2.2030年のエネルギー需給展望

我が国は、今後、人口減少・少子高齢化の進展による人口構造の変化をはじめ、産業構造や社会構造、国民のライフスタイルも含めた経済社会構造が長期的に変化していくことが想定され、この変化はエネルギー需給構造にも大きな影響をもたらすことが考えられます。

このような認識のもと、将来の不確実性を十分に踏まえ、2030年頃を念頭に我が国のエネルギー需給構造を見通すとともに、エネルギー戦略の検討を行うため、2003年12月から総合資源エネルギー調査会需給部会において、長期エネルギー需給見通しの見直しに向けた審議が行われ、2005年3月に答申されました。

ここでは、2030年までの経済社会像とエネルギー需給構造や、想定されうる道筋を複数のシナリオとして検討・提示しています。また、シナリオを念頭にいくつかの感応度分析を行いつつ、2030年の我が国のエネルギー需給構造を定量的に示しています。その際、京都議定書の遵守を念頭に、2010年におけるエネルギー需給構造も併せて見通しています。さらに、これら見通しを踏まえ、中長期的なエネルギー戦略のあり方についても検討を加えています。

2030年見通しでは、自然体で推移した場合、人口・経済・社会構造の変化を踏まえ、エネルギー需要の伸びは構造的に鈍化し、2020年代初頭には頭打ちとなり減少に転じる姿が示されました。また、感応度分析では、技術革新や国民・企業の意識の変革により省エネルギーが進展し、自然体で推移した場合に比べて更に5千万kl程度減少し、CO2排出量が1990年度の水準を大幅に下回る可能性や、燃料電池をはじめとする新しい供給手段が現実化する可能性が提示されています。

望ましいエネルギー需給構造の実現に向けては、アジアのエネルギー需要増加をにらんだ国際エネルギー戦略の確立、省エネルギー・環境対策の推進、原子力の推進・天然ガス利用の拡大・水素社会への取組等によるエネルギー供給の多様化、大規模集中型と分散型の適切な組合せによるエネルギー供給システムの最適化という4つの中長期的なエネルギー戦略が提案されています。

一方、2010年見通しでは、地球温暖化対策推進大綱(2002年3月)に掲げられている対策の推進だけでは、CO2排出量の目標を大幅に超過する見通しであることが示されましたが、エネルギー需要サイドにおけるエネルギー使用の合理化に向けた環境整備や産業界の領域を越えた取り組みを進め、エネルギー供給サイドにおいては電力分野のCO2排出量の低減や新エネルギー導入の促進などの追加対策を講ずることで目標達成が可能であることが示されています。

最終エネルギー消費量の見通し

最終エネルギー消費量の見通し

エネルギー起源CO2排出量

エネルギー起源CO2排出量