第1節 エネルギー・環境分野における国際協力の強化

1.アジア協力の推進

(1)二国間協力

日中関係

急速な経済発展を遂げる中国は世界第2位のエネルギー消費国であり、エネルギー需要は2030年までに現在の約2倍に増加すると見込まれています。中国のエネルギー需給の安定は、日本のエネルギー安全保障にとっても重要な課題です。

このような情勢を踏まえ、日中両国のエネルギー事情や政策等に関する共通認識を醸成するとともに、エネルギー分野における協力事業の検討を行う場として、「日中エネルギー閣僚政策対話」、「日中省エネルギー環境総合フォーラム」「日中エネルギー協議」等を開催してきました。直近では、2011年11月に北京にて、「第6回日中省エネルギー・環境総合フォーラム」が開催され、日本側から枝野経済産業大臣、中国側から張平国家発展改革委員会主任をはじめ、両国の官民関係者合わせて1,000名を超える参加者があり、本フォーラムでは過去最多となる51件の協力案件が調印されました。この中で、枝野大臣と張平主任の間で覚書を交換し、省エネルギー・再生可能エネルギーの利用による省資源・省エネルギー型社会システムの構築を目指すことに合意しました。このほか、省エネルギー分野に加えて、スマートグリッドやスマートコミュニティ分野の協力案件も増加しました。2006年5月の第1回開催以降、累計で171件の案件が調印されたことになり、ビジネスベースでの日中省エネルギー・環境協力が着実に拡大しています。

更にエネルギーの個別分野の中で、2008年6月18日に、東シナ海を平和・協力・友好の海とするとの首脳間の共通認識を実現するための第一歩として、境界画定が実現するまでの過渡的期間において、双方の法的立場を損なわないことを前提とした協力についての合意が成立しました。この合意を実施するための国際約束を締結するため、2010年7月に第1回東シナ海資源開発に関する国際約束締結交渉が行われましたが、現在中断しており、我が国としては、交渉の早期再開を中国側に働きかけました。

石炭の分野では、我が国炭鉱技術移転のための専門家の派遣や研修生受入れを実施しました。また、石炭火力発電所のエネルギー効率向上・環境改善に関する協力では、第6回日中省エネルギー・環境総合フォーラムにおいて石炭/火力発電分科会を開催し、高効率石炭火力発電や低炭素・資源循環型炭鉱地域の形成について意見交換を実施しました。

更に、原子力分野では、原子力の安全確保は世界共通の課題であることから、我が国としても積極的に国際協力を進めており、原子力安全規制機関のスタッフ、原子力発電所の運転管理者等を対象とした原子力安全に関する研修及び現地セミナー等を実施しました。

日インド協力

インドは、米中露に次ぐ世界第4位のエネルギー消費国であり、2030年には、エネルギー需要が現在の約2倍に増加すると見込まれています。エネルギー資源の安定供給確保とエネルギー効率化の向上は両国の経済発展にも直結する重要な政策課題になっています。

こうしたことから、我が国とインドとの間では、エネルギー分野における両国の協力拡大を図る観点から、閣僚級の枠組みである「日印エネルギー対話」を立ち上げ、2011年現在、両国閣僚の相互訪問により、計4回の対話を実施しました(第1回は2007年4月、第2回は2007年7月、第3回は2008年9月、第4回は2010年4月開催)。

この対話では閣僚対話に加え、省エネルギー、石炭・電力、再生可能エネルギー、石油・天然ガス及び原子力分野での協力に関するワーキング・グループを設置のうえ、エネルギー・経済産業の観点から、専門家による幅広い情報、意見交換も実施しました。

石炭の分野では、3カ所の石炭火力発電所へ我が国の専門家を派遣し、設備診断・助言事業を実施したほか、クリーンコール技術交流事業において我が国専門家の派遣及び相手国技術者等の招聘研修を実施しました。また、2011年12月には、野田総理大臣が訪印し、シン首相と会談を行いました。会談では、レアアース及びレアメタルの重要性を認識しつつ、日本とインドの企業が、レアアースの共同生産・輸出に向けて連携していくことを確認しました。

日・インド両政府は、2010年6月に日・インド原子力協定締結交渉を開始しました。

日ベトナム協力

ベトナムは石炭、石油・天然ガス資源を豊富に保有する資源国であり、日本にとって良質な無煙炭の重要な供給国です。現在、両国間においては、第六次電力マスタープランの実現に向けた協力、石油・天然ガス開発、日ベトナム共同での石炭地質構造調査、石炭・鉱物資源対話の開催、原子力発電導入、省エネルギー促進のための長期専門家の派遣、受入研修等、多岐の分野にわたる協力関係が進展しました。特に、電力の安定供給の観点から、ベトナムは原子力発電の導入を積極的に検討しており、初号機を2015年までに着工、2020年までに運転開始を目指していました。

我が国とのエネルギー協力については、原子力発電導入、省エネルギー、石炭・鉱物資源、石油・天然ガス開発等の分野での協力等が進みました。原子力分野については、2010年10月の日越首脳会談で、ベトナム・ニントゥアン省原子力発電所第2サイト建設について、我が国を協力パートナーとすることで一致し、翌2011年10月の日越首脳会談では、日本企業による今後の協力の大枠を定める文書を作成しました。また、日・ベトナム原子力協定は2012年1月に発効しました。

