第1節 再生可能エネルギーをめぐる諸情勢

1.再生可能エネルギーの概観

再生可能エネルギーは、電力部門における太陽光発電や風力発電、燃料部門におけるバイオエタノールの利用など、様々な部門において利用されています。

再生可能エネルギーは、国際的にも広く認知されています。例えば、国際エネルギー機関(IEA)によると、再生可能エネルギーは「絶えず補充される自然のプロセス由来のエネルギーであり、太陽、風力、バイオマス、地熱、水力、海洋資源から生成されるエネルギー、再生可能起源の水素が含まれる」とされています。また、国際再生可能エネルギー機関(IRENA)憲章によれば、「再生することが可能な資源から持続可能な態様で生産されるあらゆる形態のエネルギーをいい、特にバイオエネルギー、地熱エネルギー、水力電気、海洋エネルギー(特に、潮汐エネルギー、波エネルギー及び海洋温度差エネルギーを含む)、太陽エネルギー、風力エネルギーを含む」とされています。

我が国においても、2009年7月に成立した「エネルギー供給事業者による非化石エネルギー源の利用及び化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する法律」により、再生可能エネルギー源は、「エネルギー源として永続的に利用することができると認められるもの」として、太陽光、風力、水力、地熱、太陽熱、大気中の熱その他の自然界に存する熱、バイオマスが規定1されています。

再生可能エネルギーの特徴として、上記の利用の持続可能性に加えて、エネルギー源の多様化による輸入依存度の低減、利用時の環境負荷が小さいといった点が着目されています。さらに、例えば、太陽光発電の飛躍的普及に伴う太陽光発電関連産業の育成、国際競争力強化といったように、再生可能エネルギーの飛躍的普及による我が国の環境関連産業の育成・強化や雇用の創出にも寄与するという経済対策としての効果も期待されています。

こうした現状を踏まえ、現在導入されている代表的な再生可能エネルギーの種類について概観すると、以下のとおりです。

太陽光、太陽熱

太陽光発電は、住宅・非住宅とも潜在的な導入量が大きく、また産業の裾野が広いなど再生可能エネルギーの中でも、今後最も導入拡大が期待されています。

また、太陽熱利用は、エネルギー効率が良いため利用拡大が期待されていることから、今後、給湯や空調に利用する新たなシステム・技術開発が必要です。

一方、太陽熱発電は、用地や日照量等の条件から我が国での導入には制約があるといわれています。

風力

風力は発電原価が他の再生可能エネルギーと比べ相対的に安く、導入量も増加基調であり、我が国における導入量は北海道や東北地方など北緯40度以北に多くなっています(設備容量ベースで約5割)。今後は、陸上での設置だけでなく、洋上風力など新たな技術開発の促進も期待されています。

バイオマス

バイオマスはこれまで様々な形態で導入が進められてきています。

エネルギー供給サイドにおいては、電力事業におけるバイオマス発電、石油事業におけるバイオエタノール等のバイオ燃料の利用、都市ガス事業におけるバイオガスの利用など、また、エネルギー需要サイドとしては素材産業におけるバイオマスの原材料としての利活用等、その利用形態や利用される状況は非常に多岐にわたっていて、導入量は増加基調です。

水力

水力発電は、環境面での貢献はもちろんのこと、我が国のエネルギー自給の約35%を担う純国産エネルギーとして安定性の確保、長期固定電源として経済性の確保に貢献しているエネルギーで、近年ではその開発の中心は大規模水力から国内における開発ポテンシャルの高い中小規模水力にシフトしています。

地熱

地熱発電は、温泉地域の近傍を中心に、国内に豊富に存在し、かつ、その設備利用率が他の再生可能エネルギーに比べ相対的に高いことから安定性の確保に貢献しています。1999年の八丈島での地熱発電所の操業以降、具体的な新規立地が出ていませんが、アメリカやインドネシア等を始めとして世界的に地熱発電への期待が高まっていることから、我が国においても低炭素社会の実現のための大きな一翼を担うことが期待されています。

