子力発電開発の動向2012年版」、発電量・設備利用率:IAEA, Power Reactor Information System(PRIS)
(ア) アメリカ

アメリカでは運転中の原子力発電所の基数が104基(合計出力1億632万kW)あり、その規模は世界一で、原子力発電により発電電力量の約19%を賄っていました(2011年)。また、平均設備利用率が88.9%(2011年)と順調な運転を続けてきました。近年では電力の自由化により競争が激化し、経済性が重視されるようになってきました。運転の効率化が進められた既存の原子力発電所は大量の電力を経済的に生産できることから、電力会社にとって貴重な資産と評価されるようになっており、運転期間(認可)の延長が行われてきました。更に、エンタジー社、エクセロン社等が、小規模な原子力発電所所有会社のプラントを買収する等、原子力発電所所有会社の再編が急速に進んできました。

アメリカでは、およそ30年間新規建設着工が途絶えていましたが、エネルギー省は、2002年2月、2010年までに原子力発電所の新規建設を行うことを目的とした「原子力2010」プログラムを発表しました。このプログラムに沿って、アメリカの複数の企業が原子力発電所の建設に向け、検討を開始しました。また、2005年8月に成立した原子力発電所の新規建設を支援するプログラムを含む「2005年エネルギー政策法」に基づいて、建設遅延に対する政府保険、減税、政府による債務保証制度が整備されました。

更に、ブッシュ大統領の一般教書演説(2006年1月)において、エネルギー対外依存度低減等のための「先端エネルギーイニシアティブ」を発表しました。エネルギー省は、同イニシアティブを具体化するためのプログラムとして「国際原子力エネルギー・パートナーシップ(GNEP)」を同年2月に発表し、これまでの直接処分一辺倒から核燃料サイクル開発も追求する路線へと政策転換しました。

このような原子力発電見直しの動きが活発化する中で、原子力発電所の新規建設に向け、2009年10月までに16件の建設・運転一体認可(COL)申請が米国原子力規制委員会(NRC)に提出されました。

東京電力(株)福島第一原子力発電所事故直後の2011年3月14日、エネルギー省高官は、前月に発表した2012会計年度のエネルギー省予算のうち、原子力発電所新設支援のための融資保証枠360億ドルは変更しない、と発言し、原子力政策の維持を表明しました。更に3月30日にオバマ大統領はエネルギー政策に関する演説を行い、そこで原子力の重要性に言及しました。このように、東京電力(株)福島第一原子力発電所事故直後の時期にあっても、基幹電源の一つとして原子力を使い続ける姿勢に変化はありませんでした。

この方針に沿って2012年2月9日にNRCはサザン社等によるジョージア州ボーグル発電所における新規原子炉建設計画の承認を決定し、2月13日にはエネルギー省が同計画への83億ドルの融資保証実施を決定しました。また、2012年3月30日には、サウスカロライナ電力・ガス社等によるサウスカロライナ州V.C.サマー発電所に2基の原子炉を建設する計画がNRCにより承認されました。一方で、2012年6月には、NRCが2010年7月に改定した「廃棄物保証規則」について、連邦巡回裁判所はNRCの主張を退け、「改定された廃棄物保証規則は無効」との判決を下したことを受け、NRCは廃棄物保証規則に対応するまでの間、原子力発電所の許認可発給を一時停止すると発表しました。

また、米国内でシェールガス開発が進み天然ガス価格が下落していることから、原子力発電の経済的競争力が低下しつつあり、経済性の観点から原子力発電所の閉鎖も発表されています。2012年10月にはドミニオン社のキウォーニー原子力発電所、2013年2月にはデュークエナジー社のクリスタルリバー3号機の閉鎖が発表されました。