石炭の分野ではVINACOMIN(国営石炭鉱物工業グループ)と共同で地質構造調査や我が国炭鉱技術移転のための専門家の派遣や研修生受入れ、我が国のクリーン・コール・テクノロジーを移転するための技術者招聘研修を実施しました。また、ベトナムから日本への無煙炭の安定供給の確保のため、2007年以降、これまで2回の政策対話を実施しました。

鉱物資源分野では、2011年10月の日越首脳会談で「日本国政府とベトナム社会主義共和国政府間のベトナム社会主義共和国でのレアアース産業発展に関する取決」にズン首相と野田総理大臣の首脳間で署名を行いました。

日ASEANにおける協力

日・ASEAN エネルギー協議を2000年度から毎年開催し、2011年9月に第12回協議を開催しました。本協議では、日本のエネルギー政策の動向及びASEAN 各国のエネルギー需給見通しについて情報交換を行うとともに、省エネルギー協力、エネルギーデータ整備協力等について議論を行いました。具体的には、以下の技術協力を実施しました。

(ア)エネルギー供給セキュリティ計画(ESSPA)

ASEANエネルギー需給見通しと石油・ガスの供給潜在量に係る協力、CLMV諸国(カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナム)へのエネルギーデータ整備に関する研修、ASEANエネルギー需給統計整備全般に関する実務者会合等を実施しました。

(イ)エネルギー効率及び省エネルギー推進(PROMEEC)

ASEANにおける省エネビルの評価や、エネルギー多消費産業における省エネ評価に係るガイドラインの策定やデータベースの構築等を通じて、省エネ技術の普及促進を図るほか、ビル・産業双方に係るエネルギー管理基盤整備のためのASEANエネルギー管理システムの策定に向けた活動を実施しました。

日モンゴル協力

モンゴルは石炭やウラン等鉱物資源の埋蔵が確認されており、今後資源の供給国として期待されています。我が国企業の資源確保や投資の促進を目的として、2007年に日本モンゴル鉱物資源開発官民合同協議会を設置し、2011年12月に第5回目の協議会を開催しました。協議会では、松下経済産業副大臣及びアリオンサンエネルギー・鉱物資源副大臣の他、両国政府機関及び民間企業から100名超が参加し、石炭を始めとする鉱物資源開発について意見交換が行われました。また、原子力分野では、2009年7月に資源エネルギー庁とモンゴル原子力エネルギー庁間で署名した原子力分野に関する協力文書に基づき、2010年に引き続き2011年11月にモンゴル原子力エネルギー庁の5名を招聘し、研修を実施しました。

日ブラジル協力

ブラジルでは、現在2基の原子炉が運転中であり、今後、数基の原子力発電所の建設が計画されています。

日ブラジル両政府は、2011年1月より、日・ブラジル原子力協定締結交渉を行っています。

日インドネシア協力

インドネシアは、日本にとって最大の天然ガス輸入相手国の一つであるのと同時に、有数の原油及び石炭の輸入相手国になりました。我が国への安定供給を目指し、日本の資源開発企業や商社がインドネシアの多くの上流開発プロジェクトや液化天然ガス(LNG)プロジェクトに参画しました。また、2009年から日尼石炭政策対話を開催し、2011年5月の第3回日尼石炭政策対話では低品位炭の多目的利用と石炭火力の高効率化に係る協力を表明したほか、インドネシア政府と共同で地質構造調査や、我が国炭鉱技術移転のための専門家の派遣、我が国のクリーン・コール・テクノロジーを移転するための技術者招聘研修を実施しました。更に、省エネルギーの促進に向けた専門家派遣、研修生受入れ等による人材育成面での支援やモデル事業を実施しました。

我が国はインドネシアに対し、原子力発電導入のため、核不拡散、原子力安全等に関する制度整備への支援のために我が国専門家の派遣やセミナー開催等の支援事業を実施しました。2007年8月には、安倍総理大臣がインドネシアを訪問してユドヨノ大統領等と会談し、LNG の安定供給やインドネシアの原子力発電の導入を始めとするエネルギー分野での協力について議論が行われました。

2010年1月には、直嶋経済産業大臣がインドネシアにて開催された日インドネシア経済合同フォーラムに出席し、ダルウィンエネルギー・鉱物資源大臣と会談しました。その中で直嶋経済産業大臣より両国の局長級による、包括的なエネルギー政策対話の場として「日尼エネルギー政策対話」の立ち上げを提案し、両国の協力関係を強化していくことで一致しました。2010年5月に「日尼エネルギー政策対話」の第1回会合が資源エネルギー庁審議官とインドネシア政府幹部との間で実施され、両国双方の資源・エネルギー分野における関心事項について意見交換を実施しました。

2011年2月に松下経済産業副大臣がインドネシアを訪問した際は、エネルギー鉱物資源省幹部と会談を行い、副大臣より、局長級政策対話の実施、電力分野を中心とした人材育成、技術移転等包括的な支援策の推進等多岐にわたる両国間のエネルギー協力にふれつつ、天然ガス分野におけるマハカム鉱区の早期延長承認、高効率石炭火力発電所国際入札案件への日本企業受注に向けたトップセールスを行い、これらを通じた両国のwin-win 関係構築への意欲を表明しました。

