第2節 水素エネルギー社会の実現

1.エネルギー供給源の多様化に向けた長期的な取組

近年、天然ガス等によるコジェネレーション等の分散型エネルギー供給システムが登場しています。エネルギー供給面では、引き続き大規模集中型のエネルギー供給システムが重要な役割を果たすとともに、今後は、大規模集中型と分散型の適切な組合せによるエネルギー供給システムの最適化を志向することが重要になることも考えられます。

2.2011(平成23)年度においてエネルギー供給源の多様化に向けた長期的な取組に関して講じた施策

(1)水素エネルギー社会の実現に向けた取組

水素エネルギーは、利用段階で二酸化炭素を排出しない低炭素型のエネルギー媒体であり、今後、民生・産業部門の分散型電源システムや輸送用途の有力なエネルギー源の一つとして一層の活用が期待されます。2011年度においては、中長期的に水素エネルギーを活用する社会システムを構築するために、以下の取組を行いました。

燃料電池/水素エネルギー利用技術開発等

高圧ガス保安法等の規制への対応

(2)分散型エネルギーシステムの構築に向けた取組

分散型エネルギーシステムは、防災対応等の緊急時に既存の系統電力に依存しない自立型エネルギーシステムとしての活用が可能であることと、需要地と近接して設置可能であり、送電時等におけるエネルギー損失の低減が可能であることという利点があります。また、発電の際には、コジェネレーションによる排熱の有効利用が容易であり、その結果、条件次第ではエネルギー変換の総合効率が高まる可能性があります。2011年度においては、燃料電池、コジェネレーション、太陽光発電、風力発電、バイオマス発電等の分散型電源や新型電力貯蔵装置の開発・普及に取り組みました。

(3)分散型電源の大量導入に伴って克服すべき問題

太陽光発電等の分散型電源は、地球温暖化やエネルギー安全保障の観点から引き続き導入を推進していくことが必要で、特に太陽光発電については、2009年11月に、太陽光発電の新たな買取制度を開始し、普及拡大を図りました。一方、出力が不安定な太陽光発電等の分散型電源が大量に電力系統に接続された場合、配電網の電圧上昇、周波数の乱れ及び余剰電力の発生といった問題が生じることに対応するため、2009年7月に「低炭素電力供給システムに関する研究会」を開催し、系統安定化対策のための技術的課題の整理検討、ロードマップの策定、コスト分析等について、検討を行いました。2011年2月には、「次世代送配電ネットワーク検討会W1」において、再生可能エネルギー電源に対する系統への優先的な接続・給電に関するルールの見直しについて検討を行いました。