(イ) 欧州

英国では、16基の原子力発電所が運転中で、発電電力量の約16%を賄っています(2012年)。2007年7月、英国政府は新しいエネルギー白書“Energy White Paper: meeting the energy challenge”を発表し、この中で政府は原子力発電所の新規建設に向けた政策面での支援方針を表明しました。更に2008年1月には、原子力発電所新規建設に向けた体制整備やスケジュール等を盛り込んだ原子力白書を発表しました。2011年7月には、英国下院において8カ所の原子炉新設候補サイトが示された原子力に関する国家政策声明書が承認されました。フランスでは、原子力発電所の基数が58基とアメリカに次ぐ世界第2位の原子力発電規模を有しており、発電電力量の約79%を賄っていました(2011年)。発電設備が国内需要を上回っているという状況から、近年、新規原子力発電所の建設発注は行われてきませんでした。しかし、2005年7月に制定された「エネルギー政策指針法」において、2015年頃までに既存原子力発電所の代替となる新規原子力発電所を利用可能とするため原子力発電オプションの維持が明記されたこともあり、フランス電力公社(EDF)は2006年5月、新規原子力発電所としてフラマンビル3号機(EPR)を建設することを決定しました。EDFはこのフラマンビル3号機について、2007年12月に着工しました。東京電力(株)福島第一原子力発電所事故後の2011年3月には、サルコジ大統領やジュペ外務大臣がフランスの原子力放棄はあり得ないなどと発言するとともに、2011年5月には国内一部政党から出されていた原子力段階的廃止やフラマンビル3号機の建設中断要求を大統領が一蹴する等、原子力政策堅持の姿勢を崩しませんでした。2012年5月の大統領選挙で新たに就任したオランド大統領は、2025年には原子力比率を現状の75%から50%まで低減するといった公約を掲げているものの、40年以上経つフェッセンハイム原子力発電所の閉鎖以外の長期の閉鎖スケジュールや建設・研究開発計画については明確な考えを示していません。また、オランド大統領の政権公約に従い、原子力への依存を低減し、再生可能エネルギーで代替するための具体的な方策を検討するための、エネルギー移行に関する議論が2012年11月より開始されました。方策は、2013年秋頃の成立を目指す、エネルギー計画に関する法律によって定められる予定です。

ドイツでは、原子力発電所の基数が9基で発電電力量の約18%を賄っていました(2011年)。2002年2月に成立した改正原子力法に基づき、当時運転中であった国内19基の原子炉を、2020年頃までに全廃する予定としていましたが、2009年9月の連邦議会総選挙において、「脱原子力政策」が見直され、2010年9月、原子力発電所の運転延長を認める法案が閣議決定され、電力会社は経営判断に基づき既設炉の運転延長を判断することができるようになりました。しかし、東京電力(株)福島第一原子力発電所事故直後の2011年3月27日に行われた州議会選挙で、脱原発を公約とした緑の党が躍進したことや、大都市で原子力発電所の運転停止を求めるデモが相次いだこと等により、連立政権も2011年4月には脱原子力を推進する立場へと転換しました。その後、国内17基の原子炉を段階的に廃止し、再生可能エネルギーとエネルギー効率改善により代替していくための法案が、6月30日に下院で、7月8日に上院で可決、7月31日の大統領署名を経て、8月1日から施行となりました。この政策変更により、8基の原子炉が即時閉鎖となりました。

欧州では、そのほか、スウェーデンで10基(発電電力量の約39%)、スペインで8基(同20%)、ベルギーで7基(同56%)、スイスで5基(同43%)、フィンランドで4基(同31%)オランダで1基(同4%)の原子力発電所が運転中です(2013年2月末時点。発電力量シェアのみ2011年時点)。

このうち、スウェーデンでは、1980年の国民投票の結果を踏まえて、原子力発電所を段階的に廃止することとされ、1997年には新設禁止を定めた原子力法が制定されました。それに基づき1999年12月にバーセベック1号機を、2005年5月に同2号機を閉鎖しました。しかしその後、原発廃止見直しの機運が高まり、2010年6月、新設禁止を定めた原子力法を改正し、国内10基の既設原子炉のリプレースを可能とする法案が議会で可決されました。これにより新規建設は法律上可能となりました。これまでは、電気事業者は既設発電所の出力向上に優先的に注力しており、正式な建設計画は提出されていませんでしたが、2012年7月、電気事業者よりリプレースのための調査を行うとの発表があり、規制当局に対してリプレース計画が申請されました。

ベルギーでは、2003年1月、脱原発法案が成立し、これに基づき、国内7基の原子炉は、建設から40年を経たものから順次閉鎖する予定となりました。一方2008年3月に発足した前・連立政権時には、専門家による検討を踏まえ、2009年10月に原子炉3基の運転期間を10年延長することを決定する等の動きもみられましたが、2011年10月末、新政権設立を目指す政党間で、2003年の脱原発法の基本方針を踏襲すること、運転期間の10年延長は撤回されることで合意されました。2012年7月4日、ベルギー政府は建設から40年を経たものから順次閉鎖との基本方針を踏襲し、ドール1号機、2号機を2015年に廃炉にすることを決定する一方で、国内最古の原子力発電所の一つであるチアンジュ1号機については10年延長(2025年まで運転)することを決定しました。