大気熱 等

自然界に存在するエネルギーの一形態として大気熱があります。ヒートポンプは、大気熱を利用するものであり、また、永続的な利用も可能であることから、再生可能エネルギーの利用形態の一つとして挙げられます。EUの「再生可能資源によるエネルギーの利用促進に関するEU指令」においても、高効率ヒートポンプは再生可能エネルギーに算入されています。

また、雪や氷の冷熱エネルギーは、建物の冷房や農作物などの冷蔵に利用され、主に寒冷地等において、冬に降り積もった雪を保存し、また、水を冷たい外気で氷にして保存するなどの形態が見られます。

【第121-1-1】再生可能エネルギーと利用形態の俯瞰図

【第121-1-1】再生可能エネルギーと利用形態の俯瞰図

【第121-1-2】我が国の再生可能エネルギー等のこれまでの導入推移(一次エネルギー供給ベース)

【第121-1-2】我が国の再生可能エネルギー等のこれまでの導入推移(一次エネルギー供給ベース)

【第121-1-2】我が国の再生可能エネルギー等のこれまでの導入推移(一次エネルギー供給ベース)(xls形式:53KB)

(注)
「再生可能エネルギー等」の「等」には、廃棄物エネルギー回収、廃棄物燃料製品、廃熱利用熱供給、産業蒸気回収、産業電力回収が含まれる。
(出所)
資源エネルギー庁「総合エネルギー統計」をもとに作成

2.再生可能エネルギーに関する国際的関心の高まり

(1)導入動向

世界全体の一次エネルギー供給に占める再生可能エネルギーのシェアは拡大傾向です。エネルギー需要についても、2007年時点で約120億石油換算トンのエネルギーが消費されています。

【第121-2-1】世界の一次エネルギー供給の推移

【第121-2-1】世界の一次エネルギー供給の推移

【第121-2-1】世界の一次エネルギー供給の推移(xls形式:77.5KB)

(出所)
IEA「Energy Balances of Non-OECD Countries(2009年版)」をもとに作成

再生可能エネルギーの具体的な構成については、2007年時点でその93%がバイオマスとなっており、中でも途上国を中心に薪として利用されている木質バイオマスが大きなシェアを占めています。続いて地熱、風力、太陽光、太陽熱が利用されています。

【第121-2-2】世界の再生可能エネルギー消費構成(2007)

【第121-2-2】世界の再生可能エネルギー消費構成(2007)

【第121-2-2】世界の再生可能エネルギー消費構成(2007)(xls形式:50.5KB)

(出所)
IEA「Energy Balances of Non-OECD Countries(2009年版)」をもとに作成

再生可能エネルギーの割合は今後、拡大していくことが見込まれています。その背景には、中国、インドを始めとした新興国ではエネルギー需要の拡大が見込まれており、新興国企業によるエネルギー資源争奪が加速化していることが影響しているものと考えられ(第121-2-3)、資源確保競争の結果、化石燃料の価格は上昇傾向となることが想定されます(第121-2-4)。特に、石炭の需要が増大すると予想され、現在は化石燃料の中でも相対的に安価な資源として評価されていますが、今後は石炭産出国での自家消費も増え、輸入石炭価格は上昇していくものと考えられます。その結果、再生可能エネルギーの化石燃料に対する経済的優位性が高まっていくものと想定されます。

【第121-2-3】世界のエネルギー需要の増減の見通し(現状の需要成長率で推移した場合の2007〜2030年の増減)

【第121-2-3】世界のエネルギー需要の増減の見通し(現状の需要成長率で推移した場合の2007〜2030年の増減)

その他にはバイオマス、廃棄物、風力、地熱、太陽光・熱、潮力・波力が含まれる
(出所)
IEA「World Energy Outlook 2009」

なお、IEAの今後のエネルギー動向に関するレポートでは、今後の燃料価格の見通しとして、2030年時点で原油価格は115米ドル/バレル、LNGは15.87米ドル/MBtu、石炭については109.40米ドル/トンとされています。

【第121-2-4】今後の化石燃料価格の想定(現状程度で推移したケース(2008年米ドル))