その後、2011年5月には、上述の両国局長級による第2回日尼エネルギー政策対話をバリ島で開催、資源エネルギー庁審議官が出席のうえ、ダルウィン・エネルギー鉱物資源大臣及びインドネシアエネルギー関係者との間で両国間のエネルギー協力について議論を行いました。

また、鉱物資源分野では、2011年9月に枝野経済産業大臣がインドネシアを訪問した際に、ブディオノ副大統領、ハッタ経済調整大臣、ヒダヤット工業大臣、マリ商業大臣と会談し、新鉱業法についての意見交換を行い、鉱石の輸出が継続できるよう、要請を行いました。

(2)多国間協力

ASEAN+3・東アジア地域における協力

ASEAN及び日中韓(ASEAN+3)では、第1回のエネルギー大臣会合が2004年6月9日にマニラ(フィリピン)で開催され、「アジア・エネルギー・パートナーシップ」の構築に向けて、エネルギー安全保障の強化及び持続可能性を共通目標とし、石油備蓄、石油市場、天然ガス、再生可能エネルギー等の分野について協力を強化していくことで一致しました。また、ASEAN+3に加えて印・豪・ニュージーランドが参加するフォーラムであるEASエネルギー大臣会合が、2007年にシンガポールで開催され、エネルギー協力タスクフォースにおいて検討を行ってきた省エネルギー、バイオ燃料、エネルギー市場統合のテーマについて報告しました。

2011年9月には、ブルネイ(ジェルドン)において第8回ASEAN+3エネルギー大臣会合及び第5回EASエネルギー大臣会合が開催され、北神経済産業大臣政務官が両会合でそれぞれ副議長、共同議長を務めました。ASEAN+3エネルギー大臣会合では、我が国が主導している、石油備蓄協力の進展と、民生用原子力協力である「核不拡散・核セキュリティ総合支援センター」の設立・活動が評価され、今後も協力を継続推進していくことに合意を得ました。また、フォーラム活動を通じて、エネルギー源の多様化、能力開発、情報共有及び持続可能な発展と低炭素成長経済の促進への多大な貢献が各国から認められました。EAS エネルギー大臣会合では、新たなエネルギー協力として、①エネルギー見通しの策定、②エネルギー緊急途絶時の緊急対応政策・施策の整備、③既存の化石燃料資源の利用促進、④電力インフラの改善、⑤クリーンエネルギー/ スマートコミュニティの開発を我が国から提案し、我が国のサポートとともにERIA における調査研究を開始することに合意を得ました。更に、昨年我が国が提案した「省エネロードマップ策定プロジェクト」の開始及び「第1回省エネカンファレンス」の開催(2011年8月、ラオス)について、各国から歓迎、評価されました。

APECにおける協力

1989年11月にオーストラリア・キャンベラで開催された第1回APEC 閣僚会議において、エネルギー問題に対する域内協力の重要性と、これを専門に議論する場を設定することで一致しました。これを受けて、1990年にエネルギー作業部会(EWG)が設立され、更に1996年には、よりハイレベルなエネルギー政策対話を行うため、シドニーにおいて第1回APEC エネルギー大臣会合が開催されました。

2007年5月に、オーストラリア・ダーウィンに於いて第8回APEC エネルギー大臣会合が開催され、我が国がイニシアティブをとり、APEC 域内における自主的な省エネルギー目標・行動計画の策定と、その進捗状況をモニターするためのAPEC 省エネルギーピアレビュー制度(PREE)の導入等を提案し、ダーウィン宣言に盛り込まれました。

2010年は、EWG 会合及びAPEC エネルギー大臣会合を含めた一連のAPEC 会合を我が国が主催しました。6月に福井において開催された第9回APEC エネルギー大臣会合では、直嶋経済産業大臣が議長を務め、「エネルギー安全保障に向けた低炭素化対策」のテーマの下、①エネルギー安全保障、②省エネルギーの推進、③ゼロ・エミッションエネルギーの導入促進について議論を行い、福井宣言を取りまとめました。低炭素技術を統合的に導入することを目指すAPEC 低炭素モデルタウンプロジェクトを実施することを我が国が提案し、各国の合意を得ました。

2011年9月にアメリカ・サンフランシスコで開催されたAPEC エネルギー・交通大臣会合においては、APEC 地域における省エネルギー、低炭素、持続可能な運輸の未来に向け、官民が対話を行い、低炭素モデルタウンプロジェクトと日米首脳が立ち上げたスマート・コミュニティ・イニシアティブの進展が評価され、今後も推進していくことを確認しました。また、11月のAPEC 首脳会議においては、エネルギー効率目標について議論が行われ、「2035年までにAPEC 全体で45%のエネルギー効率改善」を目指すことが宣言されました。

石炭分野では、2012年2月にオーストラリアで開催されたAPEC/EGCFE において、域内の主要産炭・消費エコノミーの石炭政策やCCT に関する意見交換のほか、2010年APEC 福井エネルギー大臣会合の閣僚宣言で指示のあった「先進的クリーンコール技術普及イニシアティブ」について議論を行いました。