フィンランドでは、2003年12月、TVO社が同国5基目の原子炉としてアレバ社のEPR(160万kW級PWR)を選定し、オルキルオト3号機として2005年12月に着工しました(計画遅延により2016年以降運転開始の見込)。2010年7月には、議会がTVO社とフェンノボイマ社の新規建設(各1基)を承認しました。それを受け、TVO社は、2012年3月にオルキルオト4号機建設の入札手続きが開始され、2013年1月末にTVO社は5社(アレバ、GE日立、韓国水力原子力、三菱重工、東芝)から入札を受けました。また、フェンノボイマ社は2012年1月にピュハヨキ1号機建設の入札を行い、現在、炉型を選定している状況です。

イタリアでは、原子力発電の導入を主張していたベルルスコーニ政権が2008年に発足したことにより、再び原子力発電が計画されることとなり、2009年7月、上院で原子力エネルギー再導入に関する法案が承認されていました。しかし、東京電力(株)福島第一原子力発電所事故を受けて2011年6月に行われた国民投票の結果を踏まえ、原子力の再導入計画は撤回されています。

(ウ) アジア地域

中国では、15基の原子力発電所が運転中であり、発電電力量の約2%を原子力発電で賄っています(2013年2月末時点。発電力量シェアのみ2010年時点)。2007年の原子力発電中長期発展規則では、2020年までに40GWまで拡大する計画とされています。また、2011年3月に安全確保を前提条件としてより効率的な原子力開発を行う方針を示した「国民経済と社会発展第12次5カ年計画」を採択しました。この全体計画に基づき、2013年1月には「エネルギー発展第12次5カ年計画」が公表され、期間中に発電量を40GWへ拡大するとの目標が示されました。

台湾では、6基の原子力発電所が運転中であり、発電電力量の約17%を原子力発電で賄っています(2012年7月末時点。発電力量シェアのみ2010年時点)。2005年の「全国エネルギー会議」では、既存の三つのサイトでの原子力発電の運転と現在の建設プロジェクトの継続が確認されましたが、それ以降は原子力発電所の新規建設は行わず、既存炉が40年間運転した後、2018~2024年に廃炉するとの方針が示されました。東京電力(株)福島第一原子力発電所事故後も、その方針に変更はありません。

韓国では、23基の原子力発電所が運転中であり、発電電力量の約29%を原子力発電で賄っています(2013年2月末時点。発電力量シェアのみ2011年時点)。また4基が建設中です。

インドでは、20基の原子力発電所が運転中ですが、原子力発電の比率は発電電力量の約3%になります(2013年2月末時点。発電力量シェアのみ2010年時点)。電力需要が増大するなか、原子力に対する期待は高まってきました。2005年7月、米印両国政府は民生用原子力協力に関する合意に至り、2007年7月には両国間の民生用原子力協力協定に関する二国間協定交渉が実質合意に至りました。同協定は、原子力供給国グループ(Nuclear Suppliers Group: NSG)におけるインドへの原子力協力の例外化の決定や国際原子力機関(IAEA)による保障措置協定の承認、米印両国議会による承認等を経て、2008年10月に発効しました。この原子力供給国グループによる例外化の決定以来、インドは、アメリカの他、ロシア、フランス、カザフスタン、ナミビア、アルゼンチン、カナダ、英国、韓国といった国々と民生分野で原子力協力協定を締結しています。また、東京電力(株)福島第一原子力発電所事故以降も、電力需給の逼迫が続くインドでは、原子力発電の利用を拡大するとの方針に変化は見られません。

(エ) ロシア

ロシアでは1986年のチェルノブイリ原子力発電所事故以降、新規建設が途絶えていましたが、積極的に推進するようになり、2001年に新たな原子力発電所が運転を開始、2013年現在33基を運転中、10基を建設中です。

