なぜ関西電力は電気料金を値下げできたのか?

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関西電力は2017年8月1日から電気料金を値下げしました。2011年の東日本大震災発生以来、大手電力会社が、燃料費の変動による価格調整ではなく電気料金を抜本的に値下げするのは初めてのことです。

これによって、家庭向け電力では平均3.15%、企業向け電力では平均4.90%、全体平均4.29%の価格引き下げが行われることになります。一ヶ月に390kWh消費する二人以上の平均的世帯では、年間の電気代が約4,000円安くなります。

震災以降、大手電力初の値下げ

2017年7月6日、関西電力の岩根茂樹社長から世耕弘成経済産業大臣に、料金値下げの届出書が手渡されました。通常、電気料金の値下げは、国への届出のみで実施することができますが、関西電力については、東日本大震災後に2度の値上げを行っており、値下げを行う場合には、値下げ率などの適正性を確認・検証するため、国の専門家会合によるフォローアップを受けることとされていました。

そこで同年7月11日、経済産業大臣の直属組織「電力・ガス取引監視等委員会」の専門家会合で審査が行われ、届出の内容は適正であるという判断がなされました。

値下げが実現できた理由とは?

今回の値下げは、福井県の高浜原子力発電所3号機・4号機の運転再開によって実現しました。関西電力はもともと、大手電力会社の中でもっとも原子力発電(原発)への依存度が高い「電源構成(火力、水力、原子力など「電源」の種類の組み合わせ)」でした。そのため、東日本大震災後に原発が停止して以来、原発の代わりに「ベースロード電源(一定量の電力を安定的に低コストで作り出すことのできる電源)」となっていた石炭火力発電所など、火力発電にかかる燃料費などのコストが増えていました。2度の値上げを行った理由もそこにあったのです。

2017年6月に高浜原発4号機が、7月に3号機が本格運転を開始したことで、一部の火力発電所の稼動を減らすことにより、燃料費が削減できることになりました。さらに経営の効率化も進めたことで、合計877億円のコスト削減分を値下げの原資にあてることができました。

よりよいエネルギーのあり方を目指して

発電コストの安い原発を稼動させることでもたらされる利益は、このようなかたちで消費者や産業界に還元されることが重要です。その際、原発については安全性が最優先であることは当然です。

冷房需要が高まる夏季は、電力が最も必要とされる季節です。関西電力の値下げを受けて、2016年4月の電力小売自由化で電力市場に参入した関西の各企業も、8月からの電気料金値下げを相次いで発表しており、消費者や産業界に広くメリットがもたらされることが期待されます。今後も、電力小売自由化の下で、電力各社が安全性を確保しながら、時代に合ったよりよい形の電力供給のありかたを追求していくことが期待されます。

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