気候変動問題に関する国際的協力

近年、経済発展やエネルギー消費の増加に伴い、温室効果ガスの排出が増加し、地球温暖化問題への関心が高まっており、その解決には、世界全体での温室効果ガスの排出削減が必要です。また、世界全体の温室効果ガスに占める、エネルギー利用に伴う二酸化炭素排出量の割合は約6割(日本は約9割)に達するため、地球温暖化問題の解決には、エネルギー利用に伴う二酸化炭素の排出削減が特に重要です。このような観点から、地球温暖化問題とエネルギー問題は表裏一体の関係にあると言え、地球温暖化問題とエネルギー問題を一体的に解決すべく、積極的に国際協力に取り組みました。

1997年に採択され、2005年に発効した京都議定書では、先進各国の温室効果ガスの排出量について法的拘束力のある数値目標が定められており、日本は、温室効果ガス全体を2008年から2012年の間の第一約束期間について、1990年に比べ6%削減することとされています。しかしながら、現在の京都議定書においては、一部の先進国のみにしか削減義務がかからないため、今後、実効的な温室効果ガス排出削減を行うためには、京都議定書を批准していないアメリカや京都議定書の下で削減義務を負っていない中印等の新興国を含めた世界全体で取組を進めていくことが不可欠です。

このため、2011年11月末から南アフリカ・ダーバンで開催されたCOP17及びCOP/MOP7では、我が国は、全ての主要国が参加する公平かつ実効的な一つの法的拘束力のある国際枠組の早期構築を目指し、交渉に臨みました。その結果、全ての国に適用される将来の法的枠組みを構築するための「強化された行動のためのダーバン・プラットフォーム特別作業部会」が新たに設立され、可能な限り早く、遅くとも2015年中に作業を終えて、議定書、法的文書または法的効力を有する合意成果を2020年から発効させ、実施に移すとの道筋に合意しました。

また、国連交渉外での国際協力の取組として、世界最高水準の省エネルギー等を実現し、更に各国からの期待も大きい我が国の技術、製品、サービス等の活用を通じて途上国等における排出削減に貢献するため、二国間オフセット・クレジット制度の構築に向けた取組や、エネルギー効率向上に関する国際パートナーシップ(GSEP:Global Superior Energy PerformancePartnership)の下での取組を進めました(二国間オフセット・クレジット制度については第8章第1節10 参照)。更に、EAS 諸国(ASEAN+日中韓印豪NZ 米露)が低炭素成長分野に関する協力について意見交換をする場として、2012年4月に「第1回東アジア低炭素成長パートナーシップ対話」を日本で開催しました。

GSEP は、2010年にCEM(クリーンエネルギー大臣会合)とIPEEC(国際省エネルギー協力パートナーシップ)の下、官民双方が参加する、最先端の省エネルギー・低炭素技術の発展・普及に関する日米共同イニシアティブとして設立されました。またこのGSEP は六つのワーキンググループ(WG)により構成(セクター別WG(セメントWG、鉄鋼WG、電力WG):日本主導、エネルギー管理WG:アメリカ主導、屋根・舗装WG:アメリカ主導、電熱併給WG:フィンランド主導)されており、うちセクター別WG は、2011年4月にその活動を停止したAPP(クリーン開発と気候に関するアジア太平洋パートナーシップ)の活動を承継しています。

APP では、中印等、世界のエネルギー起源二酸化炭素排出量の約5割を占める七カ国が参加し、排出削減に向けたセクター別の官民協力を推進しました。このAPP のセメントタスクフォースでは、エネルギー消費量、二酸化炭素排出量のデータ収集を行い、省エネ・環境技術のベストプラクティス集をとりまとめました。

更に、専門家を派遣して省エネルギー等に関するアドバイスを行う省エネルギー・環境診断を実施するとともに、中国に設置した技術普及センターを通じて、二酸化炭素排出量の測定方法に関する人材育成を実施しました。また、鉄鋼タスクフォースにおいて、環境・省エネルギー技術を取りまとめたベストプラクティス集を作成しており、そのうちの削減効果の高い10の技術をAPP 加盟国に普及させた場合の削減ポテンシャルを試算する等、各国の削減行動に貢献しました。

「第1回東アジア低炭素成長パートナーシップ対話」では、低炭素成長が持続可能な経済成長を実現する鍵であるとの見解を共有し、以下の三つの柱に沿って、アジアの多様性を前提とした様々なプレーヤーの低炭素成長に向けた取り組みの情報交換、低炭素技術・製品の普及にむけた各種支援等を行っていくことで一致しました。

【三つの柱】

(1) 各国がそれぞれの低炭素成長を策定・実施することが必要であり、その支援に向けた地域内の資金、人的、知的資源を動員

(2) 技術面での協力(先進国による技術革新の主導と途上国での低炭素技術の発展)と、優れた低炭素技術・製品普及の効果的な一手法として市場の活用

(3「) 東アジア低炭素成長ナレッジ・プラットフォーム」(様々なステークホルダーにより、低炭素成長と適応に関連した知見・経験を共有し、政策形成過程にインプットする開放的なネットワークとして提唱)構築