ロシア政府は、総発電電力量に占める原子力発電の割合を2030年までに25%に拡大することを目指しており、2006年7月に発表した連邦特別プログラム「2007年から2010年までのロシア原子力産業コンプレックスの発展及び2015年までの展望」では、2013年から毎年2基ずつのペースで運転開始する計画が示されました。しかしその後、2008年9月、ロシア政府は新たな連邦政府令「連邦プログラム 長期展望(2009年から2015年)に基づく国営公社『ロスアトム』の活動」を承認し、2006年決定の連邦特別プログラムは2009年1月をもって停止されるとともに、2008年9月政府令が施行されました。現時点ではそれ以降の新たな修正プログラムの提出及び政府承認に関する情報は確認されていません。また、2006年1月、プーチン大統領は、核燃料サイクルサービスを提供する「国際センター」設立構想を発表しましたが、これはウラン濃縮及び再処理に関する機微技術及び施設を自前で保有することを断念した国に対し、国際センターがIAEAの管理下で、無差別かつ合理的な商業条件で、濃縮及び再処理のサービスを提供するものでした。2010年3月、IAEAとの間で、この核燃料国際センター計画が正式に承認されました。

更に、国内の原子力産業の再編も進めており、2007年12月には、プーチン大統領が「ロスアトム原子力国営公社設置法」に署名すると共に、同年3月には連邦原子力庁「ロスアトム」を廃止し、原子力国営公社「ロスアトム」に移転する命令に署名をしました。この結果、ウラン探鉱・採掘、燃料加工、発電、国内外での原子炉建設等民生原子力利用に関して国が経営権を完全に握っていたアトムエネルゴプロム(2007年2月設立)はロスアトム社の傘下に入ることになりました。

2011年3月、ロスアトム社キリエンコ総裁及びシュマトコ エネルギー大臣は、東京電力(株)福島第一原子力発電所事故の如何に関わらず、原発開発をスローダウンする意向はないと表明しています。

核燃料サイクルの現状

(ア) ウラン資源

ウラン資源は世界的に広く分布しており、2011年時点では、カナダ、オーストラリア、カザフスタン等が埋蔵量、生産量ともに上位を占めています(第222-2-5、第222-2-6)。

ウラン価格(スポット価格)は、1970年代、特に第一次オイルショック後の原子力発電計画の拡大を受けて上昇しましたが、スリーマイル島事故、チェルノブイリ事故を受けて新規原子力発電建設が低迷したことから下落し、低価格で推移してきました。近年、ウラン価格は再び上昇をみせており、一時2007年には136USドル/lbU3O8まで上昇し、2011年3月時点でも60USドル/lbU3O8を超える高値となりました。東京電力(株)福島第一原子力発電所事故後、若干の下落傾向をみせたものの、比較的安定した価格で推移しています(第222-2-7)。

これは解体核高濃縮ウランや民間在庫取り崩し等の二次供給の減少や、中国等によるウラン精鉱の大量購入等から需給逼迫が懸念され、世界的なウラン獲得競争が激化したことと、投機的資金の一部がウランスポット取引市場に流入したことに起因したと考えられています。

【第222-2-5】世界のウラン生産量(2011年)

【第222-2-5】世界のウラン生産量(2011年)

【第222-2-5】世界のウラン生産量(2011年)(xls/xlsx形式:63.5KB)

(出所)
世界原子力協会(WNA)ホームページ(http://www.world-nuclear.org

【第222-2-6】世界のウラン確認可採埋蔵量(2010年)

【第222-2-6】世界のウラン確認可採埋蔵量(2010年)

【第222-2-6】世界のウラン確認可採埋蔵量(2010年)(xls/xlsx形式:62KB)

(注)
1.ウラン確認埋蔵量とは260米ドル/kgU以下のコストで回収可能な確認埋蔵量
2.世界のウラン需要量は約6.4万トンU(2010年)
(出所)
OECD/NEA-IAEA, URANIUM2011をもとに作成

【第222-2-7】ウラン価格(U3O812の推移

【第222-2-7】ウラン価格(U3O8)12の推移

【第222-2-7】ウラン価格(U3O8)の推移(xls/xlsx形式:73KB)

(出所)
International Monetary Fund, Uranium price
(イ) ウラン濃縮

世界のウラン濃縮事業は、2011年時点で、ロシアのTENEX、フランスのAREVA、英国・オランダ・ドイツの共同事業体URENCO、アメリカのUSECの4社で90%以上のシェアを占めています。