  Unit 2000 2008 2015 2020 2025 2030
Real terms (2008 prices)
IEA crude oil imports barrel 34.30 97.19 86.67 100.00 107.50 115.00
Natural gas imports  
 United States MBtu 4.74 8.25 7.29 8.87 10.04 11.36
 Europe MBtu 3.46 10.32 10.46 12.10 13.09 14.02
 Japan LNG MBtu 5.79 12.64 11.91 13.75 14.83 15.87
OECD steam coal imports tonne 41.22 120.59 91.05 104.16 107.12 109.40
Nominal terms  
IEA crude oil imports barrel 28.00 97.19 101.62 131.37 158.23 189.65
Natural gas imports  
 United States MBtu 3.87 8.25 8.55 11.66 14.78 18.73
 Europe MBtu 2.82 10.32 12.27 15.89 19.27 23.11
 Japan LNG MBtu 4.73 12.64 13.96 18.07 21.83 26.17
OECD steam coal imports tonne 33.65 120.59 106.77 136.84 157.67 180.42
(出所)
IEA「World Energy Outlook 2009」

また、同レポートにおいて、大気中の温室効果ガス濃度CO2換算約450ppmの水準(IPCC第四次報告書によれば、気温上昇が2℃を超える可能性を約50%程度に抑えるために必要な濃度)に安定化させるシナリオでは、基準シナリオと比較して、2020年に必要とされる削減量3.8Gtのうち約20%、2030年に必要とされる削減量13.8Gtのうち約23%が再生可能エネルギーとされており、省エネ対策の次に削減可能量の大きい対策として挙げられています。

【第121-2-5】450ppmシナリオにおける地域別・分野別削減量

【第121-2-5】450ppmシナリオにおける地域別・分野別削減量

(出所)
IEA「World Energy Outlook 2009」

(2)投資動向

このような見通しを背景に、近年、再生可能エネルギー等への投資が活発に行われています。化石燃料の価格が高騰し始めた2005年頃より再生可能エネルギー等への投資額は増加傾向で、2008年には過去最高の1,550億ドルもの資金が充てられています2

金融危機の影響を受けて、2008年下期以降、以前より勢いは弱まっているといわれているとおり、2007年度から2008年度では成長率が5%と前期と比べて低くなっているとともに、09年の第1四半期は投資額が大きく落ち込んでいますが、引き続き今後の成長を見込める市場であると考えられます。

【第121-2-6】世界の再生可能エネルギー等への投資動向(四半期毎)(単位:10億ドル)

【第121-2-6】世界の再生可能エネルギー等への投資動向(四半期毎)(単位:10億ドル)

(注)
投資額に太陽光、風力発電やバイオ燃料等の再生可能エネルギーに加えて、省エネルギー、他低炭素技術等が含まれる。
(出所)
UNEP SFEI「Global Trends In Sustainable Energy Investment 2009」

また、主要エネルギー別の投資動向については、2008年では技術的に成熟・確立されていることを踏まえ風力が最大規模の518億ドルもの投資が行われており、太陽電池・熱、バイオ燃料と続いています。

【第121-2-7】主要エネルギー毎の投資額(2008年)、成長率(2008年比)(単位:10億ドル)

【第121-2-7】主要エネルギー毎の投資額(2008年)、成長率(2008年比)(単位:10億ドル)

【第121-2-7】主要エネルギー毎の投資額(2008年)、成長率(2008年比)(単位:10億ドル)(xls形式:21KB)

(出所)
UNEP SFEI「Global Trends In Sustainable Energy Investment 2009」

これまで積極的な投資が再生可能エネルギー関連分野に向けられている背景には、既に述べたように中長期的なエネルギー需給の逼迫とそれに伴う化石燃料価格の上昇といったファンダメンタルの要因に加えて、各国政府が積極的な財政出動を行っていることも要因として考えられます。こうした政府による投資が呼び水となり、民間資金が再生可能エネルギー関連分野へと流入していると考えられます。

各国政府が、再生可能エネルギー関連分野に対して積極的に投資する理由としては、エネルギーセキュリティの側面だけでなく、雇用創出などの効果を期待した産業の育成や振興といった側面も強いと考えられます。