第2回会合は、2013年5月に日本とカンボジアの共同議長で実施する予定です。

【第391-1-1】APPにおける鉄鋼タスクフォースの取組例

【第391-1-1】APPにおける鉄鋼タスクフォースの取組例

(出所)
経済産業省作成

2.エネルギー供給国等との関係強化

(1)先進諸国との協力

日米協力

2009年11月、日米首脳会談において、クリーンエネルギー技術研究開発分野における既に強固な協力的取組を一層拡大するという日米両国の意思を確認し、「日米クリーンエネルギー技術協力」を発表しました。2010年11月には、菅総理大臣とオバマ米大統領の日米首脳会談において、クリーンエネルギー技術協力の拡充にむけ、「エネルギー・スマートコミュニティ・イニシアティブ(ESCI)」、「日米クリーンエネルギー政策対話」という二つのイニシアティブを設立することに合意しました。これを受け、大畠経済産業大臣とチュー米国エネルギー長官が東京で会談し、日米首脳合意に基づく、二つのイニシアティブの具体的な内容を、共同声明として発表しました。日米クリーンエネルギー政策対話については、これまでに3回開催(2011年2月、7月及び2012年3月)し、今後の日米クリーンエネルギー協力のあり方、クリーンエネルギー関連政策金融の活用等について議論を行いました。また、スマート・コミュニティ・イニシアティブについては、2011年9月にアメリカで開催されたAPEC エネルギー・交通大臣会合において、その進展を評価するとともに、今後もAPEC の枠組においても推進していくことを確認しました。

原子力分野では、2012年3月、原子力の安全等の研究開発協力に関する日米間の書簡の交換が行われました。これにより、原子力安全、原子力規制、原子力事故への対応、放射性廃棄物管理、原子力施設の廃止、先進的な原子炉、核燃料サイクル等について、研究開発協力のための枠組みが整備されることになりました。

日加協力

カナダは石炭やオイルサンド等資源の埋蔵が確認されており、今後の石炭火力発電の拡大を背景として二酸化炭素分離回収・貯留(CCS)を積極的に推進しています。

2008年11月の日加貿易投資対話等において、カナダ側から要請された日加科学技術協力の活性化に係る提案を踏まえ、2009年9月に官民総勢27名からなるCCSミッションがカナダを訪問し、カナダ天然資源省、サスカチュワン州政府、アルバータ州政府との間でCCS政策対話を実施し、両国が推進するCCSの現状について意見交換を行いました。これを契機とし、2011年1月には(財)石炭エネルギーセンター(JCOAL)とサスカチュワン州が、2011年2月にはJCOALとアルバータ州が、それぞれCCT(クリーン・コール・テクノロジー)及びCCS技術分野に関する協力覚書を締結しました。2011年2月にはカナダ側のCCSミッションが来日し、CCTやCCSに関する政策対話やセミナーを開催しました。

日仏協力

2011年10月、野田総理大臣が来日したフィヨン首相と会談し、原子力の安全確保に向け、日仏協力を強化することを確認しました。両首相は会談後、「原子力及びエネルギー政策に関する日仏首脳共同宣言」を発表し、原子力に係る幅広い分野において協力する委員会の設置を決定しました。また、再生可能エネルギー等の分野における協力の模索等、今後のエネルギー政策全般に関し両国間で対話を行う「日仏エネルギー政策対話」の設置を決定しました。

これらの決定に基づき、2012年2月、日本側議長を外務省が、仏側議長を原子力・代替エネルギー庁が務め、原子力エネルギーに関する日仏委員会第一回会合が東京で開催されました。東京電力㈱福島第一原子力発電所事故への対応、グローバルな原子力安全の強化及び両国の原子力エネルギー政策に関する意見交換が行われました。また、経済産業省において、枝野経済産業大臣及びベッソン仏産業・エネルギー・デジタル経済担当大臣を共同議長として、第1回「日仏エネルギー政策対話」を閣僚レベルで開催しました。また、翌日には資源エネルギー庁次長及び仏エネルギー・気候変動総局長を共同議長として、同対話を高級事務レベルで行いました。本対話において、両国のエネルギーミックス、再生可能エネルギー、省エネルギー、原子力エネルギー等について、意見交換を行いました。

日英協力

2006年来、経済産業省と英国エネルギー・気候変動省との間で、クリーンエネルギーやエネルギー安全保障等のエネルギー問題を議論する二国間対話の場として、日英エネルギー対話を開催しています。2012年2月には、英国ロンドンにおいては、第4回日英エネルギー対話を開催しました。本対話において、両国の原子力政策、省エネルギー政策、再生可能エネルギー政策等、エネルギーに関する幅広い分野について議論を行いました。また第4回対話では、これまでの政府間対話に加え、産業界からの参加者を含めた官民対話も実施しました。

日豪協力

我が国のオーストラリアからの輸入総額に占めるエネルギー・鉱物資源の割合は5割以上であり、鉄鉱石、石炭、LNG、ウラン等の資源分野において重要なパートナーとなっています。特に、ウランについては、埋蔵量は世界第1位であり、生産量こそ世界第3位であるものの、2011年度の日本の輸入先としては第1位で、全体の27%を占めています。また、民間団体等を通じてエネルギー技術協力等も積極的に行ってきました。石炭については、世界最大の石炭輸出国であり、我が国への石炭最大供給国です。