我が国のウラン濃縮事業は遠心分離法を採用しており、その許可上の設備規模は、2011年時点で、年間1,050トンSWUでした。

(ウ) 再処理

フランス及び英国では、自国内で発生する使用済燃料の再処理を実施するとともに、海外からの委託再処理も実施してきました。フランスAREVA NC社(旧COGEMA社)は、海外からの委託再処理を行うためのUP3(処理能力:1,000トン・ウラン/年、操業開始:1989年)及びフランス国内の使用済燃料の再処理を受け持つUP2-800(処理能力:1,000トン・ウラン/年、操業開始:1994年)の再処理工場をラ・アーグに有しています(ただし、UP3及びUP2-800における処理能力の合計は、1,700トンHM/年に制限されています)。

英国原子力デコミッショニング機関(NDA)はセラフィールド施設及び海外からの委託再処理を行うためTHORP(処理能力:900トン・ウラン/年、操業開始:1994年)の再処理工場をセラフィールドに有しています。

(エ) プルサーマル

海外では既に相当数の実績があり、フランス、ドイツ、アメリカ、スイス等10カ国で、1960年代から2009年12月末までに、56基の発電プラントにおいて、MOX燃料の装荷体数で約6,552体が使用されました。例えばフランスでは、約3,214体、ドイツでは約2,458体のMOX燃料が軽水炉で利用されました。また、MOX燃料加工施設は、フランス、ベルギー、英国で既に稼働しています。

(オ) 高レベル放射性廃棄物の処分

海外では、各国の政策により使用済燃料を直接処分する国と、使用済燃料の再処理を実施し、高レベル放射性廃棄物をガラス固化体として処分する国があります。高レベル放射性廃棄物は海外のほとんどの国で深地層に処分する方針が採られており、処分の実施主体の設立、処分のための資金確保等の法制度が整備されるとともに、処分地の選定、必要な研究開発が積極的に進められてきました(第222-2-8)。

【第222-2-8】高レベル放射性廃棄物処分に関する状況

【第222-2-8】高レベル放射性廃棄物処分に関する状況

(注1)
2002年7月に処分地として決定したが、2010年3月、DOEはNRCに許認可取り下げを申請。2012年1月にはブルーリボン委員会が使用済燃料及び高レベル放射性廃棄物の管理・処分に係る安全かつ長期的な解決策のための包括的な提案を示した最終報告書を発表している。2013年1月にDOEは「使用済み燃料及び高レベル放射性廃棄物の管理・処分戦略」を公表し、2048年までに地層処分場を建設する等の新たな処分戦略を発表。
(注2)
2001年5月に処分地として決定。
(注3)
2009年6月に処分候補地であるオスカーシャム、フォルスマルクから選定。
(注4)
ビュール地下研究所近傍より選定される予定。
(注5)
処分場のサイト選定は、原子力令に従って策定された特別計画「地層処分場」に基づいて3段階で進められている(期間は2008年から2019年までを予定)。その第1段階として、2011年11月末に高レベル廃棄物の処分場の「候補サイト区域」3カ所が正式に選定された。引き続き、第2段階として社会経済的影響に関する調査等を通じ、候補サイトの選定が行われている。
(注6)
カンブリア州と同州内の2市がサイト選定プロセスへの関心表明を行っていたが、2013年1月にカンブリア州議会がサイト選定プロセスからの撤退を議決。2市の議会はプロセスへの継続参加に賛成していたが、州と市の両方のレベルでの同意が必要であるため1州2市はプロセスから撤退することとなった。英国政府は、新たな自治体による関心表明の募集を継続するとしている。
(出所)
(財)原子力環境整備促進・資金管理センター「諸外国における高レベル放射性廃棄物の処分について」より作成(http://www2.rwmc.or.jp/overseas/
(a)アメリカ