例えば、アメリカのオバマ大統領は、2010年1月に行われた雇用とクリーンエネルギーへの投資に関する演説において、環境対策事業に対して最大23億ドルの税優遇を行うことで「17,000人分の雇用が創出される可能性が高い」と述べています。また、「もしクリーンエネルギーを世界的にリードすることができれば、長期的により良い生活を得ることができる」と述べていて、クリーンエネルギー技術へ期待を寄せていることが分かります。

また、英国のブラウン首相は、気候変動枠組み条約第15回締約国会合(COP15)での演説において、「経済危機によって数百万人の新規雇用を必要としている先進国にとって、環境保護活動は最も強力な雇用創出のエンジンとなる」と述べています。

米英両首脳の演説で示されているように、アメリカではエネルギー・環境政策の基本理念の一つとして、「クリーンエネルギー産業での将来の雇用に対する投資」が掲げられており、クリーンエネルギー産業を育成し、新たな雇用を創出することを一つの目的としています。また、英国でも、低炭素社会への移行計画において、2020年までにグリーンビジネスで120万人以上の雇用創出が見込まれています。移行計画と同時に発表された再生可能エネルギー戦略においても、約100億ポンドの投資で50万人以上の雇用創出される可能性が示されています。

例示したアメリカや英国以外の主要国でも、経済危機という状況下で再生可能エネルギーに対して大規模な財政出動が行われており、世界的に再生可能エネルギーを新産業として育成していく気運が高まっていると考えられます。

COLUMN

政府の技術開発支援によるVC投資促進

アメリカでは、1990年代にIT分野(ネット企業)が興隆した際に、その技術開発や企業の成長を支える上でベンチャーキャピタル(VC)などの民間資本が大きな役割を果たしました。

再生可能エネルギーについても、民間の資金が流入してきており、ファーストソーラーなどのベンチャー企業の誕生と躍進を支えてきました(第121-2-8)。

しかし、一昨年の金融危機を契機にVCなどの投資意欲は減退して以来、金融市場は安定化してきているものの、投資意欲が以前の水準に回復するのが遅れているといわれています。

新規産業創出の担い手としてVCなどへの期待を寄せているオバマ政権は、政府主導のベンチャー企業等の技術開発支援を拡大し、VC投資の呼び水となろうとしています。

再生可能エネルギーの投資は、IT分野などに比べて投資回収期間が長く、かつ規制も多いため、技術研究や技術開発などの初期段階ほどVC投資を集めにくいといった傾向があります。そこで、政府が、リスクの高い研究開発支援を強化することで、民間による投資を促そうという考えです。

オバマ政権は2010年3月に再生可能エネルギーへの技術研究支援の拡大を発表しており、約4億米ドルの支援を行うことを予定しています。

【第121-2-8】技術開発と資金調達の流れ

【第121-2-8】技術開発と資金調達の流れ

(出所)
DOEウェブサイト、UNEP SEFIレポートをもとに作成

再生可能エネルギーのうち、特に太陽光については、国際的に今後の市場成長が期待されています。IEAのレポートによれば、2020年度には、太陽光発電の導入量が全世界で約100GWに到達し、2030年度にはその約3倍に到達することが予測されています。

【第121-2-9】2020、2030年度の太陽光発電の導入量の推移(予測)

【第121-2-9】2020、2030年度の太陽光発電の導入量の推移(予測)

【第121-2-9】2020、2030年度の太陽光発電の導入量の推移(予測)(xls形式:22.5KB)

(出所)
IEA「World Energy Outlook 2009」

こうした中、例えば、欧州太陽光発電産業協会の見通しでは、2020年までに太陽電池市場は約12兆円の市場に成長すると見込まれています。同協会は、その見通しの背景として「政策的要因」を強調し、技術開発によるコスト低減のみではなく、政策による支えがあることで年率20%前後の成長が維持されるとの考えが「Solar Generation V -2008」などのレポートに示されています。

【第121-2-10】欧州の太陽電池市場規模の推計

【第121-2-10】欧州の太陽電池市場規模の推計

【第121-2-10】欧州の太陽電池市場規模の推計(xls形式:34KB)