更に、両国のエネルギー情勢・政策、その他の関心事項を協議するため、1985年より原則年1回(1995年までは年2回)、日豪エネルギー高級事務レベル協議を開催しています。2004年からは、既存の対話を強化する観点から、民間からも参加して、幅広い意見交換を行いました。加えて、2011年2月には海江田経済産業大臣が訪豪し、エマーソン貿易大臣と第2回日豪貿易経済大臣会合を行うとともに、ギラード首相、ファーガソン資源エネルギー・観光大臣と会談しました。2011年3月にはメルボルンにおいて第3回日豪石炭政策対話を実施し、官民総勢約90名が参加して、日豪両国の石炭分野におけるCCS 等に関する協力事業等について意見交換を実施しました。2012年1月には、松下経済産業副大臣が訪豪し、北部準州において推進中のイクシス・プロジェクト等、我が国企業が参画する資源開発プロジェクトの円滑な実施に向け、オーストラリア連邦政府及び地方政府関係者に対し、働きかけを行いました。

(2)新興国等との協力

日露協力

ロシアはサウジアラビアに肩を並べる世界有数の産油国であるとともに、世界第1位の産ガス国でもあります。サハリンにおける石油・天然ガス開発には我が国企業も参加しています。

原子力分野においては、2009年5月、プーチン首相来日時に日・露原子力協定が署名されました。また、二階経済産業大臣とキリエンコ・ロスアトム社長の間で原子力の平和的利用における協力に関する共同声明を発出しました。また、日・露原子力協定が2011年12月に我が国国会で承認されました。

一方、石油・天然ガス分野においては、資源エネルギー庁は、世界最大の天然ガス企業であるガスプロム社、ロシア最大の石油会社であるロスネフチ社との間で協力に関する枠組み合意に至っています。この枠組み合意の下、資源エネルギー庁は、両社と日本企業及びその他機関との間の具体的協力が進展するよう支援してきました。また、(独)石油天然ガス・金属鉱物資源機構とイルクーツク石油との間で、イルクーツク州における共同探鉱が行われてきました。これは、東シベリアにおいて初めて、日露で油田の共同探鉱を開始したという点で極めて重要であり、これまでに試掘井の掘削中に原油の産出が確認されました。

また、省エネルギー分野においては、2009年5月、プーチン首相、シュマトコエネルギー省大臣が訪日の際に、二階経済産業大臣とシュマトコ大臣との間で日ロ間の省エネルギー及び再生可能エネルギー分野における協力の覚書を締結しました。2010年3月及び7月には本協力に係る共同委員会を開催し、本分野での政策共同研究の実施等についてのアクションプランに調印しました。

さらに、石炭分野においては、2010年6月、日露石炭政策担当者による初めての石炭ラウンドテーブルを開催し、今後の日露共同での東シベリア石炭開発等につき意見交換を行いました。更に、今後、両国政府間において、石炭開発分野における日露協力実現のための政策対話を継続させていくことを合意しました。

日イラク協力

イラクは世界有数の原油確認埋蔵量を持つ資源国であり、外資に石油権益を解放する潜在的開発余地の大きい地域です。2011年11月にはマーリキー首相やルアイビ石油大臣が訪日し、枝野経済産業大臣と会談を行うとともに、首脳間で共同声明を発出し、エネルギーを含む様々な経済分野での協力関係を強化することで合意しました。

日サウジアラビア協力

サウジアラビアは、世界有数の産油国かつ日本にとって第1位の原油輸入国です。また大きな余剰生産能力を持つことから、国際原油市場の安定にも大きな影響力を有しています。こうした中、我が国は同国との間で、官民一体となってエネルギー分野にとどまらない幅広い協力・関係強化を推進し、重層的な関係を構築してきました。

2007年4月、サウジアラビアで喫緊の課題となっている産業多角化・雇用促進に資するよう、タスクフォースの設置を含む産業協力の実施について安倍総理大臣とアブダッラー国王との間で合意し、同年7月に「日本・サウジアラビア産業協力合同タスクフォース」を設立しました。タスクフォースは、「投資促進」、「人材育成協力」、「中小企業政策協力」を三本柱に活動を展開し、後に再生可能エネルギー、原子力、水等の分野にも産業協力のスコープを広げながら、具体的な成果を上げてきています。

2011年9月には、松下経済産業副大臣がサウジアラビアを訪問し、トルキー石油鉱物資源省顧問やハカミ経済企画副大臣等のタスクフォース関係者と会談を行い、過去4年間の具体的な成果を確認するとともに、今後の協力範囲の拡大について合意しました。また、人材育成協力により設立されたサウジ電子機器・家電製品研修所の開所式典に出席するとともに、今後の協力の柱の一つとなる水分野について、両国間の包括的協力に関する覚書に署名しました。

同10月には、枝野経済産業大臣がサウジアラビアを訪問し、ナイミ石油鉱物資源大臣、アブドルアジズ同副大臣、トルキー石油鉱物資源省顧問、ゴサイビ経済企画大臣、及びアリレザ商工大臣と会談を行いました。ここで、サウジアラビア側から原油市場の安定化に向けた長期的コミットメントが表明されるとともに、産業協力の一層の充実と水、スマートコミュニティ、スーパーコンピュータ等幅広い分野へ拡大することに合意しました。