1987年の関連法の改正によりネバダ州ユッカマウンテンが処分場の候補として選定され、米国エネルギー省(DOE)によって、処分場に適しているかどうかを判断するための調査が1988年から実施され、2001年に報告書がまとめられました。2002年には、DOE長官が大統領にユッカマウンテンを処分サイトとして推薦し、大統領はこれを承認し、連邦議会に推薦しました。その後、ユッカマウンテンを処分場に指定する合同決議案が連邦議会両院で承認され、大統領がこれに署名し、ユッカマウンテンが処分場として選定されました。DOEでは、2020年の処分場操業開始を目途として、2008年6月にDOEは、処分場建設のための許認可申請を原子力規制委員会(NRC)へ提出し、2011年3月現在、安全審査中です。しかし2009年2月にオバマ政権が示した予算方針において、ユッカマウンテン関連予算は許認可手続のみに必要な程度のレベルに削減し、高レベル放射性廃棄物処分の新たな戦略を検討する方針が示されました。2010年3月、DOEは許認可申請の取下げ申請書をNRC(原子力規制委員会)に提出しましたが、NRCのASLB(原子力安全・許認可委員会)は取り下げを認めない決定を行いました。NRC委員による投票も賛否同票で割れており、現在もASLBの決定が有効となっています。また、DOEは代替方策を検討するために特別委員会(ブルーリボン委員会)を設置(2010年1月)して検討を行い、2012年1月に最終報告書が発表され、八つの勧告が示されました。2013年1月にはDOEが「使用済み燃料及び高レベル放射性廃棄物の管理・処分戦略」を公表し、ブルーリボン委員会の最終報告書で示された基本的な考え方に沿った実施可能な枠組みが示されています。具体的には、2021年までにパイロット規模の中間貯蔵施設の立地、設計と許認可、建設と操業を開始し、2025年までにより大規模な中間所蔵施設を建設、2048年までに地層処分場を実現できるように処分場のサイト選定とサイト特性調査を進める、というものです。

(b)フィンランド

フィンランドでは、1983年よりサイト選定が開始され、1999年に処分実施主体であるポシヴァ社がオルキルオトを処分予定地として選定し、国に申請が提出されました。2000年に地元が最終処分地の受け入れを承認し、2001年にオルキルオトを処分地とすることが国会で承認されました。2012年12月28日、ポシヴァ社は雇用経済省へ最終処分場の建設申請書を提出しました。建設許可発給は2014年末まで検討される予定です。申請が許可された場合、次の段階として政府による操業許可発給が必要となります。

(c)スウェーデン

スウェーデン核燃料・廃棄物管理会社(SKB)が、1993年から8カ所におけるフィージビリティ調査を行い、2000年11月に3カ所(エストハンマル、オスカーシャム、ティーエルプ)への絞り込みを経て2002年から自治体の承認をえられた2カ所(エストハンマル、オスカーシャム)においてサイト調査が行われてきました。SKBは、2020年頃の初期操業及び2020年代後半の本格操業を目途に、上記2カ所でのサイト調査結果評価の候補地選定を進め、2009年6月、エストハンマル地区のフォルスマルクを最終処分場予定地として選定しました。SKBはこの決定を踏まえ、2011年3月に処分場の立地・建設の許可申請を行いました。また、この許可申請の際に提出された安全評価書(SR-Site)について、経済協力開発機構/原子力機関(OECD/NEA)による国際ピアレビュー報告書が2012年6月に発表され、SKBによる評価は妥当であるとの結果が示されました。また、同年10月には、SKBが提出した処分場の環境影響評価書について、スウェーデン放射線安全機関(SSM)は補足が必要との検討結果を公表しました。

(d)フランス

フランスでは、1991年に放射性廃棄物管理研究法が制定され、地層処分、核種分離・変換、長期地上貯蔵の三つの管理方法の研究が15年間を期限として実施されました。地層処分については、放射性廃棄物管理機関(ANDRA)によって、1999年12月から粘土質岩ビュール地下研究所の建設・研究が行われてきました。政府は2006年に三つの管理方法に関する研究成果を総合的に評価しました。これらをもとに2006年6月には可逆性のある地層処分に向けて「放射性物質及び放射性廃棄物の持続可能な管理計画法」が制定され、2014年に処分場の設置許可申請、2025年に処分場の操業を開始することが定められました。ANDRAは、ビュール地下研究所を含む250km2の区域から30km2の候補サイト区域を政府に提案し、2010年3月の政府の了承を経て、同区域の詳細調査を開始しています。2013年に公開討論会の開催が予定されており、その後処分場の設置許可申請がなされることとなります。

(2) 再生可能エネルギー

太陽光発電

太陽光発電については、世界全体(IEA諸国)で約6,400万kW(2011年)が導入されています13。太陽光発電の導入量は、2004年までは日本が世界最大でしたが、ドイツ及びスペインで高額、且つ長期間に亘る固定価格買取制度(フィードイン・タリフ)が実施されたことにより、両国での導入量が急速に拡大してきました。しかし、固定価格買取制度における高い買取り費用は最終的に消費者に転嫁される仕組みとなっていることから、2013年のドイツの平均家庭における年間負担は19,500円/年になるなどのマイナス面も目立ち始めています。(第222-2-9)。