(出所)
欧州太陽光発電産業協会「Solar Generation IV」、「Solar Generation V」をもとに作成

なお、近年急速に太陽光導入が拡大しているドイツにおいて外国輸入製品の増加といった事態も指摘されています3

日本においても、太陽光発電関連産業については、原料メーカーから太陽電池メーカー、周辺機器メーカー、住宅メーカーから工務店に至るまで様々な事業主体が関わるように裾野が広く、地域経済との関係が大きいことなどの特色を持ち、高い経済効果や雇用効果が期待されています。国内の市場規模については、2008年度は約5,000億円とされていますが、今後、太陽光発電システムにおいて、太陽電池(セル・モジュール等)、周辺機器(インバータ等)、設置工事それぞれに新規需要が見込まれるとして、2020年度には約1兆5,000億円4に到達すると予測されています。

【第121-2-11】国内の太陽光発電産業、市場規模について

【第121-2-11】国内の太陽光発電産業、市場規模について

(出所)
平成20年度エネルギー環境総合戦略調査「エネルギー需給構造高度化に資する各種対策の進展見通し等に関する分析調査」

(3)国際動向

太陽光、太陽熱、風力等の分野において、先進国をターゲットとした展開が積極化しています。地域別に再生可能エネルギー等への投資動向を見ても、欧米諸国は近年活発な投資が行われており、アジア大洋州についても増加傾向となっています。

2008年については、ヨーロッパが497億ドルと最大の投資規模であり、北米が301億ドル、アジア大洋州が242億ドル、南米が123億ドルと続いています。また、中東及びアフリカについても2008年では26億ドルの投資が行われており、近年再生可能エネルギーへの注目が高まっていることがうかがえます。

【第121-2-12】地域ごとの再生可能エネルギー等への投資動向(単位:10億ドル)

【第121-2-12】地域ごとの再生可能エネルギー等への投資動向(単位:10億ドル)

【第121-2-12】地域ごとの再生可能エネルギー等への投資動向(単位:10億ドル)(xls形式:17.5KB)

(注)
投資額に太陽光、風力発電やバイオ燃料等の再生可能エネルギーに加えて、省エネルギー、他低炭素技術等が含まれる。
(出所)
UNEP SFEI「Global Trends In Sustainable Energy Investment 2009」

我が国企業においても、技術力の強みを活かして、海外企業との合弁や、事業運営の取組が進展しています。電力会社、商社、メーカー等が海外発電事業の運営にまで参加する形態も増加しています。