2012年2月には、日本・サウジアラビア産業協力フォーラムが開催され、閣僚をはじめとした政府関係者及び多くの両国企業幹部が参加し、投資促進、人材育成協力、中小企業政策協力、再生可能エネルギー、水、都市開発等、幅広い分野での二国間の協力について活発な議論が行われました。また同フォーラムでは、枝野経済産業大臣、松下経済産業副大臣及びタウフィーク商工大臣、ジャーセル経済企画大臣、ヤマニKACARE(アブドッラー国王原子力・再生可能エネルギー都市)総裁等の立ち合いの下、水や再生可能エネルギー、省エネルギー、スマートコミュニティ等の分野で八つの覚書が締結されました。更に枝野経済産業大臣はこれらのサウジ政府閣僚と会談等を行い、二国間の経済、エネルギー分野での協力について意見交換を行いました。

引き続き2月に東京で開催された日本-サウジアラビア合同委員会では、日本側は枝野経済産業大臣と玄葉外務大臣が、サウジ側はジャーセル経済企画大臣が議長として参加し、両国間の経済・貿易・投資、技術協力、文化等幅広い分野にわたり、これまでの成果の確認と今後の方策の協議を行いました。特にエネルギー分野の協力では、両国は原油分野での協力継続の希望を表明するとともに、エネルギー効率の改善及び再生可能エネルギーの利用の重要性を確認した他、サウジ側より原子力及び再生可能エネルギーに関する覚書の議論への関心が示されました。

日カタール協力

カタールは、世界第3位の天然ガス埋蔵量を有する資源国であるとともに、日本にとって第3位の原油輸入国、第4位の天然ガス輸入国です。カタールとは、2006年11月に第1回日・カタール合同経済委員会(麻生外務大臣及び甘利経済産業大臣とアティーヤ第二副首相兼エネルギー工業大臣が出席)を開催し、その後毎年委員会を開催して二国間経済関係を更に幅広く包括的なものにしていくために協議を重ねてきました。

2011年10月には東京においてカタール・アティーヤ副首相兼首長府長官及びアル=サダ・エネルギー工業大臣との間で第6回日・カタール合同経済委員会(枝野経済産業大臣及び玄葉外務大臣出席)を開催し、日本側から、東日本大震災に際するカタール側からの支援(1億ドルの支援の供与及びLNG の追加供給)に謝意を示しますととともに、エネルギー分野を含む様々な分野での二国間協力の進展(日本企業の環境・水・農業分野を含むインフラ事業への参入、文化交流や教育・人材育成分野での協力強化等)を内容とする両国間の経済関係強化に関する共同声明に署名を行いました。

日UAE協力

アラブ首長国連邦(UAE)は、日本にとって第2位の原油輸入国であり、我が国の自主開発原油の約4割が存在する資源国です。我が国との間では、要人の往来が活発に行われており、様々な分野での協力を推進してきました。

2011年11月には、枝野経済産業大臣が同国を訪問し、マンスール副首相(アブダビ首長弟)、ハルドゥーン執行関係庁長官、ダーヒリ最高石油評議会事務局長、スウェイディ国営石油会社総裁と会談を行い、我が国エネルギー企業の油田権益の延長・新規参入について働きかけを行うとともに、二国間関係の強化に向けた人材育成や投資促進に関する協力について意見交換を行いました。

また、原子力分野においては、2009年に日・UAE原子力協定の交渉が開始されました。

日ヨルダン協力

ヨルダンは、2030年にエネルギー自給率100%を目標とし、また、水不足解消を図る海水淡水化のため、2019年に1基の原子力発電所の運転開始を目指しています。このため、日本は、ヨルダンにおいて、核不拡散や安全が確保され、円滑に原子力発電が導入されるよう支援しました。2009年4月、石田資源エネルギー庁長官とヨルダン国王陛下とともに来日中のスハイル・アル=アリ計画・国際協力大臣との間で、原子力協力を進めていく旨の協力に関する文書(MOC:Memorandum of Cooperation)に署名しました。本文書に基づき、原子力発電所建設サイト選定に関する専門家派遣等の協力を実施しました。

また、中山経済産業大臣政務官が2010年11月にヨルダンを訪問した際には、IFNEC 閣僚級会合において我が国の経験と知見を生かしながら各国と協力することを表明しました。併せて、リファーイ・ヨルダン首相及びトゥーカン・ヨルダン原子力委員会委員長と会談を行い、原子力発電所建設プロジェクトについて話し合われました。

原子力分野においては、ヨルダンは、2011年3月の東日本大震災後も原子力発電導入の意思を示しており、原子力発電導入に係る入札手続等原子力発電導入に向けた取り組みを進めています。また、2012年2月に日・ヨルダン原子力協定が発効しました。

日カザフスタン協力

カザフスタンは、世界第2位のウラン資源埋蔵量を有する資源国であり、カザフスタンから我が国へのウラン供給拡大の潜在性は大きなものがありました。また、同国は、日本のような、ウラン鉱山開発のみならず原子力産業・技術の高度化等広範囲な分野の協力関係構築ができる国との協力関係拡大を目指していました。このような背景から、我が国は同国との間で官民で協力・関係強化を推進してきました。