太陽光発電の導入拡大と相まって、太陽電池産業の発展に注目が高まっています。太陽電池生産において日本メーカーはこれまで世界市場で大きなシェアを占めてきましたが、近年では、中国や台湾といった新興国メーカーの躍進が目立ってきました。一方で、太陽電池価格の下落も進んでいることから、有力メーカーの倒産も相次ぎました。このような状況のなか米国が、中国が行う太陽電池に対する補助金に対し、相殺関税を設けました。さらに中国が同相殺関税に対しWTOへ提訴するなど、太陽電池を巡る国際摩擦が増えています。なお、日本もEUとともに、カナダのオンタリオ州の固定価格買取制度における州産品優遇措置を提訴し、WTOは同措置がWTOの関税及び貿易に関する一般協定等に違反とするとの日本の主張を認めています。

【第222-2-9】世界の太陽光発電の導入状況(累積導入量の推移)

【第222-2-9】世界の太陽光発電の導入状況(累積導入量の推移)

【第222-2-9】世界の太陽光発電の導入状況(累積導入量の推移)xls/xlsx形式:42KB)

(出所)
IEA PVPS 2012より作成

風力発電

世界の風力発電設備容量は、近年急速に増加し、2億8,248万kW(2012年)に達しました(第222-2-10)。2012年時点において導入が最も進んでいるのは中国で、世界の26.7%を占め、次いでアメリカ(21.27%)となっています。この両国が世界に占める割合は2011年の46.0%から48.0%に高まっています。

また近年は、洋上風力発電の市場も急速に拡大しています。2012年までに世界で合計541万kWが設置されています。とりわけ、洋上風力に注力しているのは英国で、累積導入量の54.5%を占めています。2012年の1年間に設置された洋上風力発電12.9万kWのうち、英国が85.4万kW(66.1%)、ベルギーが18.5万kW(14.3%)、中国が12.7万kW(9.8%)と個の3カ国で90%を占めています。

【第222-2-10】世界の風力発電の導入状況

【第222-2-10】世界の風力発電の導入状況

【第222-2-10】世界の風力発電の導入状況(xls/xlsx形式:42.5KB)

(出所)
Global Wind Energy Council(GWEC)資料より作成

バイオマス

バイオマスについては、世界全体では、2010年時点で一次エネルギー総供給の約10%と大きな割合を占め、先進国(OECD諸国)平均では4.5%、開発途上国(非OECD諸国)平均では14.5%と多く消費されてきました。アメリカや欧州等の先進国では、気候変動問題への対応といった観点からバイオマス導入を政策的に推進する国が多くなってきました(第222-2-11)。

特に、交通部門における化石燃料依存の軽減及び、温室効果ガス排出の抑制を目指し、バイオ燃料の利用を促進するための政策が打ち出されました。例えばEUでは、2020年までに交通部門における燃料利用のうち10%程度をバイオ燃料(及び再生可能エネルギー利用電気等)とする目標を掲げました。しかしながら、バイオ燃料の主たる原料は、サトウキビやトウモロコシといった食糧であるため、バイオ燃料の急激な増大は、食糧価格の高騰など、深刻な影響を与える可能性が指摘されました。さらに、バイオ燃料生産のために、森林や熱帯雨林を伐採して耕地とする動きが拡大しかねないとの見方もありました。このため、バイオ燃料の生産・消費による自然環境や食糧市場への影響を抑えるための持続可能性基準(LCAでの温室効果ガス削減効果等)の策定や国際会議での検討が進められてきました。また、食糧以外の原料(稲わらや木材等のセルロース系原料、藻類等)を用いたバイオ燃料開発への取組が進められてきました。近年は、世界の石油メジャーも次世代バイオ燃料の開発に力を入れており、アメリカのシェブロン等が藻類のバイオ燃料開発に関するベンチャー企業に投資する等の活動を行っている。

なお、開発途上国のバイオマス利用には薪や炭といったものが含まれています。今後開発途上国では、経済の成長にともなって灯油、電気、都市ガスといった商業エネルギーの利用が増え、バイオマスの比率は低下することが考えられます。

【第222-2-11】世界各地域のバイオマス利用状況(2010年)

【第222-2-11】世界各地域のバイオマス利用状況(2010年)

(注)
中国の値は香港を含む。
(出所)
IEA, Energy Balances 2012より作成

水力

世界の水力発電設備は2010年時点でおよそ9億6,338万kWであり、世界の総発電設備の約2割を占め、水力による発電設備が多い国は、中国、アメリカ、カナダ、日本等でした。国内の総発電設備に対する割合は、ノルウェーで最も高く、発電設備容量の95.5%(2009年)にのぼりました(第222-2-12)。