【第121-2-13】国内企業による海外展開の例

三菱重工業:風力(英国)
三菱重工業の欧州原動機拠点であるMPSE(Mitsubishi Power Systems Europe, Ltd.)が、英国政府と覚書を締結し、ビジネス・イノベーション・技能省(BIS)から最大3,000万ポンド(約42億円)の補助金を受けて洋上風車の開発プロジェクトに取り組む。英国に将来の洋上風車の製造拠点を構えることを検討するとともに、次世代の洋上風車の開発・製造に向け、同国の企業・団体と密接な協力関係を構築。
住友商事:太陽光(スペイン)
近年、環境資源保護の観点から風力・太陽光発電の導入に積極的なスペインカナリア自治州テネリフェ島において、日本企業が事業主体のプロジェクトとしては過去最大級となる出力9,000kWの太陽光発電事業を実施。テネリフェ島政府子会社のITER(再生エネルギー技術研究所)ほか地元資本と共同設立した事業会社(EVM2 Energias Renovables, S.L.)の株式を43%保有し、事業を主体的に運営。事業に用いる太陽光発電パネルは全てシャープ株式会社より調達。
三菱商事:太陽光、太陽熱、風力など(スペイン)
総合新エネルギー事業会社として世界最大であるAcciona S.A.(本社:スペイン、以下アクシオナ社)と、全世界を対象とした新エネルギー・環境事業を共同で推進することを目的に、包括的な戦略的提携に係る覚書を締結。太陽光・風力・太陽熱・バイオエネルギーを中心とした事業を共同で開発・運営。
アクシオナ社が保有する世界最大の太陽光発電事業であるAmper Central Solar S.A.(本社ポルトガル、アンパーセントラルソーラー社)の株式34%を取得し、ポルトガルMOURA(モーラ)地区にて、世界最大の太陽光発電所となる45.8メガワットの発電を行う。
シャープ:太陽光(イタリア)
イタリア最大の電力会社エネル社のグループ会社であるエネル・グリーン・パワー社(EGP)、欧州を代表する半導体生産会社であるSTマイクロエレクトロニクス社と薄膜太陽電池の生産事業に関する3社合弁契約を、またEGPと独立発電事業(IPP)に関する2社合弁契約を締結。生産した薄膜太陽電池は、主に欧州及び地中海エリアにて販売予定。
昭和シェル:太陽光(サウジアラビア)
昭和シェル石油及び100%子会社である昭和シェルソーラーは、サウジアラビアの国営石油会社であるサウジアラムコと、サウジアラビア王国内において太陽光を活用した小規模分散型発電事業の可能性の調査を開始。
今後行う基礎調査を経て太陽光発電のパイロットプラントを建設し小規模独立型電力系統(マイクログリッド)への繋ぎ込みなどの技術検討を行う。
ユーラスエナジー:風力(欧米等)
東京電力と豊田通商の合弁企業であるユーラスエナジーは、アメリカカリフォルニア州モハベ砂漠にて1987年より海外での発電事業を開始。その後、アメリカのみならずクリーンエネルギーとしての風力発電事業を積極的にバックアップしている英国、イタリア、スペインにおいて事業展開を進め、さらに日本以外のアジアでは初めて韓国でも風力発電事業の開発に着手。
日本ガイシ:NAS電池(アラブ首長国連邦)
アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビ水利電力庁からNAS(ナトリウム硫黄)電池システム50MWを受注。高エネルギー密度で高効率のNAS電池を用いて電力負荷を平準化することで、ガスタービン発電機の運転を効率化。今後、電力需要の拡大が著しいアブダビ本土や大規模太陽光発電への活用も検討。
日揮、伊藤忠商事:バイオエタノール(フィリピン)
近年、バイオエタノールの導入拡大に積極的なフィリピンにおいて、サトウキビを原料とするフィリピン最大級のバイオエタノール(54,000kl/年)の製造・販売事業、及びサトウキビ残渣(バガス)を燃料とする火力発電(最大19MW)による電力販売事業に着手。
三井物産:バイオエタノール(ブラジル)
ブラジル国営石油会社であるペトロブラス社とバイオエタノール生産事業への投資を目的とする投資会社設立の株主間協定書を締結。ブラジル国内でエタノールの生産・バガス発電を中心とする複合バイオエネルギー事業への参画を検討。
住友商事、九州電力等:風力(中国)
中国五大発電会社の一社である中国大唐集団公司と共同で、中国・内蒙古自治区赤峰市において風力発電所を開発・商業運転を実施。全量を中国国有送電会社に販売するとともに、CDM事業としても展開。
(注)
①三菱重工業 プレスリリース 2010年2月26日
②住友商事 プレスリリース 2008年5月9日
③三菱商事 プレスリリース 2009年7月14日
④シャープ プレスリリース 2010年1月4日
⑤昭和シェル プレスリリース 2009年6月24日
⑥ユーラスエナジー ホームページ
⑦日本ガイシ プレスリリース 2009年1月5日
⑧日揮、伊藤忠商事 プレスリリース 2010年4月8日
⑨三井物産 プレスリリース 2008年3月14日
⑩住友商事 プレスリリース 2009年9月24日
(出所)
各社ホームページをもとに作成
1
エネルギー供給事業者による非化石エネルギー源の利用及び化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する法律施行令第4条
2
Global_Trends_In_Sustainable_Energy_Investment 2009 CHAPTER1:OVERVIEW OF INVESTMENT TRENDS
3
再生可能エネルギーの全量買取に関するプロジェクトチーム 欧州海外調査結果(2010年1月)
4
長期需給エネルギー見通しの最大導入ケースを想定し、経済波及効果(需要に対する直接効果とそれに伴う波及効果)を算出。