第1節 電力

1.被害の状況

2011年3月11日、東北地方太平洋沖地震とそれが引き起こした津波により、東京電力福島第一原子力発電所において未曾有の大規模かつ長期にわたる原子力事故が発生しました。東京電力福島第一原子力発電所からは、大量の放射性物質が放出され、住民が避難生活を余儀なくされています。また、原子力発電所の停止、火力発電所の被災等により、東京電力及び東北電力管内を中心に広範囲にわたり停電が発生しました。

2.講じた措置(対応)と明らかになった課題

原子力施設の安全確保に向けた措置として、事故の収束に向けた取組(原子力災害対策本部の設置等)、全国の原子力施設の安全性・安心を高める取組(緊急安全対策・原子力発電所の停止要請等)を行いました。また、事故原因の究明として、東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会の設置、IAEA報告書の提出等を行いました。原子力被災者への対応としては、原子力被災者生活支援チームの設置、原子力損害賠償支援機構の設立等を行いました。
 東京電力福島第一原子力発電所の事故や火力発電所の停止等は、東日本の電力供給力を一挙に大きく低下させましたが、東日本(50Hz 帯)の電力不足に対して、西日本(60Hz 帯)からの余剰電力の融通を十分に行う事等ができなかったため、2011年3月14日以降、東京電力管内で、計10日間計画停電の実施に至りました(第111-2-1)。
 2011年度夏期・冬期の電力需給対策については、電力需給緊急対策本部(2011年5月16日電力需給に関する検討会合に改組)において議論が積み重ねられました。夏期の電力需給対策については、供給力の追加措置を講じる一方、東京電力及び東北電力管内においては、ピーク期間・時間帯3の使用最大電力について▲15%の抑制(節電)を要請し、特に大口需要家4については電気事業法第27条に基づく使用制限を実施する等の対応を行いました。また、関西電力管内においては、全体として▲10%以上の節電の要請を行い、中西日本のその他の電力管内(中部電力、北陸電力、中国電力、四国電力、九州電力の各管内)においては、国民生活や経済活動に支障を生じない範囲での節電に取り組みました。冬期の電力需給対策については、供給力の向上等の対策を行うとともに、ピーク電力不足による停電等を回避するため、全国(沖縄を除く)の需要家の皆様に2011年12月1日から2012年3月30日までの間節電を要請し、特に需給の厳しい関西電力・九州電力管内においては、一定の期間中、数値目標を設定5して節電を要請しました。
 このように、東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所の事故は、原子力の安全性確保、周波数変換所や連系線の容量不足、電力需給逼迫の産業への影響回避等の課題を明らかにしました。

【第111-2-1】東京電力管内における計画停電の実施回数

【第111-2-1】東京電力管内における計画停電の実施回数

3
各電力会社管内において節電を要請する期間・時間帯です。
4
東京電力及び東北電力並びにその供給区域内で供給している特定規模電気事業者と直接、需給契約を締結している需要家です。
5
関西電力管内:2011年12月19日~2012年3月23日までの間「▲10%以上」(ただし、生産活動等に配慮)
九州電力管内:2011年12月26日~2012年2月3日までの間「▲5%以上」(ただし、生産活動等に配慮)