先進国においては、大規模ダム開発は頭打ちとなっている一方、中国では、水力発電の設備容量は年々拡大してきました(第222-2-13)。建設が進められていた世界最大規模の三峡ダム発電所(18.2GW)は、予定よりも一年早く2009年2月に完成し、中国の水力発電設備容量がさらに拡大しました。

【第222-2-12】世界の水力発電設備(2010年)

【第222-2-12】世界の水力発電設備(2010年)

【第222-2-12】世界の水力発電設備(2010年)(xls/xlsx形式:42.5KB)

(注)
2010年はノルウェー及びインドのデータ不明。2010年のその他は2009年の世界計実績値より算定。
(出所)
(一社)海外電力調査会「海外電気事業統計」2007年版~2012年版、日本は「エネルギー・経済統計要覧2013」日本エネルギー経済研究所をもとに作成

【第222-2-13】中国の水力発電設備導入の推移

【第222-2-13】中国の水力発電設備導入の推移

【第222-2-13】中国の水力発電設備導入の推移(xls/xlsx形式:43.5KB)

(出所)
(一社)海外電力調査会「海外電気事業統計2012年版」をもとに作成

地熱

地熱による発電は、世界で1071.0万kWが導入されてきました(2010年)。設備容量が最も大きいのはアメリカで、合計308.6万kWが設置されました。次に高い設備容量を有するのがフィリピンで、国内の発電設備総量(2008年)の12.1%を占めました。インドネシア、ニュージーランド及びアイスランドでは、2005年以降、設備容量が大幅に増大しました。また、アイスランド及びグアテマラでは、国内の発電設備に占める地熱発電の割合が2割以上となりました(第222-2-14)。日本ではおよそ50万kWが設置されましたが、過去5年間の設備容量はほとんど変化していません。一方、欧州では地熱を利用できる地域が少なく、イタリアやポルトガルの一部等に限られています。

【第222-2-14】世界の地熱発電設備(2010年)

【第222-2-14】世界の地熱発電設備(2010年)

【第222-2-14】世界の地熱発電設備(2010年)(xls/xlsx形式:36.5KB)

(出所)
国際地熱協会(International Geothermal Association)
1
GTL(Gas to Liquid)とは、天然ガスを化学反応によって常温で液体の炭化水素製品に転換したものを指します。主に輸送用の燃料として用いられます。
2
DME(Di-Methyl Ether)とは、GTL同様、天然ガスを原料として生産される炭化水素製品ですが、常温では気体です。但し、比較的低い圧力で液化するので液化石油ガス(LPG)などと同様に扱われます。現在はスプレー用のガスとして用いられることが多いですが、今後輸送用の燃料としても用いられることが期待されています。
3
コンバインドサイクル発電とは、ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせた発電方式です。
4
アメリカ国内のガス取引価格の指標となっている、ルイジアナ州にある天然ガスのパイプラインの接続地点(ハブ)の呼び名。ヘンリーハブ価格を元に日本のLNG輸入価格との比較を行う場合には、天然ガスの液化・再ガス化コストやLNG船舶輸送コスト等を考慮する必要がある。
5
Free On Board価格の略称で積地引渡し価格を指します。
6
石炭の根源植物が石炭に変質する過程を一般に石炭化作用と呼び、この進行度合を石炭化度と言います。石炭は、石炭化度により無煙炭、瀝青炭、亜瀝青炭、褐炭、亜炭、泥炭に分類されますが、日本では一般に無煙炭から褐炭までを石炭と呼んでいます。
7
石炭シッパー:石炭出荷主のこと。
8
熱量等価方式:基準とする発熱量の一般炭の価格をベースに、取り引きされる一般炭の発熱量に応じて、その価格を定める。
9
強粘結炭:強固なコークスを作る際に必要な石炭。原料炭の一種。
10
非微粘結炭:コークスに適した性質である軟化溶融や固化する性質の弱い石炭。原料炭の一種。
11
CIF価格:CIFは、Cost, Insurance and Freightの略。積荷である石炭の積出し地での価格に、運賃や船荷保険料を加えた価格。
12
U3O8(三酸化ウラン):ウラン鉱石を精錬したもので、ウラン精鉱。イエローケーキとも呼ばれる。
13
IEA PVPS2011による。