1.エネルギー価格の高騰

2004年には、前年から上昇を続けていた原油価格は大きな変動を繰り返しながらも、さらに高騰しました。2004年の10月22日にはWTI原油の価格が史上最高値(当時)である55.17ドル/バレルを記録し、2004年のWTI原油の平均価格も41ドル/バレル台と過去最高水準となりました。さらに、2005年に入ってもWTI原油価格は、再び上昇傾向にあり、4月1日には史上最高値を更新し(57.27ドル/バレル)、その後も高い水準で推移しています。我が国の輸入原油の大半を占める中東原油も上昇しており、このため、日本の原油の輸入価格(CIF価格)は、2005年3月には、42.51ドル/バレルを付けています。

この原油価格高騰は、中国をはじめとする世界の石油需要の増加、80年代後半から90年代の低い原油価格を背景とした石油生産投資ペースの鈍化等による余剰生産力の低下といった構造的要因と、産油国における供給リスクの顕在化、自然災害、欧米の厳しい寒波等といった短期的要因に、石油市場への投資資金の流入が加わり、これら諸要因が複合的に作用した結果、もたらされたものと考えられています。

今回の原油価格の高騰においては、エネルギー源の多様化による石油依存度の低下や産業構造の変化により、原油価格上昇による影響を受けにくい構造に変化していることなどから第一次石油ショック、第二次石油ショックの際に比べ、我が国の経済に与える影響は相対的に小さいものとなっています。また、産業への影響については、規模・業種によって違いはあるものの、2004年8月、2005年3月の調査では、深刻なものとはなっていませんでした。しかし、影響は未だ顕在化していない面もあると見られ、今後も原油価格の上昇が継続する場合には、間接的な影響も含め、企業経営・収益への影響が懸念されることから、中東情勢、内外の需給、価格の動向とともに、それが我が国経済・産業に及ぼす影響について、引き続き注意することが必要です。

また、近年、原油だけでなく、天然ガス、石炭、LPガス、ウラン等全てのエネルギーの価格が上昇しています。各種エネルギーの日本への輸入価格等を見ると、天然ガス、LPガス、石炭、ウランの2002年1月の価格と比較して、全てのエネルギー源について上昇しています。

天然ガス、石炭、LPガスの価格の高騰の背景としては、中国等をはじめとする需要の増加、原油価格上昇からの影響等が考えられています。ウランの価格高騰の要因については、2003年4月のマッカーサーリバー鉱山の事故、ロシアが解体核を希釈した低濃縮ウランの一部を国内で消費する方針を表明したこと、余剰在庫の減少等主に供給面による事情等が考えられています。

また、国内のガソリン、灯油、軽油、電気、ガス(都市ガス、LPガス)等の二次エネルギーの価格も一次エネルギーほどではないものの、その影響を受けて、上昇を続けています。

国際石油市場での原油価格の推移

国際石油市場での原油価格の推移

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