原子力分野では、2007年4月に総勢150名からなる官民ミッションがカザフスタンを訪問し、参加した日本企業がカザフスタンの国営原子力会社と関係を深め、共同でウラン鉱山開発が始まりました。その結果、2011年度の同国からの我が国へのウラン輸入量は世界第6位、全体の7%を占めるまでになりました。

また、ウラン残渣からレアアースを回収するプロジェクトの検討も始まり、その結果、2009年10月にカザフスタンで開催された日カザフスタン経済官民合同協議会において、日本企業とカザフスタン企業による共同開発が決定しました。

また、2011年5月には日・カザフスタン原子力協定が発効しました。

更に、2011年11月には原子力安全に関する制度整備等への支援を目的とした専門家の招聘事業を実施しました。

石油・天然ガス分野においては、我が国企業がカシャガン油田開発に参加しました。可採埋蔵量が約100億バレルあると言われる巨大油田であり、政府としてもファイナンス面等の支援を行いました。

日ポーランド協力

ポーランドでは、電源構成の中で石炭火力が93%を占め、かつ石炭火力発電設備のうち3割以上が30年以上経過した老朽設備という現状で、省エネルギー、大気汚染防止及び二酸化炭素排出量削減が大きな課題となっています。

このような背景から、ポーランド側は日本のクリーンコールテクノロジーに対して強い関心を示し、2009年から官民ミッションの派遣や、セミナー等を開催しており、2011年度は11月に現地でのCCT セミナーを開催したほか、2012年2月にポーランド電力会社等から23名の研修生を招聘し、今後のクリーンコール技術分野での協力について意見交換を行いました。

原子力分野では、2010年3月、直嶋経済産業大臣とパヴラク副首相との間で、原子力発電導入に向けた協力を進めていく旨の協力の枠組を定めた合意文書(MOC)に署名しました。また、本文書に基づき、2012年2月、東京電力㈱福島第一原子力発電所事故時の対応に関するセミナー開催への協力を実施しました。

日トルコ協力

原子力分野では、2010年12月に、大畠経済産業大臣とユルドゥズ・エネルギー天然資源大臣との間で、原子力発電の開発、廃棄物の取り扱い及び原子力産業の技術的発展を準備・計画・推進、IAEA 基盤整備マイルストーンに従った原子力発電及び関連技術に係る人材育成・基盤整備、原子力発電に対する国民の信頼醸成のための広報等についての協力のための「経済産業省とトルコ・エネルギー天然資源省との間のトルコにおける原子力発電開発に関する協力文書(MOC)」に署名しました。トルコは、2011年3月の東日本大震災後も原子力発電導入の意思を示しており、原子力発電導入に向けた取り組みを進めています。また、日・トルコ原子力協定は2012年3月に実質合意に至りました。

日クウェート協力

原子力分野では、2010年9月に、原子力発電開発の準備・計画・推進に対する支援、IAEA 基盤整備マイルストーンに従った原子力発電及び関連技術に係る訓練・人材育成・基盤整備、原子力発電に対する国民の信頼醸成のための広報等についての協力のための「日本国経済産業省とクウェート国家原子力委員会との間のクウェートにおける原子力発電開発についての協力文書(MOC)」に署名しました。他方で、クウェートは、2011年7月、東京電力㈱福島第一原子力発電所事故を踏まえ、原子力技術の保有や原子力発電の追求を切望しない、と表明しました。

石油・天然ガス分野では、2010年7月、JOGMECとクウェート石油公社(KPC)との間で、CO2-EOR(二酸化炭素を利用した原油増進回収技術)を中心とした先進的な石油・天然ガスの探鉱生産技術に関する協力事業に関する覚書を締結しました。JOGMEC は、この覚書に基づき、KPC との間で、更に具体的な事業内容に関する協議を進めています。

日モザンビーク協力

モザンビークは、優良な原料炭、天然ガス、レアメタル等の天然資源が豊富に埋蔵されており、日本への新たな供給源として期待されています。2012年2月に枝野経済産業大臣とビアス鉱物資源大臣との間で、資源分野における戦略的パートナーとして両国間の関係強化を進めることに合意し、協力文書に署名がされました。これにより、今後、定期的な官民による資源政策対話、資源分野の人材育成等を進め、両国間の関係強化を深化させることを両大臣間で確認しました。また、同2月には、アリ首相と野田総理大臣との首脳会談において、石炭や天然ガス等の資源分野における協力関係を一層強化することを確認しました。

日リトアニア協力

リトアニアは、エストニア、ラトビア、ポーランドをパートナーとしてビサギナス原発建設を計画しています(ただし、ポーランドは2011年12月に参加凍結を発表)。2011年7月、日本企業(㈱日立製作所)が戦略的投資家として選定され、優先交渉権を獲得しました。2012年2月のクビリウス首相訪日に際して実施された日・リトアニア首脳会談では、野田総理から、東京電力㈱福島第一原発事故の経験・教訓を共有し、リトアニアの原子力安全の向上に協力したい旨述べました。3月には、㈱日立製作所とリトアニア・エネルギー省との間で、本計画の権利・責任関係等の主要点に関する事業権益合意に仮調印が行われました。